トヨタ「アルヴェル」なぜ10倍もの販売格差が発生? 「店にない」6倍もの差が関係か?
くるまのニュース / 2021年3月19日 7時10分
トヨタ「アルファード」とその姉妹車の「ヴェルファイア」は2015年の現行モデル発売から7年目を迎える高級ミニバンです。ただし、直近で両車は販売台数において10倍もの差があるといいます。いったいなぜこのような状況になったのでしょうか。
■アルファードとヴェルファイア なぜここまで差がついた?
トヨタの高級ミニバン「アルファード」は、同社のミニバンラインナップのなかで旗艦車種にあたる高価格帯のクルマですが、販売は極めて好調です。そんななか、姉妹車「ヴェルファイア」との販売格差が拡大しつつあるといいますが、現状はどのようになっているのでしょうか。
アルファードは初代モデルが2002年5月に登場。当時は販売店ごとに「アルファードG/アルファードV」として売り分けられ、2008年5月にアルファードGが2代目へと全面刷新されGが外されたのを機に、アルファードVが姉妹車の「ヴェルファイア」として刷新されました。
外観デザインの違いがおもな特徴で、2015年1月には3代目アルファードおよび2代目ヴェルファイアが発売されました。
ヴェルファイアの登場以降、全体的に販売好調だったのはヴェルファイアの方で、3代目アルファードと2代目ヴェルファイアが発売された2015年もアルファードの販売台数が4万4366台だったのに対しヴェルファイアは5万4180台を記録しました(日本自動車販売協会連合会発表、以下同様)。
しかし、2017年12月のマイナーチェンジと前後して両者の販売台数が逆転。
2018年はアルファードが5万8806台に対しヴェルファイアが4万3130台、2019年はアルファードが6万8705台に対しヴェルファイアが3万6649台、2020年はアルファードが9万748台に対しヴェルファイアは1万8004台と、その差は広がっています。
両者の販売台数が逆転した理由としては、2017年のマイナーチェンジで変更されたアルファードの顔つきが好評だったことが影響しているといわれている状況です。
またトヨタが2019年4月から都内で先行実施し(販売店統合)、2020年5月に全国で開始した全車種全店併売化も、知名度の高いアルファードに有利に働いたといわれています。
首都圏のトヨタ販売店スタッフにユーザーの動向について聞いたところ、「ヴェルファイアと比べるとアルファードの方が知名度が高く、来店の動機となるクルマもアルファードの方が多い印象です」と話します。
■展示されるクルマの数も段違い?
こうした違いは、ディーラーに置かれる展示車や試乗車の数にも差をもたらしています。
2021年3月19日時点で、都内にあるトヨタ販売店(トヨタモビリティ東京の事例)の展示車と試乗車の合計数を同社ウェブサイトで確認すると、アルファードが179台あるのに対しヴェルファイアは26台と6倍以上の差があります。
またかつてヴェルファイアを専売していたネッツ店からトヨタモビリティ東京店に換装された店舗でもアルファードを展示することがあり、こうした事例は東京都以外の道府県でも見られます。
前出の首都圏のトヨタ販売店スタッフは次のように説明します。
「我々の店舗でも2020年の全店併売化以降アルファードを展示しています。無論、アルファードとヴェルファイアは姉妹車なので基本設計は共通です。
ヴェルファイアの試乗を希望するお客さまから問い合わせがあった場合は、系列店舗同士で融通して用意している状況です」
2021年に入ってもこの傾向は変化せず、1月はアルファードが販売台数1万11台に対しヴェルファイアは販売台数994台、2月は1万107台に対しヴェルファイアは1005台。ヴェルファイアは2か月連続でアルファードのおよそ1/10となる販売台数を記録しました。
※ ※ ※
エントリーモデルの価格(税込)が352万円と高額車種であるにも関わらず、販売好調となっているアルファードですが、好調な要因としてはヴェルファイアを検討していたユーザーの流入や、日産「エルグランド」やホンダ「オデッセイ」に対する商品力の優位だけではないといいます。
「ヴェルファイア」(写真左)と「アルファード」(写真右)
トヨタには高級セダンのロングセラーモデルとして長年ラインナップされる「クラウン」が存在しますが、これまでクラウンに寄せられていた高級車需要がアルファードに代替されるケースがあるというのです。
セダンのクラウンとミニバンのアルファード/ヴェルファイアではボディタイプが異なります。
一般的に、ミニバンはセダンと比べると動力性能や操縦安定性などが厳しいといわれますが、アルファード/ヴェルファイアに関して前出のトヨタ販売店スタッフは「グレードによって細かいスペックは異なるのですが、基本的には高級車として十分だと思います」と説明します。
また別のトヨタ販売店スタッフは、ミニバンならではの使い勝手の良さが理由のひとつであるとして「最近では、これまでクラウンに乗られていた法人のお客さまが『アルファード』に流れているケースが見られます」と、法人需要も高いと説明します。
※ ※ ※
2021年にアルファードは現行モデルの発売から7年目を迎えます。まだ人気が衰えていないとはいえ、ヴェルファイアとの車種統合があるのかも含め、次期モデルの動向にも注目したいところです。
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