最新は最速! ポルシェ新型「911 GT3」の予約開始は4月から
くるまのニュース / 2021年2月18日 11時50分
2021年2月16日、ポルシェAGは、新型「911 GT3」を発表した。サーキットまで自走でき、サーキット走行を楽しむことができる究極の911の実力はいかに。
■恐ろしく速い「GT3」がさらに速くなった!
ポルシェから、「GT3」と呼ばれる自然吸気のハードコアモデルが初めて世に送り出されたのは1999年のことだった。ベースとなったのは初の水冷水平対向6気筒エンジンを搭載する996型「911」。実際にサーキットへと投じられたGT3は、さまざまなカテゴリーで勝利を積み重ね、ここでのノウハウが次世代のGT3へと受け継がれるという、きわめて魅力的なルーティーンも完成した。
●第4世代? それとも第7世代?
911GT3はこれまで、ベースとなる911のフルモデルチェンジに伴って、996型、997型、991型へと進化を遂げてきたが、モデルライフ途中で大幅なマイナーチェンジが実施されるのもまた恒例のパターンだった。
従ってGT3のジェネレーションは、今回誕生した最新の992型GT3で大きく見れば第4世代、マイナーチェンジを含め細かく進化の過程を振り返れば第7世代に相当する。
参考までに最新モデルの開発時に掲げられたコンセプトは、「これまで以上にモータースポーツへと近づくこと」。このコンセプトはデビュー以来、世界各国のレースで多くの勝利を収めている「911RSR」から積極的な技術導入を図ることを意味しており、事実ニュルブルクリンクのノルトシュライフェを、ニュル専用セッティングを施すことなく、6分59秒927というラップタイムを達成したのだ。これは先代GT3に対して17秒も速いタイムになる。
さっそくその驚異的な速さの秘密に迫っていこう。これだけの速さを実現するには、まずはエアロダイナミクスの最適化は重要な課題になる。新型GT3では、スワンネックの大型リアウイングやディフュザー、完全にフラット化されたリアアンダーパネルなど、こちらも911RSRから受け継いだテクニックは数多い。
ボディサイズは4573mm×全幅1852mm(ミラーを含むと2027mm)×全高1279mmとけして小さくはないが、Cd値は0.34に抑えられており、これに2.08平方メートルの前面投影面積を乗じた0.71平方メートルが空気抵抗の数値となる。走行中に発生するダウンフォースは、ポルシェによれば先代モデルの4倍。もはや新型GT3は、完全にエアロダイナミクスで走るクルマになったという印象だ。
■サーキット派が待ち望んだ「GT3」誕生!
軽量化も徹底している。ボンネットや4段階に調節が可能なリアウイング、各種スポイラー類にはCFRP素材が使用されているが、さらにカスタマーのオーダーによってはルーフもCFRPとすることができる。
インテリアも実にレーシーな雰囲気だ。オプションではロールケージや6点式のフルハーネス・シートベルトなども用意され、一方で後席や豪華なトリム類は廃止されている。ポルシェによればGT3ユーザーのほとんどは、サーキット走行を楽しむ層であるというから、このような一見過激で無機質なキャビンも逆に歓迎されるのかもしれない。
●510psになった自然吸気エンジン
インテリアも実にレーシーな雰囲気に仕立てられたポルシェ「911 GT3」
リアに搭載されるエンジンは、3996ccの水平対向6気筒自然吸気エンジンとなる。すでに911シリーズではカレラ系もツインターボ仕様になっているから、自然吸気派のユーザーとしては、これは貴重な存在になるだろう。
最高出力&最大トルクは、それぞれ510ps/8400rpm、470Nm/6100rpmで、レブリミットは9000rpm。相当な高回転型であることが、この数字からも想像できる。
参考までにこのスペックは、先代の991型GT3の後期型と比較すると、最高出力で10ps、最大トルクでも10Nmの強化を果たしたという結果となる。
6バレルのスロットルバルブが備わるインテークシステムや、2個のガソリンパティキュレートフィルターを装備していながら先代よりも軽量に設計されたというエグゾーストシステムなど、こちらも性能向上とともに軽量化には万全の備えが図られている。
●最初からMTとPDKが選択可能
組み合わせられるトランスミッションは、6速MTもしくは7速PDKからの選択。後者はシフト時に動力供給の中断が一切なく、したがって加速性能を比較しても、7速PDK仕様は6速MT仕様よりも魅力的な数字を残している。
0−100km/h加速は3.4秒(6速MT仕様は3.9秒)、0−200km/h加速は10.8秒(同11.9秒)というのが、ポルシェから発表されている公式スペックである。一方最高速はMT仕様の方が320km/hと、PDK仕様より2km/hほどわずかに速い結果となっている。
シャシにも多くの話題がある。まずフロントのサスペンションには、こちらも911RSR譲りのダブルウイッシュボーンフロントアクスルを、ロードモデルとしては初採用したのが大きな話題だ。一方5アームのリアアクスルにはボールジョイントを追加し、ポルシェのLSA(軽量、安定、俊敏)コンセプトをさらに進化させている。走行速度に応じて、同位相、逆位相ともに2度が操舵される後輪操舵を装備しているのも見逃せないところだ。
ビークル・マネージメントはABSを含むPSM(ポルシェ・スタビリティ・マネージメント)で、2段階(ESCオフ、ESC+TCオフ)のスイッチオフが可能だ。
前後のタイヤは、フロントが255/35ZR20、リアが315/30ZR21の前後異径サイズ。オプションでミシュラン製のパイロットスポーツカップ2Rの選択ができるようになったことも、サーキット志向の強いユーザーには嬉しいところだろう。
ブレーキシステムは、フロントにΦ408mm、リアにΦ380mmのディスクを備え、各々6ピストン、4ピストンのモノブロック・キャリパーを組み合わせる。世界一と評されて名高いポルシェのブレーキは、この新型GT3でまたもや強化が果たされたのだ。
約20年前、996型911に最初のGT3が追加設定された時、それに搭載された3.6リッター水平対向6気筒エンジンは、今となってはわずか360psの最高出力だった。それから20年以上の年月を経て、最新のGT3はオーバー500psのパワーを安全に楽しむことができるモデルへと進化を遂げた。
992型911の誕生以来、そのデビューを待っていたファンにとって、それはまさに究極の1台なのである。日本仕様の価格発表と予約受注開始は、2021年4月頃を予定している。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
初の電動化、6気筒エンジン復活など話題満載!ポルシェ『911』最新世代「6モデル」を一挙スクープ
レスポンス / 2024年5月4日 8時0分
-
マセラティの新型V6エンジン「ネットゥーノ」を味わって気づいた、バルサミコ酢との意外な共通点とは
レスポンス / 2024年5月1日 12時0分
-
ポルシェが「911ターボ」50周年を祝う…No. 1は特注の誕生日プレゼントだった
レスポンス / 2024年4月21日 15時0分
-
究極の「GT3 RS」登場!? ポルシェモータースポーツの頂点「マンタイ」が開発中
レスポンス / 2024年4月11日 21時0分
-
トヨタ新型「“3ドア”ハッチバック」発売! 300馬力超え「直3」+4WDの爆速仕様! 進化は“全面刷新”並みな「GRヤリス」登場
くるまのニュース / 2024年4月8日 17時40分
ランキング
-
167歳・月の年金7万円「年金制度を信用していなかった」女性の後悔
オールアバウト / 2024年5月5日 20時5分
-
2退職後のがん患者にとって「幸せな食事」とは何か…療養食開発者が味以上にこだわったこと
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月6日 9時6分
-
3しゃぶしゃぶ食べ放題「しゃぶ葉」が好調。競合店から“圧倒的な大差”をつけるポイントとは
女子SPA! / 2024年5月3日 8時46分
-
4国民ブチギレ!? なぜ「13年」で”自動車税”高くなるのか 軽自動車は20%加算も!? 「やってらんない税」「税金安くしろよ」の声上がる 理不尽な重課措置の仕組みとは
くるまのニュース / 2024年5月3日 12時0分
-
5枯れたミントを畑に捨てたら…3年後に「地獄絵図」、 繁殖力に地主も後悔「土の総入れ替えしかない」
まいどなニュース / 2024年5月3日 7時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください