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4億4000万の25台限定ゴードン・マレー「T.50s ニキ・ラウダ」の全貌が明らかになった!

くるまのニュース / 2021年2月24日 17時40分

伝説のスーパーカーとして、オークションでは10億円で落札されることもあるマクラーレン「F1」。そのF1を開発したゴードン・マレーが作った「T.50」のサーキット専用スペシャル「T.50s」の全容が明らかになった。車名にはニキ・ラウダの名前が加わることになった。

■故ニキ・ラウダの誕生日に発表された「T.50s」

 ゴードン・マレー・オートオーティブ社は、2022年2月22日に「T.50s ニキ・ラウダ」を発表した。T.50s ニキ・ラウダは、「T.50」をベースとしたサーキット走行専用モデルだ。

 開発はT.50と並行しておこなわれていたというが、正式発表が2月22日となったのは、この日が故ニキ・ラウダの誕生日であったからである。マレーとラウダは個人的にも親交があり、マレーはサーキットでラウダが満足できるインプレッションとなるように、このニューモデルの考案、そして設計をおこなったと述べている。

 まず、ゴードン・マレー・オートオーティブ社について簡単に説明しておこう。同社は、ゴードン・マレー・デザインの姉妹会社だ。マレーの名は、とくにF1GPの世界を詳しく知る者、あるいはスーパーカーの世界に造詣の深い者には、あえて詳しく解説する必要もないだろう。

 ゴードン・マレーは、1969年から1990年までふたつのF1チームでテクニカルディレクターの役を担い、1990年に50回目となるF1GPでの勝利を獲得すると、F1の世界から離れ、マクラーレン・カーズ・リミテッドの新会社設立に専念する。ここで誕生したマクラーレン「F1」ロードカーやメルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン」が、いずれも大きな成功を収めたことは、良く知られている

 そのマレーが2007年に設立したのが、ゴードン・マレー・デザイン・リミテッド社だ。世界のファンはここから究極のスーパースポーツが誕生することを強く望んでいたが、その夢が現実となったのは2020年になってからのことだった。

 設計に一切の妥協を許さないマレーの性格をそのまま具現化したかのようなスーパースポーツ「T.50」がそれで、車名は彼の50年のキャリアと50番目のプロジェクトであることを意味している。

 生産は2022年1月からスタートする予定だが、236万ポンド(邦貨換算約3億2600万円)という高額にもかかわらず、限定100台の枠にはすでにすべてカスタマーが決定している。

 マレーとそのチームは、T.50のバランスのとれた古典的なプロポーションを維持しながら、空力性能の目標を達成するために、T.50s ニキ・ラウダのボディデザインに取り組んだ。走行中のスタビリティを高めるために最先端の空力技術を採り入れ、かつ車体の最後部には400mm径のファンを搭載。

 このファンによってフロア下を流れてくるエアの速度、すなわちダウンフォースを制御する仕組みだ。マレーによれば、ふたつのエアロモードとドライバーが選択できる4つのモードが設定されるという。またフィンにはニキ・ラウダのロゴも備えられている。

■25台限定の「T.50s ニキ・ラウダ」は4億円オーバー

 リアミッドシップに搭載されるエンジンは、コスワースの設計によるT.50の3.9リッターV型12気筒を再設計したもので、最高出力はストリートモデルの663psから711ps/11500rpmにまで引き上げられた(RAM誘導エアボックスによって実際には725psを発揮する)。

 レブリミットは1万2100rpmに設定され、最大トルクは485Nm/9000rpmとなる。相当な高回転型エンジンであることは、このスペックからも十分に予想できるだろう。

 組み合わせられるトランスミッションはXtrac IGS 6速シフトギアボックスだ。ギアにも軽量化が図られており、Xtracの取り組みによって、総重量で5kgが削減されたという。このような地道な作業により実現した車重は852kg。まさに驚異的な数字だ。

車両重量はたったの852kgで、700ps以上のパワーを持つゴードン・マレー「T.50s ニキ・ラウダ」車両重量はたったの852kgで、700ps以上のパワーを持つゴードン・マレー「T.50s ニキ・ラウダ」

 T.50s ニキ・ラウダの核となるのは、もちろんCFRP製のモノコックタブだ。軽量化と構造剛性は最適化され、ハニカムアルミニウムコアにカーボンファイバーを巻きつけた高度な部分結合技術を使用して成型されている。もちろんこれは乗員の安全性にも大きく影響する構造でもある。

 前後のサスペンションは、サーキット走行のために、さらにセッティングが見直された。車高はフロントで87mm、リアで116mmローダウンされ、トラックスピードパッケージのひとつとして、カスタマーは理想的なセットアップをシャシとエアロダイナミクスの両面から、ゴードン・マレー・オートオーティブ社のスタッフと探り出すことができる。

 ステアリング比も同様に修正され、前後のホイールは各輪6kg以下のマグネシウム製18インチを採用。フロントは250mm幅、リアは300mm幅のレーシングスリックタイヤが装着されるが、もちろんウエットオプションも用意される。

 サーキット仕様のために、何百ものパーツが新設計されたT.50s ニキ・ラウダの生産は、100台のT.50が終了した後、25台の限定でおこなわれる予定だ。車両価格はすでに発表されていたとおり、310万ポンド(邦貨換算約4億4000万円)である。

 元ブラハムのチームメイト、ニキ・ラウダとの友情は、今もなおゴードン・マレーの情熱を動かす原動力となっているのだ。

●Gordon Murray T.50s Niki Lauda
ゴードン・マレー T.50s ニキ・ラウダ
・車両価格:310万ポンド(邦貨換算約4億4000万円)
・全長:4416mm
・全幅:1917mm
・全高:1179mm
・ホイールベース:2700mm
・車両重量:852kg
・エンジン形式:V型12気筒
・排気量:3994cc
・エンジン配置:リアミッドシップ縦置き
・駆動方式:後輪駆動
・変速機:6速IGSパドルシフト
・最高出力:711ps/11500rpm(725ps with RAMインダクション)
・最大トルク:485Nm/9000rpm
・燃料タンク容量:50リッター
・サスペンション:(前)ダブルウィッシュボーン式、(後)ダブルウィッシュボーン式
・ブレーキ:(前)6ピストン、Φ370mmベンチレーテッド・カーボンディスク、(後)4ピストン、Φ340mmベンチレーテッド・カーボンディスク
・ホイール:(前)10.0Jx18、(後)12.0Jx18

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