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名車と迷車は紙ひと重? すき間を狙ったけど明暗が分かれた車5選

くるまのニュース / 2021年3月3日 6時10分

人気があるジャンルのクルマでは、必然的にライバルが存在します。ライバルがいるからこそ改良を重ねて、より良いクルマとすることを目指しますが、あえてライバルがほとんどいないジャンルに挑戦したクルマも存在。そこで、すき間を狙ったけど明暗が分かれたクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

■ライバルを出し抜いたけど明暗が分かれたクルマを振り返る

 現在、日本で人気のあるクルマというと、軽ハイトワゴンやミニバン、SUVが挙げられますが、これらのジャンルのクルマではライバルが数多くひしめいています。

 各メーカーとも売れるクルマを販売するのは当然のことで、ヒットしたクルマに追従することも戦略のひとつだからです。

 一方で、ライバルがほとんどいないジャンルに挑戦したクルマもあり、そうしたクルマのなかにはヒットしたモデルと、残念な結果となったモデルが存在。

 そこで、すき間を狙ったけど明暗が分かれたクルマを、5車種ピックアップして紹介します。

●スバル「レガシィ グランドワゴン」

クロスオーバーSUVの先駆け的存在の「レガシィ グランドワゴン」クロスオーバーSUVの先駆け的存在の「レガシィ グランドワゴン」

 1989年に誕生したスバル初代「レガシィ」はセダンとステーションワゴンをラインナップし、高性能なエンジンと4WDを組み合わせたことで一躍人気車となりました。なかでも「ツーリングワゴン」は高性能ステーションワゴンブームの火付け役となり、各メーカーが追従したほどです。

 1990年代になると、日本ではRVブームが起き、アメリカでもピックアップトラックをベースとしたSUVの人気が高まりますが、当時のスバルにはベース車がありませんでした。

 そこで1994年に北米市場向けに、既存の「レガシィ」をベースに内外装をSUVテイストとした初代「アウトバック」を発売。当初はセダンとステーションワゴンをラインナップしていました。

 日本でも1995年にツーリングワゴンをベースに「レガシィ グランドワゴン」の名で登場。

 ボディはツーリングワゴンに準じていますが最低地上高が200mmまで上げられ、力強さが感じられる意匠の専用前後バンパー、サイドプロテクターを装備し、ボディ下部をグレーに塗装した2トーンカラーとすることで、SUVらしさを表現しています。

 エンジンは自然吸気の2.5リッター水平対向4気筒エンジンのみ(北米仕様は2.2リッターもあり)で、トランスミッションは5速MTと4速ATを設定し、駆動方式はフルタイム4WDとされ、リアLSDとオールシーズンタイヤが標準装備されるなど、悪路での走破性を向上。

 アウトバックはアメリカで大ヒットし、日本でも新ジャンルのステーションワゴンとしてヒットしました。

 その後、国内モデルは車名が「レガシィ ランカスター」となり、2003年には「レガシィ アウトバック」に変わって、現行モデルは5代目で北米では2019年に6代目が登場しています。

 既存のステーションワゴンをベースにクロスオーバーSUVを作り上げたスバルの手法は、他メーカーにも大きな影響を与え、同様のモデルは欧州メーカーを中心に定番化しました。

●三菱「デリカ スターワゴン4WD」

ワンボックスワゴンながらクロカン車という新発想のクルマ「デリカ スターワゴン4WD」ワンボックスワゴンながらクロカン車という新発想のクルマ「デリカ スターワゴン4WD」

 かつてミニバンが誕生する以前は、多人数乗車のクルマというとワンボックスバンをベースに改良したワゴンが主流でした。

 三菱も同様に1979年にワンボックスバンの「デリカ」をベースにしたワゴンの「デリカ スターワゴン」を発売。そして、1982年に画期的な4WDモデルが追加されました。

 駆動方式は手動でトランスファーギヤを切り替えるパートタイム4WDで、シャシは本格的なクロカン車と同様に、シンプルな構造で耐久性や強度が高いラダーフレームを採用。

 足まわりはフロントにトーションバースプリングのダブルウィッシュボーン、リアがリーフスプリングのリジッドアクスルを搭載し、ストロークを長くとることで高い悪路走破性を実現しています。

 外観では最低地上高が高められて大径のオフロードタイヤを装着し、フロントにはガードバーを装備するなど、見た目からも本格的な4WD車だということがうかがえます。

 デリカ スターワゴン4WDが人気となると、他メーカーも追従して4WDのワンボックスワゴンを発売しましたが、デリカほどのブランドイメージを確立できずに消えていきました。

 その後も代を重ねて、より実用的かつ洗練されたミニバンに進化した「デリカ スペースギア」となり、現行モデルの「デリカ D:5」にもコンセプトが受け継がれ、唯一無二のクロカン・ミニバンとして人気をキープしています。

●スズキ「ワゴンR」

軽トールワゴンというイメージを確立した立役者の「ワゴンR」軽トールワゴンというイメージを確立した立役者の「ワゴンR」

 現在大ヒット中のトールワゴン系/ハイトワゴン系の軽自動車が登場する以前は、背の高い軽ワゴンというとワンボックスバンをベースにしたものが主流でした。

 当時の軽ワゴンもリアドアにスライドドアを採用し、室内も広く使い勝手は良かったものの、商用車のイメージから脱却できずにいました。

 そんななか、1993年にスズキ初代「ワゴンR」が発売されると、トールワゴンという軽自動車の新たなジャンルを確立。

 スタイルはミニバンをコンパクトにしたイメージで、短いボンネットとボクシーなフォルムを採用し、左側が2ドア、右側が1ドアと左右非対称のレイアウトが初代ワゴンRならではの特徴です。

 エンジンは、デビュー当初は660ccの直列3気筒自然吸気のみでしたが、1995年のマイナーチェンジでターボエンジンを追加して余裕ある走りを実現。

 それまで軽自動車というと女性ユーザーをターゲットとしたモデルが多かったなか、初代ワゴンRは男女問わず人気となり、他メーカーも同様なモデルを発売して追従。

 その後、ワゴンRは進化を続けつつもコンセプトは初代から変わらず、現在に至ります。

■残念な結果となった2台のミニバンとは!?

●日産「プレーリー」

現在のミニバンの要素を先行して採用するも売れなかった「プレーリー」現在のミニバンの要素を先行して採用するも売れなかった「プレーリー」

 1982年に日産は3列シートのステーションワゴン初代「プレーリー」を発売。前述のとおり、多人数乗車が可能なモデルはワンボックスタイプが主流のなか、プレーリーは画期的なコンセプトでした。

 プレーリーのボディはセンターピラーレス構造の後席両側スライドドアで、前後ドアを開くと広大な開口部が出現し、後席へのアクセスや大きな荷物を格納するにも良好でした。

 また、FFによる低床化から広い室内空間の実現と多彩なシートアレンジを採用。さらに、低床のメリットを最大限に生かすために、バッグドアがバンパーごと開口する構造によって、荷物の積みおろしがしやすく、4ナンバー登録の商用バンも設定。

 初代プレーリーは現在のミニバンに通じるレイアウトをいち早く採用していましたが、ボディ剛性の低下や多人数乗車時の非力さがクローズアップされたことから販売は低迷。

 1988年に2代目が登場した際にセンターピラーレス構造ではなくなり、オーソドックスなミニバンのスタイルに改められてしまいました。

●ホンダ「エディックス」

斬新なコンセプトだったが一代限りで消滅してしまった「エディックス」斬新なコンセプトだったが一代限りで消滅してしまった「エディックス」

 1994年にホンダ初のミニバンとなる初代「オデッセイ」が発売されると、空前の大ヒットを記録。さらに1996年には初代「ステップワゴン」を発売し、こちらも大ヒットしてミニバンはホンダの主力商品となりました。

 その後、ホンダはミニバンラインナップの拡充を図り、2004年に新発想のミニバン「エディックス」が登場。

 最大の特徴は室内で、前列、後列とも独立する3つのシートが設置された2列シート6人乗りのレイアウトを採用しています。

 昭和の頃、ミドルクラス以上のセダンやステーションワゴンは、前席にベンチシートを搭載するモデルが珍しくなく、6人乗りのモデルも数多く存在しましたが次第に淘汰されました。エディックスでは久々に6人乗りが復活したうえ、独立した6席とする新たな発想でした。

 外観は全幅を最大限に生かすため、バンのように左右のパネルがほぼ垂直とされ、個性的なフォルムとなっています。

 エンジンは発売当初は1.7リッターと2リッター直列4気筒が搭載されていましたが、複数人数の乗車ではパワー不足という声もあったため、後期型では2.4リッターエンジンが加わっています。

 このユニークなシートレイアウトによってエディックスは大いに話題となりましたが、一般的な3列シート+スライドドアのミニバンほどの人気とはならず、2009年に一代限りで販売を終了。

 ちなみに、同様のシートレイアウトを採用したモデルとしてフィアット「ムルティプラ」がありましたが、やはり消滅してしまいました。

※ ※ ※

 すき間を狙ったクルマを開発するというのは、ある意味メーカーにとって大きな賭けといえます。

 そんな賭けに打って出て見事に勝ったクルマが、マツダ(ユーノス)「ロードスター」ではないでしょうか。

 2シーターで軽量なオープンカーは昔からある珍しい存在ではありませんでしたが、ちょうど淘汰されつつある状況のなかロードスターが登場しました。

 そして大ヒットしたことで世界中のメーカーがロードスターに追従したのは、記憶に新しいところです。

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