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今では知る人ぞ知るくらいの存在!? 不遇のステーションワゴン5選

くるまのニュース / 2021年2月15日 6時10分

近年、ラインナップが激減してしまった国産ステーションワゴンですが、やや復活の兆しもあります。一方で、かつては各メーカーから数多くのステーションワゴンが登場しましたが、なかにはセールス的に成功したとはいい難いモデルも存在。そんな不遇のステーションワゴンを5車種ピックアップして紹介します。

■さまざまな理由でヒットしなかったステーションワゴンを振り返る

 現在、国内の自動車市場では、ファミリーカーの定番となったミニバンや、経済性に優れたコンパクトカー、世界的にも人気急上昇中のSUV、そして使い勝手に優れた軽トールワゴンが、高いシェアを誇っています。

 一方で、人気の低迷からここ数年でラインナップが激減してしまったジャンルのひとつが、ステーションワゴンです。

 しかし、直近ではトヨタ「カローラツーリング」や、スバル新型「レヴォーグ」が好調なセールスを記録するなど、復活の兆しもあります。

 1990年代にはステーションワゴンがちょっとしたブームとなり、2000年代初頭まで各メーカーから数多くのモデルが登場しましたが、すべてのモデルがヒット作となったわけではありません。

 そこで、セールス的に不遇なステーションワゴンを、5車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「アヴァンシア」

高級路線にチャレンジしたものの売れなかった「アヴァンシア」高級路線にチャレンジしたものの売れなかった「アヴァンシア」

 ホンダの現行ラインナップでは「シャトル」が唯一のステーションワゴンです。しかし、かつては「アコードワゴン」がヒットし、「シビックシャトル」や「オルティア」など、ステーションワゴンのラインナップが充実していたこともありました。

 そして1999年に、上級セダンのような落ち着いたデザインと広い室内空間で、プレミアムなステーションワゴンというコンセプトで登場したのが「アヴァンシア」です。

 外観はウエッジシェイプを強調するようなフロントフェイスに、柔らかなカーブを描くルーフラインが特徴で、同時期に販売されていた「アコードワゴン」がスポーティな印象だったのに対し、アヴァンシアはシックな佇まいでした。

 ボディサイズは全長4700mm×全幅1790mm×全高1500mm(2WD)とワイドで比較的全高が高く設定され、3代目「オデッセイ」に近いサイズ感となっています。

 搭載されたエンジンは2.3リッター直列4気筒と3リッターV型6気筒の2種類が設定されており、3リッター車にはホンダ初となる5速ATが搭載されるなど、コンフォートな走りを実現。

 しかし、すでにミニバンが定番化しており、ステーションワゴンのニーズも低下していたため販売は低迷。2003年に一代限りで生産を終了しました。

●マツダ「ファミリア S-ワゴン」

長い歴史の最終モデルとなってしまった「ファミリア S-ワゴン」長い歴史の最終モデルとなってしまった「ファミリア S-ワゴン」

 マツダ初代「ファミリア」は1963年に発売された同社初の本格的な乗用車で、代を重ねて1980年に登場した5代目が大ヒットを記録したことから、一気に若者の人気車種となりました。

 1985年発売の6代目と1986年発売の7代目では、高性能なDOHCターボエンジンにフルタイム4WDを組み合わせた高性能グレードが設定され、ラリーなどモータースポーツで活躍。

 ところが、1994年に登場した8代目では一転してベーシックカーに原点回帰し、1998年に発売された9代目ではハッチバックが消滅して、セダンとショートタイプのステーションワゴンのラインナップとなります。

 このステーションワゴンは「ファミリア S-ワゴン」と命名され、発売当初は1.5リッターエンジン車が主力でした。

 そして1999年のマイナーチェンジでは、170馬力を誇る2リッターエンジンを搭載した「ファミリア S-ワゴン スポルト20」が登場するなど、高性能モデルの復活と若返りを図りました。

 シリーズ最大となる2リッターエンジンによって余裕ある走りを実現し、シャシ剛性のアップや足まわりの強化で、スポーティな走りを獲得。

 しかし、ファミリアは販売の低迷が続いたことから2004年に生産を終了し、後継車として2003年に「アクセラ」が登場しましたがステーションワゴンは設定されず、現行ラインナップではフラッグシップの「マツダ6ワゴン」のみとなっています。

●トヨタ「オーパ」

斬新なデザインとコンセプトながらヒットにつながらなかった「オーパ」斬新なデザインとコンセプトながらヒットにつながらなかった「オーパ」

 トヨタもかつてはコンパクトなモデルからラージサイズまで、数多くのステーションワゴンを同時に販売していた頃がありました。

 そんななか、2000年に発売されたトヨタ「オーパ」は、ミニバンでも乗用車でもない、新ジャンルの次世代ミディアムカーというコンセプトでデビュー。

 ボディは5ドアハッチバックに近いショートタイプのステーションワゴンで、フロントウインドウの傾斜を寝かせ、エッジの効いたスポーティなフォルムを採用していました。

 発売当初は最高出力136馬力の1.8リッター直列4気筒エンジン搭載車のみを設定していましたが、後にトヨタ初のCVT(スーパーCVT)を組み合わせた2リッターエンジン車を追加ラインナップし、バリエーションの拡大を図ります。

 セダンのようなドライビングポジションながら、コラムシフトの採用によりウォークスルーを可能とした前席や、スライド可能な後席と巧みなシートアレンジで生まれるフラットスペースなど、ミニバンのエッセンスも取り入れていました。

 広い室内空間と使い勝手の良さがオーパの持ち味でしたが、ステーションワゴンとしては中途半端な印象で、ヒットすることなく2005年に生産を終了。後継車はありませんでした。

■アグレッシブなフォルムと高性能さをアピールしたもののヒットに恵まれなかった!?

●日産「プリメーラワゴン」

アグレッシブなデザインは好き嫌いが分かれてしまった「プリメーラワゴン」アグレッシブなデザインは好き嫌いが分かれてしまった「プリメーラワゴン」

 日産は1990年にFFセダンの初代「プリメーラ」を発売。優れたハンドリング性能を実現し、セダンとしてのユーティリティを高めたことから大ヒットを記録しました。

 1995年には初代のコンセプトを受け継いだ2代目が登場し、セダンに加えてステーションワゴンを設定して、やはりヒット作となります。

 そして、2001年に発売された3代目では、これまでのベーシックセダンといえるデザインから一新。アグレッシブなフォルムのセダン/ステーションワゴンへと変貌しました。

 初代、2代目に続き、主に欧州市場をターゲットに開発され、優れたハンドリングと乗り心地の良さを両立。

 さらに、最高出力204馬力を誇る2リッターエンジンと6速MTを搭載したスポーティグレードの「20V」が追加されるなど、一気に高性能化を果たしました。

 また、外装と同様に内装もこれまでの路線とは異なり、3連センターメーターを配置し、ナビやオーディオ、空調の操作が直感的におこなえるユニークな操作パネルを採用するなど、新たな試みが採用されています。

 しかし、1990年代終わり頃からセダンとステーションワゴンの人気が低迷していたこともあり、3代目は初代と2代目ほどのヒットには恵まれず、2005年に国内向けの生産を終了。この代をもってプリメーラは消滅してしまいました。

●三菱「リベロ」

真面目なつくりながらインパクトに欠けていた「リベロ」真面目なつくりながらインパクトに欠けていた「リベロ」

 1990年代初頭に、スバル初代「レガシィツーリングワゴン」の大ヒットによって、高性能なステーションワゴンがブームとなり、三菱も「ディアマンテワゴン」や「レグナム」といったモデルで追従してヒット作となりました。

 そうした状況のなか誕生したもう1台のステーションワゴンが「リベロ」です。

 リベロは初代「ランサーワゴン」の後継車として、1992年にライトバンの「リベロカーゴ」とともに発売。当時の三菱は「パジェロ/RVR/シャリオ」という3台のRV(レクリエーショナル・ビークル)がすでにヒットしていたことから、さらなる拡販をねらってリベロを開発したといいます。

 発売当初は120馬力の1.8リッターガソリンエンジンと、88馬力の2リッターディーゼルターボエンジンを搭載し、経済性を重視。

 後に「ランサーGSR」から移植された205馬力を発揮する1.8リッターDOHCターボエンジン+フルタイム4WDシステムを搭載した「GT」が追加され、さらに1995年の改良では初代「ランサーエボリューション」と同様なフロントフェイスになり、エンジンも215馬力へと向上するなど、まさに「ランサーエボリューションワゴン」の先駆けでした。

 ほかにもRVテイストのモデルをラインナップするなどユーザー層の拡大を図りましたが、次第に販売は低迷し、後継車で新世代モデルの「ランサーセディアワゴン」にバトンタッチするかたちで、2000年に生産を終了しました。

※ ※ ※

 ステーションワゴンの魅力は、セダンに近いドライビングプレジャーがありながら、優れた積載能力を持っていることです。

 さらに、全高がSUVよりも低いことから機械式立体駐車場にも対応できるなど、日常での使い勝手も優れています。

 しかし、カローラツーリングとレヴォーグが健闘しているとはいえ、大ヒットするに至っておらず、日産や三菱のようにすでにステーションワゴン市場から撤退してしまったメーカーから復活することは難しい状況です。

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