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思い届いた? SA/PAで「応援企画」も登場! 時短営業でトラック運転手が困る「食事問題」の現状は

くるまのニュース / 2021年2月23日 9時30分

赤羽一嘉国土交通大臣が2021年1月19日の記者会見にて「サービスエリアで深夜も営業しているコンビニなどの情報提供に努める」という考えを示しました。これに対して全国の多くのドライバーから不満の声が上がりました。では、トラックドライバーの現状はどうなっているのでしょうか。

■長距離トラックドライバーの「食事問題」その後は?

 2021年1月19日の記者会見にて、赤羽一嘉国土交通大臣が午後8時以降はコンビニなどの飲食を推奨するような発言をおこなったことがトラックドライバーなどから大きな反発がありました。

 日本の物流を支える存在といえるトラックドライバーですが、現状はどうなっているのでしょうか。

 緊急事態宣言による飲食店の時短営業は高速道路SA/PAの飲食店にも影響が及んでおり、対象となる都道府県のSA/PAでは24時間営業のコンビニやギフトショップなどを除いて、ほとんどが夜20時までの営業となっています。

 そこで困っているのが深夜も高速道路を長距離利用するトラックドライバーです。

 とくに、拘束時間に応じて連続した休憩時間の取得が義務付けられている長距離トラックの場合、SA/PAに一度駐車をすると移動しづらい事情もあります。

 また、深夜割引(午前0時から4時)適用のための時間調整を理由として首都圏に近い混雑するSA/PAでは、駐車自体が困難な状況です。

 それでは、これらSA/PAの飲食店。営業時間が20時までに制限されていることで、具体的にどんな問題が出ているのでしょうか。

 YouTubeでトレーラーやトラックなどのドライバーに対してさまざまな情報を配信しているベテラントレーラードライバーの伊藤氏に聞いてみました。

「1月に緊急事態宣言による飲食店の時短営業要請が出てから、SA/PAの飲食店はほとんどが20時までの営業(ごく一部21時、22時までの営業店舗もあり)となっています。

 飲食店が閉店すると、あとはSA/PA内のコンビニで食事を購入することになりますが、深夜ではお弁当が売り切れていることが多く、おにぎりやサンドイッチも少ないのです。

 温かいものが食べたいと思いますが、毎回カップ麺ばかりではつらいものがあります。

 せめて24時間営業している場所は、テイクアウトでも構わないので、食事の提供をしてもらえたらと思います」

 伊藤氏はNEXCO東日本にも問い合わせをしたとのことですが、その返事は「売店が営業しており、そちらでおにぎりやパンが売っているので利用してください」という対応だったそうです。

 伊藤氏いわく、「基本的に多くの長距離トラックは、関東に向けて走ってきて、関東近辺で深夜に時間調整をするトラックがかなりの量ありますが、それに対しての対応が考えられていないと感じられます」と話します。

■首都圏の二大SA「海老名VS蓮田」を比較してみると…

 では、現在の状況はどうなっているのでしょうか。

 2021年2月8日以降、東京や大阪など10の都府県は3月7日まで1か月延長する方針を示し、飲食店の原則午後8時までの営業時間短縮もそのまま継続されています。

 ほぼすべてのSA/PAで営業時間は相変わらず、午後8時までの営業となっています。

 しかし、全国SA/PAの営業時間は一律ではありません。各店舗の営業時間を調べていくと、高速道路会社によっても、また同じSA/PAの上りと下りでも開店時間に違いがあることがわかりました。

 東京までの距離がほぼ同じ(約50キロ)で施設の規模も同様となるふたつのサービスエリア、東名高速道路の海老名SA(EXPASA海老名)と東北自動車道の蓮田SA(パサール蓮田)を同じ「下り線」で比較してみました。

 海老名と蓮田のフードコート内にある4つの飲食店の営業終了時間は同じですが、海老名は朝5時オープンですが蓮田は朝7時オープンとなっています。

 朝5時と朝7時では2時間の違いではありますが、時間勝負の長距離トラックドライバーにとってこの2時間は大きな違いがあるようです。

 なお、同施設ではテイクアウト専門の店舗はほとんどが21時もしくは22時までの営業となっています。

 さらにトラックドライバーに人気の神奈川県鮎沢PA(上り)のフードコートも朝5時から営業しており、愛知県赤塚PA(上り)、同じく美合PA(下り)の吉野家は20時から5時の間もテイクアウトで利用可能です。

 なお、時短営業しているSA/PAのフードコートにおいては、店舗の営業はしていなくてもテーブルや椅子、無料のお湯やお茶、電子レンジの利用などのほとんどが24時間利用できるのことです。

 さらに、海老名(下り)には2月11日から「ドライバー様応援企画」と題して、キッチンカーが登場しています。

2月11日から海老名(下り)ではキッチンカーが登場している。(画像提供:NEXCO中日本)2月11日から海老名(下り)ではキッチンカーが登場している。(画像提供:NEXCO中日本)

 キッチンカーは下りだけですが、上りでは成城石井と東西逸品こみちにおいては24時間営業で多種多様な店内調理のお弁当を販売しています。

 いずれも購入したお弁当などは電子レンジで温めて、フードコート内のテーブルで食べることができます。

「こういう形でNEXCO中日本が動いてくれたことは、とても嬉しいことです。

 3月に緊急事態宣言が解除されたとしても、またその後、再度規制がかかる可能性はあると思います。

 そのときに今回の経験を生かしてくれたら、こちらとしても助かります。これだけでもうれしいドライバーは多いでしょう。ある意味私たちの思いが届いたのかなと思います。

 また、NEXCO中日本管内のSA/PAは早朝から営業している店舗もありますが、朝早くに家を出て、家で朝食が取れないドライバーさんや、朝ごはんをSA/PAで取るドライバーさんにも助かります」(伊藤氏)

 なお、とくに記載はなくても、時短営業となっているSA/PAではコンビニに入荷するお弁当の数を増やしたり、カレーや麺類など温かいお弁当を増やしたり、コンビニがない場所では深夜もお弁当を販売するなどの対策を講じているようです。

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