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昔の名前でやってます!? 国内で消滅しても海外で進化した車5選

くるまのニュース / 2021年2月21日 6時30分

クルマの人気や需要は移り変わりが激しく、惜しまれつつ販売終了して姿を消してしまうモデルも数多くあります。しかしなかには、日本では消滅してしまったけど、海外で名前が生き残っているモデルも存在しています。海外で昔の名前のまま独自の進化を遂げたクルマを紹介します。

■海外の需要に対応し進化を続けるクルマたち

 クルマに求められるニーズや流行の変化で、惜しくも生産終了してしまう車種があります。

 しかし日本では生産・販売が終了していながら、海外でモデルチェンジして進化を続け、昔の名前のまま販売されている「海外専売モデル」もじつは結構あるのです。

 そこで今回は、日本ではもう売っていないけれど、昔の名前で販売されている海外専売モデルを5台ピックアップして紹介します。

●日産「ムラーノ」

 徐々にSUV人気が盛り上がる気配を見せていた2002年に、北米市場向けに誕生した日産「ムラーノ」。

 当時はクロカンベースの大型SUVが多いなか、スタイリッシュな都会的デザインと、大型サルーンに匹敵する乗り心地、「フェアレディZ」にも搭載されたV型6気筒エンジンを採用した動力性能が魅力でした。

 その人気に後押しされ、2004年には右ハンドル化されて日本市場にも登場。最終的には80か国で販売される大ヒットSUVとなりました。

 2008年には2代目へとフルモデルチェンジ。初代の大ヒットを受けて今度は最初からグローバルモデルとして誕生しています。

 しかし日本では環境性能を重視するようになり、2.5リッター直列4気筒もありましたが、パワーを重視した3.5リッターV型6気筒エンジンを主軸としたラインナップは、燃費の悪さから日本市場では受け入れられませんでした。

 さらに、アクの強いデザインも影響し、ムラーノは徐々に人気が低迷。その結果、2014年に発表された3代目は、日本以外の100か国以上で販売される海外専売モデルとなってしまいました。

 3代目ムラーノは北米市場のニーズを取り込み、全長4887mm×全幅1915mm×全高1720mmとほぼフルサイズと呼べる大きさに進化。

 日産のVモーショングリルやブーメラン型のヘッドライトを取り入れ、クーペのようなボディラインの採用など、かなりカッコいいデザインとなっています。

 北米では燃費よりパワーや加速の良さが重視されるため、V型6気筒エンジンがいまだに人気となっており、3代目ムラーノも3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載。

 日本よりガソリン価格が安いことから大排気量エンジンが現役で、ムラーノにはハイブリッド仕様が設定されていません。

 ただし、日本でも現行ムラーノは購入可能で、日産と縁が深いインパルが輸入窓口となっています。

●ホンダ「HR-V」

 人気のクロスオーバーSUVの元祖ともいえる、都市型コンパクトSUVとして1998年にホンダ「HR-V」が誕生しました。

 1.6リッターエンジンを搭載し、コンパクトな3ドアワゴンをそのままリフトアップしたようなボディデザインが特徴で、また当時としては数少ないCVT「ホンダマルチマチックS」を採用するなど先進性もありました。

 1999年には実用性の高い5ドアも追加され、2001年にはマイナーチェンジも実施。しかし時代はワゴンやミニバンが人気となりつつあり、2004年に生産が終了し、2006年まで販売されていました。

 その約10年後の2013年に、実質的な後継モデルとして誕生したのが「ヴェゼル」です。このヴェゼルが海外では昔の名前の「HR-V」として販売されているのです。

 ヴェゼルは3代目「フィット」をベースに開発されたコンパクトSUVとしてヒットを記録。

 日本では1.5リッターガソリンエンジンと1.5リッターターボ、1.5リッター+1モーターのハイブリッドをラインナップしました。

 一方、欧州のHR-V(2代目)は1.5リッターガソリンと1.5リッターターボ、1.6リッターディーゼル、さらに北米市場向けのHR-Vは141psの1.8リッターエンジンのみと、仕向け地によって異なる仕様が用意されています。

 そして2021年2月18日に2代目となる新型ヴェゼルが世界初公開され、同時に欧州では3代目HR-Vがお披露目されました。

 新型はデザインが一新され、クーペスタイルを強調した上質感のあるデザインに変更。

 パワートレインも刷新し、日本の新型ヴェゼルは1.5リッターエンジンと2モーターを組み合わせたハイブリッドシステム「e:HEV」が搭載され、1.5リッターガソリンも設定されました。

 なお、欧州の新型HR-Vはハイブリッドのみとなります。

 新型モデルは、日本では2021年4月、欧州では2021年後半に発売される予定です。

●トヨタ「アバロン」

 クルマでの長距離移動が多いアメリカでは、ロングホイールベースで居住空間の広い大型FF車が昔から根強い人気があります。

 そんな北米市場向けにアメリカトヨタが開発し、日本に逆輸入された大型FFサルーンが「アバロン」です。

 初代は1994年に当時の北米トヨタの最上級車種として誕生。日本へは翌1995年にアメリカで生産された右ハンドル車を逆輸入しました。

 トヨタ「クラウン」とはイメージが異なる大型サルーンでしたが、見た目も含めて保守的なデザインを採用したせいか、アバロンは商業的には苦戦します。

 2000年には2代目へとフルモデルチェンジ。こちらも日本に逆輸入されたのですが、初代アバロンがヒットしなかったため、新たに「プロナード」という日本市場のみの名称が与えられました。

 しかし、残念ながら2代目もクラウンの強固な牙城を崩せず、日本市場から消滅してしまったのです。

 一方アメリカでは堅調な人気を確保し、2005年には3.5リッターへと排気量をアップさせた3代目がデビュー。5mを超える大型FFサルーンとして、北米トヨタの最上級車種として販売されます。

 2012年には4代目へモデルチェンジし、現行カムリのような大きなグリルを装備。デザインはかなりスポーティかつ近未来的へと進化しています。またこの4代目からはハイブリッドモデルも追加されました。

 そして2018年、現在の5代目へと進化したアバロンは、ワイルドかつアグレッシブなフロントマスクと、クーペのような流麗なボディデザインを採用。サイズは全長4975mm×全幅1849mm×全高1435mmとクラウンより大型化し、ホイールベースは2870mmで車内も広々としています。

 パワートレインは、北米で販売されているカムリと基本的には共通で、301psを誇る3.5リッターV型6気筒ガソリンエンジンと、2.5リッター直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッドというラインナップ。

 2021年からは205psの2.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンを搭載したAWD(4WD)モデルも追加されています。

 日本に導入された初代・2代目アバロンは地味でしたが、現行モデルは想像以上にカッコよく、いまなら日本でも人気がでるかもしれません。

■日本ではまもなく生産終了でも海外では新型が登場!?

●日産「マキシマ」

 トヨタ アバロンの好敵手として、日産がラインナップし続けている大型FFサルーンが「マキシマ」ですが、ライバルよりずっと長い歴史を持つモデルであること意外に知られていません。

 初代はいまから40年前の1981年に「ブルーバード」ベースの「ダットサン 810 マキシマ」として誕生。2004年からは日産名義に変更されました。

日産「マキシマ」(北米仕様)日産「マキシマ」(北米仕様)

 日本市場には、1984年に2代目へのフルモデルチェンジを機に、「ブルーバードマキシマ」という車名で登場しています。

 2リッターV型6気筒エンジンを搭載したFFサルーンとして誕生したブルーバードマキシマは、1986年にマイナーチェンジ。1987年の一部改良に合わせて車名がマキシマに変更されました。

 日本市場でもっとも目立ったのは、バブル期を迎えつつあった1988年に登場した3代目でしょう。

 単一車種としては日本初となる3ナンバー専用ボディを採用し、3リッターV型6気筒エンジンを搭載。

 日産のFF車として最初のABS装着モデルとなり、当時の日産らしい横長のグリルを採用した大型FFスポーツサルーンとして注目されました。

 しかし時代は国産高級車の黄金時代で、クラウンのライバルとして社会現象を起こすほど人気となった日産初代「シーマ」の影響もあり、アメリカナイズされたセダンのマキシマは1994年に日本からひっそりと姿を消します。

 しかし北米を中心とした海外での根強い大型サルーン需要に応える形で、1994年には4代目へとフルモデルチェンジ。3リッターV型6気筒搭載のFFサルーンという基本スタイルは変わらず、進化を続けています。

 2000年には5代目へ、2003年には6代目、2008年には7代目へと進化を続けたマキシマですが、2015年には現在の8代目へと進化しています。

 さらに、2018年にマイナーチェンジされたのですが、この後期型がカッコイイと評判になっています。

 現在の日産のデザインの主流になっている「Vモーション」を取り入れ、全長4897mm×全幅1859mm×全高1435mmという大型ボディながらクーペのようなスタイルを採用。

 パワーユニットは北米市場では人気の3.5リッターV型6気筒エンジンで、最高出力は300psまで引き上げられています。

 これも北米特有のピックアップ(スタートからの加速)優先&長距離移動での快適性を考慮した結果といえそうです。

●トヨタ「アリオン」

 トヨタのファミリーセダン「カリーナ」の後継モデルとして2001年に誕生したミドルサイズの「アリオン」は、見た目の地味さで注目度は低いイメージがあります。

 日本で現在も販売されている2代目へとフルモデルチェンジしたのは2007年。

 位置付け的には「カローラ」より上級のセダンとして、1.5リッター、1.8リッターに加え、2リッターもありましたが、ハイブリッド車はラインナップしていません。

 そしてトヨタは2021年3月末をもってアリオンを生産終了することを発表。なお、同時に姉妹車の「プレミオ」、「プリウスα」も姿を消すことが明らかになりました。

 このままでは完全に消えてしまいそうなアリオンですが、2020年の広州モーターショー(中国)で突如新型モデルが発表されました。

 3ナンバーになった現行カローラをベースとし、ホイールベースを50mm延長。2リッターガソリンエンジンを搭載して登場する予定だといいますが、今後は中国を中心とした海外専売モデルになることも考えられます。

 中国でセダンはA級からD級まで車格分けされており、A級のカローラとB級の上級サルーンカムリの間を埋めるモデルとしてA+級のアリオンを投入するという狙いがあるのです。

 新型アリオンはカムリのような大型グリルを装着し、なかなかスポーティなセダンに仕上がっています。

 日本ではセダン人気が衰退していることからこの新型アリオンが導入される可能性は低そうですが、かなり魅力的なセダンだといえます。

※ ※ ※

 日本政府が掲げた「2030年脱純ガソリン車」によってクルマの電動化が進められています。

 とくに北米市場で主流の3.5リッターV型6気筒エンジン搭載モデルは、今後は海外でしか販売されなくなる可能性が高そうです。

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