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アストンマーティンがF1セーフティカー&メディカルカーに決定! 「ヴァンテージ」と「DBX」の変更点とは?

くるまのニュース / 2021年3月9日 12時5分

2021年シーズンのF1オフィシャル セーフティカー/メディカルカーとして、アストンマーティン「ヴァンテージ」と「DBX」が採用されることが決定した。市販モデルからの変更点を解説する。

■F1セーフティカーの「ヴァンテージ」の仕様とは?

 2021年に、61年ぶりにF1の世界へ戻ってくるアストンマーティンだが、オフィシャルのセーフティカーとメディカルカーにもアストンマーティンが使われることが判明した。

 F1のオフィシャルカーとしては、シルバーボディのメルセデスAMGの車両が記憶に新しいが、2021年シーズンは、メルセデスAMGとアストンマーティンの車両がそれぞれ請け負うことになった。

 そこで、F1の歴史において初となるアストンマーティンのオフィシャル・セーフティカーとメディカルカーについて紹介しよう。

●F1オフィシャル・セーフティカー:アストンマーティン「ヴァンテージ」

最高出力は、25ps向上して535psへとアップされたアストンマーティン「ヴァンテージ」最高出力は、25ps向上して535psへとアップされたアストンマーティン「ヴァンテージ」

 セーフティカーは、世界最速のレーシングカーが走るF1レースにおいて、必要に応じて介入をおこない、ペースをコントロールするというきわめて重要な役割を担っている。そのため、もっともパワフルなアストンマーティン「ヴァンテージ」をベースとして特別仕様車が開発された。

 F1のセーフティカーに速さが求められる理由は、F1マシンは理想的ではない低速走行が続くと、タイヤやブレーキの温度が下がってしまうためグリップ力と制動力が低下して危険な状態になるからである。

 そこで、アストンマーティン・ラゴンダCEOのトビアス・ムアースは、その要件をもとにエンジニアリングチームに指示を出し、ヴァンテージのサーキット・パフォーマンス向上とラップタイム短縮に取り組んだ。

 その結果、搭載されている4リッターV型8気筒ツインターボエンジンの最高出力は、25ps向上して535psを達成するにいたった。また、0?60mph(約96km/h)加速はわずか3.5秒をマーク。

 最大トルク685Nmに変化はないが、発生域はさらに広くなり、トランスミッションを改良したことでアップシフト時、ダウンシフト時の両方でダイレクト感と精度およびコントロール性能が向上した。

 また、ベーングリルと新しいフロント・スプリッターを組み合わせることで、200km/h走行時に155.6kgのダウンフォースを発生。

 これは、量産バージョンのヴァンテージが同じ速度で発生する値を60kg以上も上回っている数値だ。

 サスペンション、ステアリング、ダンパーなどにも改良が施され、さらにアンダーボディのブレーシングも細部にわたって手直しするなど、構造剛性も向上した。

 セーフティカーは、トップスピードからクールダウン・ラップなしにピットレーンでのアイドリング状態に戻らねばならない。そのため、信頼性が高く堅牢な熱管理システムが非常に重要な要素となる。

 そこで、数多くの栄冠を手にしてきた「ヴァンテージGT4レースカー」に使われ、極限状況および過酷な温度環境下での性能が証明された冷却システムとそのテクノロジーがセーフィティカーにフィードバックされた。ボンネットには、冷却効率をさらに高めるためにエアベントが追加されている。

 また、市販モデルが装着しているピレリ製ロードタイヤと組み合わせて、高性能なカーボンセラミック・ブレーキがセーフティカーにも搭載。フロントグリルには外から見えない位置にブレーキダクトが追加され、冷却性能を高められた。

 オフィシャル・セーフティカーが採用する他の特徴には、FIAセーフティカー専用のグラフィック、ボディサイドにマウントした無線アンテナ、LEDリア・ナンバープレート、そしてアストンマーティンが手がけたルーフマウント式のカスタムLEDライトバーなどがある。

 コックピットでは、FIA認証のレーシングシートに交換され、F1マシンと同じ6点式ハーネスを装備。ダッシュボードにはふたつの画面が取り付けられ、ドライバーとコ・ドライバーに対してライブのテレビ映像と、最新のラップタイムや走行する車両の位置などのカスタマイズ可能な情報が提供されるようになっている。

 センターコンソールもまた、大幅に変更された。ロータリー・ダイヤルはカップホルダーの位置まで移動され、空いた場所にサイレンの起動、無線通信、ライトバーのLED制御といったさまざまな作動を制御するスイッチ・コントロール・システムが設置された。

 インストルメント・クラスターとダッシュボードには「マーシャリング・システム」が統合され、ドライバーとコ・ドライバーはサーキット上で何色のフラッグが出されているかLEDの色で判断することが可能となっている。これは、F1マシンに搭載が義務づけられているシステムと同じものだ。

 また、車両の最上部と車内にはTVカメラが設置され、ライブ映像を送信することが可能となっている。

■F1メディカルカーの「DBX」の変更点とは?

 レース中に緊急事態が発生した場合、医療チームが現場に急行するためのオフィシャル・メディカルカーに、アストンマーティン初のSUVとしてきわめて高い評価を受けている「DBX」が選ばれた。

●F1オフィシャル・メディカルカー:アストンマーティン「DBX」

メディカルカーとしての「DBX」には、大型の医療バッグ、AED、消火器2台、火傷対応キットなどといった大量の装備類が搭載されているメディカルカーとしての「DBX」には、大型の医療バッグ、AED、消火器2台、火傷対応キットなどといった大量の装備類が搭載されている

 セーフティーカーと同様、メディカルカーもライム・グリーンのアクセントを配した2021アストンマーティン・レーシンググリーンを纏っている。その他の外見的特徴としては、FIAメディカルカー専用グラフィック、LEDリア・ナンバープレート、ルーフレールに装着したLEDライトバーなどがあげられる。

 DBXに搭載されるエンジンは、「DB11」やヴァンテージにも搭載される4リッターV型8気筒ツインターボで、最高出力550psと最大トルク700Nmを発生し、0?100km/h加速は4.5秒、最高速度は291km/hをマークする。

 メディカルカーには大型の医療バッグ、AED、消火器2台、火傷対応キットなどといった大量の装備類を搭載しなければならないが、632リッターのトランクスペースを備えたDBXならば、十分に積載することが可能だ。

 インテリアのトリムは基本的に市販車両から変更はなく、リアシート中央席は除去されて4人乗りとなり、それぞれの位置に6ポイントのセーフティ・ハーネスを備えたスポーツ・バケットシートが装着されている。

 運転席以外の席には、FIAフォーミュラ1メディカル・レスポンス・コーディネーターと地元の医師が乗車し、残りの1名分は、F1ドライバーを乗せてピットレーンまで移送しなければならない時のためにあけてある状態だ。

 セーフティカーと同様、ダッシュボードにはふたつのスクリーンが設置されており、レースのライブ映像を提供。もうひとつのスクリーンには、最先端テクノロジーを駆使したレーシング・グローブ(手袋)が計測するドライバーの生理学的データがリアルタイムで表示され、事故発生時には、ドライバーの状態について重要な情報を手に入れることができるようになっている。

 またこのメディカルカーにも「マーシャリング・システム」および後方の状況を伝えるカメラ・ディスプレイが搭載されている。

* * *

 アストンマーティン・ラゴンダCEOのトビアス・ムアースは、次のようにコメントしている。

「全従業員と同様に、私も60年の時を経て、アストンマーティンがモータースポーツの頂点であるフォーミュラ1に復帰したことを誇りに思っています。

 これはアストンマーティンの重要な新時代のスタートです。私たちが製造するもっともダイナミックなスポーツカーであり、高い評価を受けているヴァンテージがフォーミュラ1オフィシャル・セーフティカーに、アストンマーティン初のSUVであるDBXがフォーミュラ1オフィシャル・メディカルカーに選定されました。

 世界中のサーキットで、これらの車両がその役割を果たすのを目にする体験は、私たちにとって誇り高い瞬間となるでしょう」

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