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トヨタ「アルファードHV」は何年乗ったら元が取れる? HV車とガソリン車はどっちがお得?

くるまのニュース / 2021年3月12日 10時10分

車種によってはハイブリッド車とガソリン車の両方が設定されているものもありますが、購入するときに気になるのが、どちらがお得なのかという点です。人気モデルの損得勘定を検証してみました。

■損得勘定のポイントは「年間走行距離」にある!?

 世界初の量産ハイブリッド乗用車として、トヨタが初代「プリウス」を発売したのは1997年です。それから20年以上が経過して、ハイブリッドは大幅に普及しました。

 2020年に国内で新車として売られた小型/普通乗用車の内、ハイブリッド(プラグインを含む)や電気自動車の販売比率は40%近くに達します。

 そのために販売ランキングの上位に位置する車種にも、ハイブリッドが豊富に用意されています。

 日産新型「ノート」はハイブリッドのe-POWER専用車となり、トヨタ「ヤリス/ヤリスクロス」「アルファード」、ホンダ「フィット」などは、いずれもハイブリッド車とガソリン車の両方を選べます。

 ハイブリッド車とガソリン車があるモデルでは、どちらがお得なのでしょうか。

 まずコンパクトカーのヤリスですが、ハイブリッド車の価格は、1.5リッターガソリンエンジンに比べて37万4000円高いです。

 ただし装備も異なり、売れ筋の「ハイブリッド G(213万円)」には、ガソリン車の「G(175万6000円)」で1万6500円のオプションになるバックガイドモニターなどが標準装着されます。

 こういったハイブリッド車に標準装着される装備の価格換算額を差し引くと、ガソリンエンジンとの実質的な価格差は35万円に縮まります。

 さらに燃費の優れたハイブリッド車では、購入時に納める環境性能割と、自動車重量税が非課税になることが多いです。ヤリスGの場合、ハイブリッド車は税金も約5万7000円安く、最終差額(概算、以下同様)は30万円と考えられます。

 ハイブリッド車とガソリン車の差額を正確に算出するには、このように車両価格差から装備の価格換算額と税金の差額を差し引く必要があります。

 次はどの程度の距離を走れば、燃料代の節約で最終差額を取り戻せるか計算します。実用燃費はWLTCモード燃費と考えて良いでしょう。1リッター当たりのレギュラーガソリン価格は約145円として試算します。

 ガソリン車のヤリス GはWLTCモード燃費が21.4km/Lなので、1km当たりの燃料代は6.8円です。ハイブリッド Gは35.8km/Lなので、1km当たりの燃料代は4.1円です。

 ハイブリッド車はガソリン車に比べて1km当たり2.7円安く、30万円の最終差額を取り戻せるのは11万kmを走った頃です。

 1年間に1万km走ると、30万円の最終差額を取り戻すのに11年を要しますが、1年間に1.5万kmであれば7年少々で済みます。

 一般社団法人 自動車検査登録情報協会が発表する「わが国の自動車保有動向」によると、乗用車の平均車齢(初年登録してからの平均経過年)は2020年3月末時点で8.72年とされています。

 この前提を参考にしたうえでの損得勘定で考えると、ヤリスの場合、1年間の走行距離が1.5万km以下ならガソリン車、それ以上であればハイブリッド車を推奨します。

■コンパクトカーより価格が高い高級ミニバンではどうなの?

 ほかの車種でも「車両価格差-装備の価格換算額-税金の差額=最終差額」と、WLTCモード燃費から割り出した1km当たりの燃料代を組み合わせて、同様の計算をしてみましょう。

 ヤリスのSUVモデルである「ヤリスクロス」では、「ハイブリッド G(239万4000円)」とガソリンしゃの「G(202万円)」を比べると、最終差額はヤリスと同様の30万円です。

 1km当たりの燃料代はハイブリッド車が2.5円安く、30万円の最終差額は12万kmを走った頃に取り戻せます。

HV車とガソリン車を設定するトヨタ「ヤリス/ヤリスクロス」HV車とガソリン車を設定するトヨタ「ヤリス/ヤリスクロス」

 1年間に1万kmの走行なら12年、1.5万kmなら8年です。これも年間1.5万kmを走るか否かが、損得勘定の分かれ目になりそうです。

 フィットの「ホーム」グレードでは、ハイブリッド車(206万8000円)の価格が1.3リッターガソリン車(171万8200円)と比べて34万9800円高いのですが、前者にはUSBジャックや本革巻きのステアリングホイールなどが装着されます。

 これらの装備の価格換算額は約3万円で、価格差から差し引くと、実質差額は32万円に縮まります。

 さらにハイブリッド車は購入時に納める税金も4万円少々安く、最終差額は28万円です。コンパクトカーは競争が激しいので、フィットはハイブリッド車を割安に設定しており、ガソリン車との価格差はヤリスより少なくなりました。

 フィット(ホーム)の1km当たりの燃料代は、ガソリン車が7.2円、ハイブリッド車は5円なので、1km当たり2.2円の差が生じます。

 ハイブリッドが燃料代の節約で最終差額を取り戻せるのは13万km弱を走った頃です。1年に1万kmを走れば13年、1.5万kmなら8年から9年です。

 高価格車で販売の好調なアルファードはどうでしょうか。アルファードのハイブリッド車は、後輪をモーターで駆動する4WDのみの設定なので、ガソリン車も2.5リッターエンジンの4WDと比べます。

 グレードが「G」の場合、ハイブリッド車(534万4000円)の価格はガソリン車(479万3000円)に比べて55万1000円高いです。購入時に納める税額は、ガソリン車が約14万円上まわり、最終差額は41万円と考えられます。

 1km当たりの燃料代は、ガソリン車が13.2円、ハイブリッド車が9.8円で、後者は1km当たり3.4円を節約できます。41万円の最終差額を取り戻せるのは12万kmを走った頃でしょう。

 アルファードの場合、ハイブリッド車の価格が高く、ガソリンエンジンと比べたときの最終差額も41万円に達しました。

 その代わり燃料代の差額にも1km当たり3.4円の差が生じるため、燃料代の節約で最終差額を取り戻せる距離はヤリスクロスハイブリッドと同等です。

 1年間の走行距離が1万kmなら12年、1.5万kmを走れば8年で取り戻せます。

 以上のようにガソリンエンジンとハイブリッド車の最終差額を燃料代の節約で取り戻せる距離は、ほかの車種についても11万kmから14万kmが多いです。

 そうなると損得勘定で判断すれば、1年間の走行距離が1.5万km以内ならガソリンエンジン、それ以上ならハイブリッドがお得といえそうです。

 しかし運転感覚の違いも含めると、ユーザーによって評価が変わります。ハイブリッド車に使われるモーターは、回転の上昇に伴って駆動力を高めるエンジンに比べると、瞬発力が強いです。

 エンジン回転の下がった巡航中にアクセルペダルを緩く踏み増したときなど、モーターが素早く反応して、エンジンの駆動力を支援してくれます。

 従ってハイブリッド車は、ガソリン車に比べて加速が静かで滑らかに感じることが多いです。この快適性に魅力を感じて、1年間の走行距離が1万km以下でもハイブリッド車を選ぶユーザーも少なくありません。

 また数年後に売却するときの金額もハイブリッド車は有利です。新車で購入して3年から5年後に売る場合、燃料代の節約で最終差額を取り戻すことは困難ですが、売却額は明らかに高くなります。

 購入時にはハイブリッド車とガソリン車を乗り比べて、さらに自分の走行距離なども考慮した上で、どちらを選ぶか判断すると良いでしょう。

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