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セダンの皮を被ったスポーツカーか? さり気なく高性能なセダン5選

くるまのニュース / 2021年3月5日 6時10分

かつて日本では、高性能なセダンが隆盛を極めていた時代があります。しかし、人気の下落から徐々に車種が減少し、今では希少なクルマとなっています。そこで、かつて販売されていたセダンのなかから、さり気なく高性能なモデルを5車種ピックアップして紹介します。

■高性能エンジンと4WDシステムを組み合わせたセダンを振り返る

 三菱「ランサーエボリューション」やスバル「インプレッサWRX」に代表される高性能セダンが市場を賑わせていた頃、他メーカーもさまざまなセダンを販売していました。

 しかし、ニーズの変化から2000年代になると人気の下落は顕著で、販売台数の低迷からセダンラインナップは減少してしまいました。

 現在もセダンは一定のニーズがあることから販売は続いていますが、かつてのような高性能モデルは希少な存在です。

 そこで、これまで販売されたセダンのなかから、さり気なく高性能なモデルを5車種ピックアップして紹介します。

●マツダ「マツダスピード アテンザ」

流麗なフォルムでハイパワーエンジンを搭載した「マツダスピード アテンザ」流麗なフォルムでハイパワーエンジンを搭載した「マツダスピード アテンザ」

 現在、マツダのフラッグシップとして販売されている「マツダ6」は、2019年まで「アテンザ」の名で販売されていました。

 初代アテンザは2002年に誕生。ボディタイプは4ドアセダン、5ドアハッチバックセダン、ステーションワゴンをラインナップし、2005年には高性能モデルの「マツダスピード アテンザ」を追加ラインナップします。

 マツダスピード アテンザのエンジンは、272馬力を誇る2.3リッター直列4気筒直噴ターボで、トランスミッションは6速MTが組み合わされ、駆動方式はフルタイム4WDのみです。

 また、高性能なパワートレインに反してボディの加飾は最小限に留められ、スマートな印象です。

 2008年に2代目が登場すると全車自然吸気エンジンとなり、過激な高性能モデルはなくなってしまいました。マツダスピード アテンザは、いまではかなり貴重なモデルといえます。

●スバル「レガシィB4 2.0GT DIT」

シリーズ最強で最後となってしまった高性能モデル「レガシィB4 2.0GT DIT」シリーズ最強で最後となってしまった高性能モデル「レガシィB4 2.0GT DIT」

 1989年に誕生したスバル初代「レガシィ」は、トップグレードにパワフルな水平対向4気筒ターボエンジンとフルタイム4WDの組み合わせ、高性能セダン市場をけん引した存在でした。

 その後、初代のコンセプトをキープしたまま、2009年には5代目の「レガシィB4」が登場。北米市場を意識したことでボディの大型化をおこない、高級感もあるセダンへと変貌を遂げました。

 しかし、歴代レガシィと同じく高性能グレードも設定されており、2012年にはシリーズ最強の最高出力300馬力を発揮する2リッター水平対向4気筒直噴ターボエンジンを搭載した、「2.0GT DIT」がラインナップされます。

 トランスミッションはリニアトロニック(CVT)を採用し、駆動方式はフルタイム4WDで、走行モードが選択可能な「SI-DRIVE」を標準装備。

 足まわりではビルシュタイン製ダンパーが装着されるなど、さまざまな路面状況でも安定した走りを実現しました。

 しかし、2014年に発売された6代目の国内仕様では、エンジンは175馬力の2.5リッターの自然吸気のみとされ、ハイパワーモデルは消滅。

 その6代目も2020年で国内販売を終了し、現在は「レガシィ アウトバック」のみとなってしまいました。

●三菱「ギャランフォルティス ラリーアート」

ほぼランエボといっていい「ギャランフォルティス ラリーアート」ほぼランエボといっていい「ギャランフォルティス ラリーアート」

 三菱の高性能モデルというと前述のランサーエボリューションですが、2007年に発売された「ランサーエボリューションX」をもって、消滅してしまいました。

 この最後のランサーエボリューションのベースとなったのが、2007年に発売された「ギャランフォルティス」です。

 2008年には、ラリーマシンを源流とするランサーエボリューションとは異なるアプローチの高性能モデル「ギャランフォルティス ラリーアート」が登場。

 搭載されたエンジンはランサーエボリューションXと同様の2リッター直列4気筒ターボで、扱いやすさを重視して最高出力240馬力にデチューンされましたが、十分にパワフルです。

 トランスミッションは「ツインクラッチSST」(DCT)のみで、駆動方式はフロントヘリカルLSD+「ACD」(アクティブセンターディファレンシャル)+リア機械式LSDで構成される、3つの走行モードを選択可能としたフルタイム4WDを採用。これらドライブトレインもランサーエボリューションX譲りでした。

 外観は専用フロントバンパー、ダクト付きのアルミ製ボンネットフード、デュアルマフラーなどが装着されましたが、派手なエアロパーツは控えられています。

 ランサーエボリューションXの存在があったため、ギャランフォルティス ラリーアートは注目されませんでしたが、ジェントルなスポーツセダンとして高く評価されました。

 しかし、2015年にギャランフォルティスは生産を終了。46年も続いたギャランの長い歴史は、幕を閉じました。

■ユニークなエンジンのモデルとラグジュアリーなコーナリングマシンとは!?

●フォルクスワーゲン「パサート W8 4モーション」

唯一無二のW型8気筒エンジンを搭載した「パサート W8 4モーション」(画像は6気筒モデル)唯一無二のW型8気筒エンジンを搭載した「パサート W8 4モーション」(画像は6気筒モデル)

 現在、フォルクスワーゲンが日本で展開しているラインナップで、唯一の4ドアセダンなのが長い歴史を持つ「パサート」です。

 初代はアウディ「80」の姉妹車として1973年に登場。「ゴルフ」よりもワンランク上のクルマとして販売され、現行モデルで8代目でセダンとステーションワゴンをラインナップ。

 そして、歴代パサートのなかでも異色なモデルだったのが、2001年に登場した「パサート W8 4モーション」です。

 とくにユニークなのがエンジンで、最高出力275馬力を発揮する4リッターW型8気筒自然吸気エンジンを搭載。

 W8型エンジンは狭角V型4気筒をふたつ組み合わせたレイアウトで、8気筒ながらエンジン長を短くできるメリットがあり、全長4700mm×全幅1745mm×全高1460mmと、比較的コンパクトなパサートにも搭載が可能でした。

 駆動方式は「4モーション」と呼称される4WDで、足まわりはフロントにマルチリンク、リアは4モーション専用にダブルウイッシュボーンが与えられています。

 パサート W8 4モーションはスポーティかつラグジュアリーなモデルという位置づけでしたが、568万5750円(消費税5%込)とかなり高額で、日本では人気とはなりませんでした。

 その後、6代目ではW8 4モーションは廃止となり、このW型8気筒エンジン自体も消滅。パサート以外に搭載されなかったことから、非常にレアなパワーユニットです。

●ホンダ「レジェンド」

ラグジュアリーセダンとは思えないコーナリング性能を誇った4代目「レジェンド」ラグジュアリーセダンとは思えないコーナリング性能を誇った4代目「レジェンド」

 ホンダは1985年に、北米での販売を視野に入れたフラッグシップの初代「レジェンド」を発売。スポーティなフォルムのボディに新開発の2リッターと2.5リッターV型6気筒エンジンを搭載し、同社初のラグジュアリーセダンとしてヒットしました。

 その後代を重ね、2004年に登場した4代目では280馬力の出力自主規制値が撤廃されたことで、日本車では初の280馬力オーバーとなる最高出力300馬力を発揮する、3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載。

 さらに4輪の駆動力を制御することで高いコーナリング性能を実現する、新開発の4WDシステム「SH-AWD(スーパーハンドリングAWD)」の採用が話題となりました。

 SH-AWDは、カーブの内側と外側それぞれのタイヤの駆動力だけでなく、前後の駆動力も最適に制御し、4つのタイヤのグリップ力を最大限に引き出すというもので、高いコーナリング性能と安定した走りを両立。このSH-AWDは現行モデルの「NSX」にも受け継がれています。

 4代目レジェンドはハイパワーなエンジンとSH-AWDによって、ラグジュアリーセダンながらピュアスポーツカーに匹敵する驚異的なコーナリングマシンとして高く評価されました。

 しかし、押し出し感が弱いデザインだったためか販売は低迷。2008年には重厚なフロントフェイスに一新してエンジンも3.7リッター309馬力にパワーアップされましたが、販売台数は伸びることはなく2012年に販売を終了し、レジェンドの系譜は一旦途絶えてしまいました。

※ ※ ※

 最後に紹介したレジェンドですが2021年3月4日に改良モデルが発表され、世界初の「自動運転レベル3」の実用化に成功して大いに話題となっています。

 現在、国内市場では存在感が希薄なレジェンドですが、安全装備には以前から力を入れており、初代レジェンドは日本初のSRSエアバッグや、FF車で世界初のトラクションコントロールが装着されました。

 歴代レジェンドはトヨタ「クラウン」や日産「シーマ」などと比べると王道の高級車ではありませんが、我が道を行くホンダらしさあふれるモデルではないでしょうか。

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