走りと実用性はSUVより上! あえて選びたいイケてるワゴン車5選
くるまのニュース / 2021年2月13日 6時30分
ミニバンやSUVの人気に押され気味なステーションワゴンですが、低い重心による走りの良さと、広い荷室を兼ね備えたモデルとして、人気が再燃しそうです。今回は、所有したときの満足度が高い、魅力的なワゴンを紹介します。
■SUVよりスポーティな走りが楽しめる魅力的なワゴン車
最低地上高が高く、オフロードなど悪路走破性も期待できそうなイメージもあって大人気のSUVですが、背が高いことから立体駐車場に駐車できず、重心が高いゆえにスポーティに走るのが苦手だったりします。
そこで今回は、一時のブームが過ぎて人気が停滞気味のステーションワゴンに着目。
重心高の低さからセダンと同等のスポーティな走りが味わえ、かつ広いラゲッジルームで使い勝手も良好で、どんなシーンでも高い満足感が味わえる、そんな魅力的なワゴンを5台ピックアップして紹介します。
●スバル「レヴォーグ」
「ステーションワゴン」というジャンルを確立した立役者といえば、スバル「レガシィツーリングワゴン」ですが、世代を重ねることに大型化し、日本の道路事情にはマッチしなくなっていた部分もありました。
そこで日本の道路事情にもマッチするサイズのワゴンとして、2014年に誕生したニューモデルが「レヴォーグ」です。
日本でも普及しつつあったダウンサイジングターボ思想を反映した新開発1.6リッター直噴ターボエンジンと、ハイパワーな300馬力の2リッター直噴ターボエンジンを搭載。
スバルらしいAWD(4輪駆動)と運転支援システム「アイサイト」を採用し、安全面にも配慮した新しいプレミアム・スポーツワゴンとして注目されました。
2020年には現行モデルの2代目へとフルモデルチェンジ。新デザインコンセプト「BOLDER」を市販車として初めて採用し、全長4755mm×全幅1795mm×全高1500mmと初代モデルよりも少し大きくなりましたが、十分な取り回しの良さを確保しています。
全車AWD(常時4輪駆動)とリニアトロニックCVTを採用しているのは初代と同じですが、すべてが進化。エンジンは177馬力の1.8リッター直噴ターボに統一されました。
アイサイトは広角化されたステレオカメラと前後4つのレーダーで全方位のセンシングが可能になっただけでなく、自車位置を正確に把握して、高速道路で高度な運転支援をおこなう「アイサイトX」も搭載しています。
ステーションワゴンを作り続けてきたスバルだけに全体のバランスが秀逸で、スポーティな走りを楽しみたい人には非常に魅力的なワゴンに仕上がっています。
●マツダ「マツダ6ワゴン」
SUVの「CXシリーズ」の人気が高いマツダですが、現在のラインナップでフラッグシップとなっているのが「マツダ6」です。
もともとは「アテンザ」と呼ばれていたモデルですが、2019年に海外向けと同じ数字での車名に変更されました。
マツダ全車に通じる「魂動デザイン」が採用されたボディは、全長4805mm×全幅1840mm×全高1480mmと堂々としたサイズ。ラゲッジスペースの容量も506リッター(通常時)で、シートアレンジ次第では長尺物も楽に積載できます。
搭載されるパワーユニットは、2リッターおよび2.5リッターのガソリンエンジンと、2.2リッタークリーンディーゼルエンジンのラインナップでしたが、4リッター自然吸気エンジンに匹敵するトルクを生み出す2.5リッターターボエンジン「SKYACTIV-G 2.5T」も追加されました。
マツダ6ワゴンは、伸びやかなスタイリングと美しいボディプレス、こだわりのボディカラーなどが魅力的なモデルになっており、一流ホテルのエントランスに乗り付けてもサマになるエレガントさも持っています。
なお、マツダ6にはワゴンだけでなく、セダンもラインナップしています。
●トヨタ「カローラツーリング」
トヨタを代表するモデルである「カローラ」ですが、2018年に誕生した12代目はターゲット層を若者に切り替えたアグレッシブなデザインを採用しています。
そしてこのモデルチェンジに合わせ、それまで「カローラフィールダー」として存在していたワゴンも一新され、新たに「カローラツーリング」の名称が与えられました。
TNGAに基づいたプラットフォームを採用したボディは、全長4495mm×全幅1745mm×全高1460mmと日本の道路事情にもマッチする扱いやすいサイズ。それでいて、ラゲッジの容量はフル定員でも392リッターを確保し、ワゴンらしい実用性の高さを確保しています。
最新のクルマらしく環境性能も万全で、1.8リッターガソリンエンジン+モーターのハイブリッドモデルのWLTCモード燃費は29.0km/L(G-X 2WD)、4WDでも26.8km/Lの低燃費を実現。
さらに1.8リッターガソリンエンジンと1.2リッターターボエンジンもラインナップしていますが、このターボエンジンは希少な6速MTと組み合わされ、15.8km/L(W×B)の低燃費を実現しながら走る楽しさをも味わせてくれる「ツウ好み」のグレードになっています。
安全装備も充実し、ミリ波レーダー+単眼カメラによるプリクラッシュセーフティ機能や、踏み間違えにも対応した被害軽減自動ブレーキも装備。また車線の中央を走るようにハンドル操作をサポートする「レーントレーシングアシスト」も搭載。
全方位に死角がない、スポーティなのに安全なワゴンに仕上がっています。
■セダンより人気が高い輸入ワゴン
●アウディ「A4アバント」
日本でも高級ブランドとしての地位を確立しているアウディですが、とくに1995年に日本デビューした「A4」は、ミドルクラス(Dセグメント)のなかでも日本の道路事情にマッチしたサイズのプレミアムなセダン&アバント(ワゴン)として人気となっています。
A4はフォルクスワーゲン「パサート」とプラットフォームを共有し、縦置きエンジン&FFまたは4WD(クワトロ)をラインナップし、高級感をうまくブレンドしたモデルです。
アウディ「A4アバント」
デビュー当時はワゴンブームだったこともあり、1996年に導入された「A4アバント」は、セダン以上の人気モデルとなりました。
2015年にデビューした現行モデルの5代目も、全長4760mm×全幅1845mm×全高1410mmと十分に取り回ししやすく、かつステータスも感じられる絶妙なサイズ感をキープしています。
搭載されるエンジンは、150馬力と249馬力を発揮する2種類の2リッターガソリンターボ、163馬力と190馬力の2種類の2リッターディーゼルターボの計4種類をラインナップ。
駆動方式はFFとクワトロ(4WD)の選択が可能となっています。
A4アバントの魅力は、国産車並みのサイズながら、欧州プレミアムらしい高級感を併せ持つワゴンだということでしょう。
トランク容量は平常時で505リッターと車格とマッチしているのですが、目一杯荷物を積んで郊外に行くにも最適で、セダン以上の余裕を感じさせる、贅沢な気分が味わえるのがポイント。
その証拠に、スポーティなパーツを装備した「Sライン」や、メーカーチューンドマシン「S4アバント」などもラインナップするなど、走りやプレミアム感で勝負しています。
アウトドアより都会的でプレミアムなスポーツワゴンとして国産車からの乗り換えもしやすく、満足感は非常に高いワゴンといえます。
●ボルボ「V60」
一時は輸入ワゴンの代名詞ともいわれたボルボは、最近ではSUVやクロスオーバーなども人気を集めていますが、それでも「ボルボといえばエステート(ワゴン)」という人も多いのではないでしょうか。
そんなボルボの現在のラインナップで、扱いやすいサイズなモデルとして人気になっているのが「V60」です。
ちなみに頭文字の「V」はエステート(ワゴン)ボディ採用のモデルに付けられています。
2010年に誕生した「V60」は、それまでの「V50」を正常進化させたモデルです。
ボディサイズこそやや大きいもののミドルクラスに属し、プレミアムでクーペのような美しいフォルムを採用して注目を集めました。
また2018年に登場した2代目となる現行モデルでは、ボルボらしい安全性の高さと実用性、デザイン性に加え、優れた環境性能という先進性も盛り込んでいます。
全長4760mm×全幅1850mm×全高1435mmというサイズのV60は、ひとつ上のクラスの「V90」とプラットフォームを共有し、新世代ボルボのアイデンティティとなっている「トールハンマー型LEDヘッドライト」を採用。
パワートレインも、エンジン始動や発進、加速などでエンジンをモーターアシストする48Vハイブリッド搭載モデルと、外部充電機能を追加してよりモーターを活用したプラグインハイブリッド搭載モデルのみという、高い環境性能も特徴です。
ちなみにボルボは全モデル電動化を目指す目標を掲げており、2019年以降の新型車はハイブリッドかPHEVのみのラインナップに切り替わっています。
V60の魅力は、乗員にも周囲のクルマや歩行者にも優しい充実した安全装備や環境に優しいところでしょう。
国産車ともドイツ車とも違う、スカンジナビアンテイストでまとめられた暖かみのあるインテリアや、エステート(ワゴン)を作り続けてきたメーカーならではの実用性の高さも魅力ですが、この「ボルボを選ぶ=環境に安全にも配慮する知性の高さ」こそが、プレミアムな価値を感じさせてくれます。
※ ※ ※
SUVにしてもステーションワゴンにしても、その性能をフルに活用するシーンはそこまで多くないかもしれませんが、それでもその「+α」を持つ余裕こそがワゴン最大の魅力です。
人気のSUVよりも、広いラゲッジスペースを確保し、さらに低重心で走っていて安心感と楽しさが得やすいワゴンのほうが実用にも優れているといえるでしょう。
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