英国チューナー渾身の1台! S30型「フェアレディZ」レース仕様に注目集まる
くるまのニュース / 2021年2月27日 8時30分
世界中で、オールドタイマーの日本産スポーツカーに注目が集まっているが、英国チューナー「スーパーサムリ」が手がけたS30型「240Z」には、どのような評価が下されるのだろうか。
■サムライ魂がこめられた「フェアレディZ」
S30型「フェアレディZ」は、日本のみならず海外でも高い人気を誇っているが、もともと北米をターゲットとして開発されたものであるので、当然といえば当然かもしれない。
国内では当時の自動車税の関係もあって、L20型2リッターエンジンを搭載したモデルが主力だったが、海外では2.4リッターのL24型エンジンが搭載されていた。この海外向けのフェアレディZは、空気抵抗が少なく軽量なボディとL24型エンジンのトルクの太さが相まって、俊敏な走りを実現していた。
●1974 ダットサン「240Z スーパーサムリ」
当然のことだが、S30型フェアレディZの優れた素質を活かした、レーシングカーやチューニングカー製作も数多くおこなわれていた。S30型フェアレディZは国内のレースだけでなく、海外でもレースやラリーに出場しており、チューニングの世界でもエンジンの排気量アップによるパワーアップが当たり前のようにおこなわれていたのだ。
L型エンジンの頑丈さも、チューニングベースとしての価値を高めていたといっていいだろう。S30型フェアレディZは、ストリートカーとして、レーシングカーとして、そしてチューニングカーとして、多くの人に受け入れられたクルマであったのだ。
今回シルバーストーンオークションに登場したS30型240Zは、英国のチューナーがつくり上げたコンプリートカーである。手がけたのは、スパイク・アンダーソン氏率いるサムリモーターカンパニーのブランド「Super Samuri(スーパーサムリ)」だ。
このスーパーサムリというブランドは、1960年代に「サニー1200」のチューニングからその歴史が始まっている。サムリというネーミングは、ご想像の通り、「Samurai(サムライ)」からインスパイアされたものだ。
S30型240Zは、サーキット仕様車とラリー車をともに仕上げているのだが、現在残っているクルマのなかには、いわゆる見た目だけのサムリ仕様というものが多く、エンジン内部までサムリモーターカンパニーが手掛けた個体は、非常に少ない。
■フルレストアされた納屋物件
今回紹介する1974年式「240Zスーパーサムリ」は、まごうことなき純正のスーパーサムリだ。
もともとキプロスで販売されていたノーマルの240Zを、当地に赴任していたロイヤルアーミーの大尉が購入、英国に持ち帰った後にレーサーであるエディ・スティーブンス氏に売却。そのスティーブンス氏がサムリに車両を持ち込んでチューニングし、レースに参戦していた。
●1974 ダットサン「240Z スーパーサムリ」
エンジン内部までサムリモーターカンパニーが手掛けたダットサン「240Z スーパーサムリ」(C)SILVERSTONE AUCTIONS
チューニング内容はエンジンをボアアップにより、2565ccに排気量アップし、Φ45mmの3連ウェーバーキャブをセット。トランスミッションの強化やロールケージの装着をおこない、外装もサムリオリジナルのアイテムを装着している。
しかしこうしたチューニングを受けたのち、スティーブンス氏はレースからの帰宅途中、自損事故を起こしてしまった。そのため、この240Zは、長期間納屋で保管されることになる。
1998年、このクルマが再び日の目を見ることとなる。『ダットサン240Z/260Z/280Z』という本の著者であるジェームス・モリス氏と、ラリードライバーであるケビン・ブリスタウ氏が、このクルマを発見し、全面的なレストアをおこなったのだ。
その後、2007年にボナムス・オークションで販売されたこのクルマは、複数のオーナーの所有を経て、2016年に現在のオーナーの手に渡っている。その間、さまざまな整備や修復を受けていて、直近では2016年2月にブレーキや排気系、シートやホイール交換がおこなわれた。
現在の走行距離は5821マイル(約9313km)と、年式からいえばきわめて少ないといえる。さらに、スパイク・アンダーソン氏の真正のスーパーサムリである、という保証書も付属している。
注目オークションは、2021年3月27日。極上といっていい状態のよさと、真正のスーパーサムリであること、そして貴重な240Zであることを考えると、高額での落札が予想される。果たしてその価格はいくらとなるのか、注目したい。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
水平対向エンジン×MT設定も!? 新型「スポーツ“クーペ”」公開! 旧車デザイン採用の「750馬力マシン」! 公道走行は“オプションで可能”な「RR1」とは
くるまのニュース / 2024年8月7日 15時10分
-
“日産”製「フェラーリ」登場!? まさかの「“70億円超え”クーペ」を「日産車」で再現! 屋根もカットした「“ニセ”250GTO」のベース車とは
くるまのニュース / 2024年8月6日 11時50分
-
5億円の日産「スカイライン」実車展示! “400馬力”超えで「限定99台」のモンスター! 究極の爆速モデル「400R」とは
くるまのニュース / 2024年8月3日 7時40分
-
【2024年】新車で買える国産マニュアル車(MT車)おすすめ16選! 中古車や外車のおすすめ車種も紹介
MōTA / 2024年7月24日 12時30分
-
日本で買える? オートサロンで話題をさらった「オレンジのフェアレディZ」米国で登場[詳細画像]
レスポンス / 2024年7月17日 21時0分
ランキング
-
1新幹線に「半額」で乗れる方法があるって本当? 安く乗る“裏技”を鉄道のプロが解説
オールアバウト / 2024年8月10日 20時5分
-
2老齢年金を繰り上げ受給する前に注意したい7つのこと
オールアバウト / 2024年8月10日 18時30分
-
3エアコンからぬるい風しか出ない! 緊急事態発生で家電のプロが選択したのは修理?買い替え?
オールアバウト / 2024年8月10日 21時25分
-
4「土下座して謝れ」と怒鳴る人は"お客"ではない…悪質クレーマーを一瞬で黙らす「店員のひとこと」
プレジデントオンライン / 2024年8月10日 16時15分
-
5夏に「食中毒」を引き起こしやすい“要注意野菜”とは? 原因&対策を管理栄養士に聞く
オトナンサー / 2024年8月10日 20時10分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)