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2000万円オーバーは確実! アーマーゲー時代のメルセデス「560SEC」ワイドボディとは

くるまのニュース / 2021年3月11日 19時20分

AMGがまだチューナーだった頃、日本では「アーマーゲー」と間違って呼ばれていた。その時代のAMGモデルは、チューニングによって得たモアパワーを、存在感溢れる外観からでも感じとることができた。そうした「熱い」AMGモデルを紹介しよう。

■AMGをアーマーゲーと呼んでいた狂気の時代

 バブル期を体験した50代から70代のクルマ好きの人がまだ若かった頃、BMWのことを「ベンベー(ベーエムベー)」、AMGのことを「アーマーゲー」と呼んでいた時代があった。

 のちに「ビー・エム・ダブリュー」、「エー・エム・ジー」という表記が一般的になったが、いまでも頑固にかつての呼びかたを続けている人もいるのではないだろうか。個人的には通じれば呼称なんてどちらでもよいと思う。

●1989 メルセデス・ベンツ「560SEC AMG 6.0 ワイドボディ」

 クルマは年を経るごとに進化を遂げているため、「昔のクルマはよかった」などと懐古的になるつもりは毛頭ないのだが、クルマが白物家電化する前の時代には、クルマの作り手側の熱量がダイレクトに外観デザインから伝わってくるクルマも多かったのも確かだ。

 たとえば、日本でアーマーゲーと呼ばれていた頃のAMGである。現在のAMGは、ダイムラー社の一部門となっているが、かつては独立したチューナーだった。

 ちなみにダイムラー(かつてのダイムラー・ベンツ社)も、近日中にメルセデス・ベンツ社へと、名称変更することが発表されている。

 独立していた時代のAMGは、過激なチューニングで知られていた。ベースとなるエンジンをボアアップなどによって排気量アップし、そのパワーを受け止めるべく駆動系も変更し、さらにはトレッドを広げるためのワイドボディ化による派手なスタイリングは、いま見ても悪っぽい魅力にあふれていた。

 そのテイストは、近年のメルセデスAMGではかなり薄まっている。現代はAMGモデルといえども、デザインが非常に洗練されているからだ。ことさら派手なアピアランスにしなくてもパフォーマンスを主張できるからでもある。

 しかし、往年のAMGスタイルに憧れた世代にとっては、いまひとつ刺激が足りないと思ってしまうのも確かだ。そこで、こうした世代に刺さるAMGモデルを紹介しよう。

 今回ボナムズのオークションに登場した「560SEC」は、1989年モデルをベースとしたAMGがチューニングを施したクルマである。

■見た目も怖そうなAMGの予想落札価格は?

 560SECは、W126型をベースに2ドアクーペ化した、C126型と呼ばれるモデルである。

 ネーミングの「560」というのは、このクルマが5.6リッターのV型8気筒──M117型エンジンを搭載していることを表している。

●1989 メルセデス・ベンツ「560SEC AMG 6.0 ワイドボディ」

ワイドボディとローダウンされた車高が絶妙なメルセデス・ベンツ「560SEC AMG 6.0 ワイドボディ」(C)Bonhams 2001-2021ワイドボディとローダウンされた車高が絶妙なメルセデス・ベンツ「560SEC AMG 6.0 ワイドボディ」(C)Bonhams 2001-2021

 このV8エンジンは、285psという当時としては大出力を発生するものだった。しかしAMGは、より強力なパワーを求めて、エンジンをボアアップし排気量を6リッターへと拡大した。さらに、手を加えたのはそれだけではない。

 AMGはパワーを出すにあたって、高回転化も考えていたという。そこで採用されたのが、シリンダーヘッドの改良である。具体的には、SOHC(シングルオーバーヘッドカム)であった、メルセデスのM117型エンジンを、DOHC(ダブルオーバーヘッドカム)化したのだ。

 それによってこの6リッターV8DOHCエンジンは、385psの出力を得るにいたった。

 そしてそのパワーを受け止めるために、ホイールを17インチとし、ブレーキディスクを大径化し、キャリパーも対向ピストン式へと換えている。

 さらにフロントに235/45R17、リアに265/40R17という、当時としてはワイドで低扁平なタイヤを装着。その上で、トレッドを広げるためにフェンダーをブリスター化したことで、そのスタイリングはベース車である560SECの流麗なものから、押し出しあるインパクトの強いものへと大きく変貌している。

 インテリアも当時のAMGの特徴をはっきりと残している。

 ブラックレザーでまとめられた室内には、レカロ社製の電動調整式シート「CSE」がセットされ、パネル類はウォールナット仕上げとなっている。

 ステアリングは、これも懐かしいAMG独自の4スポークスタイルのものをセット。

 1989年10月に製造され、新車としてミュンヘンのオーナーに納車された後、2017年にイギリスへとわたってきたこの個体には、オプションでオートエアコンやシートヒーターも装備されている。

 サービス履歴が、直近のものまでしっかりと残っているのも魅力で、オークションベンダーによるスコアは、100点満点中75点、走行距離はわずか5万7400kmだ。

 AMG 560SECは、AMGによって製造された台数が26台といわれている。

 予想落札価格は14万−18万ポンド(邦貨換算約2100万円−2700万円)。通常の560SECの新車当時車両価格が、1500万円ほどであったことを考えると、この価格は妥当なものといっていいだろう。

 当時憧れていた人にとっては、手が届かなかったAMGを手に入れられるまたとないチャンスといってもいいかもしれない。

 希少モデルであること、AMGの歴史を彩るクルマであること、そしておそらくこの先、こうしたクルマがAMGからリリースされることが期待できないだけに、落札価格に注目しておきたい。

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