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1000万円で始めるフェラーリ泥沼ライフ! 「612」「456」の4座フェラーリを狙え

くるまのニュース / 2021年3月14日 19時10分

フェラーリをユーズドで狙う場合、バリューある選択となるのが4座フェラーリであろう。フロントにV12エンジンを搭載した4座フェラーリをサラリと乗りこなすのが、実はもっともフェラーリ上級者ともいえる。そこで、そうした上級フェラリスタ向けに2台の4座フェラーリの最新オークション結果をお知らせしよう。

■手に入れやすく維持が辛いユーズド4座フェラーリ

 常にクラシックカー/コレクターズカー国際マーケットの指標となるフェラーリだが、マーケットとなる国や地方、あるいは車両の生産年代を問わず、2+2モデルはユーズドカーとしてマーケットに出回る際の値落ちが大きめになることで知られている。

 新車として販売される際には、フェラーリ量産モデルのフラッグシップとしてもっとも高価なプライスづけがなされる4シーターV12モデルながら、ユーズドカー市場に回ったのちにはもっとも買い求めやすいフェラーリともなり得るのだ。

 今回VAGUEでは、クラシックカー/コレクターズカーのオークション業界最大手のRMサザビーズ社が、2021年2月下旬にオンライン限定で開催した「OPEN ROAD FEBRUALY」オークションに出品された2台のV型12気筒2+2フェラーリについて、そのあらましと競売結果についてレポートしよう。

●2001 フェラーリ「456M GT」

 前任モデル「412」の生産終了から約3年後となる1992年にデビューした「456GT」は、どちらかといえば保守的なモデルが多かった従来の4座席V12フェラーリとは一線を画し、トランスアクスルの駆動レイアウトや総アルミ製ボディ、あるいは412から100mmも短縮された2600mmのホイールベースがもたらす俊敏性など、先進性やスポーツ性を明確に打ち出したモデルだった。

 ボディスタイルは、往年のフェラーリ+ピニンファリーナの名作「365GTB/4デイトナ」をモチーフとし、412までのノッチバックスタイルからファストバックへと回帰。ハンドリング性能も相まって、格段にスポーツ色を強めていた。くわえて、新規開発された65度バンク+ベルト駆動のV型12気筒5.4リッターエンジンは、当時のフェラーリ市販車のなかで最強となる442psを発生。最高速300km/hを超える高性能でも世界を圧倒した。

 1996年には4速オートマティックを組み合わせた「456GTA」が追加される。さらに1998年には内外装をリフレッシュし、さらにゴージャス感を強めた「456M GT/GTA」へと進化を遂げたのち、「612」に代替わりする直前となる2003年まで生産された。

 今回のオークションに出品された456M GTは、「グリジオ・ティターニオ(チタングレー)」ボディに「ネロ(黒)」レザーのインテリアの組み合わせで、2001年2月に生産。

 カナダのケベック州に新車としてデリバリーされ、以来同じ地に生息してきた。現状での走行距離はわずか3万kmにも満たないことを示すように、エクステリア/インテリアのコンディションは極上に映る。

 また、2015年5月に新しいピレリPゼロタイヤを装着したこと。最後のサービスは2017年2月におこなわれたことが記録簿に残されている。

 しかし、ベルト駆動エンジンではチェック必須であるタイミングベルトの交換記録などはないことから、オークション名である「オープンロード」に繰り出す前に、一度しっかりと整備することをRMサザビーズ社でも推奨しているようだ。

 オリジナルのサービスマニュアルおよびツールキットも添付されるこの456M GT、RMサザビーズ北米本社は10万−12万ドル(邦貨換算約1090万−1300万円)のエスティメートを設定した。

 日本国内を含む世界中のマーケットにて、安価なものならば500万−600万円の正札もあり得る456GTながら、この個体に1000万円を超える値付けがなされた最大の理由は、この時代の456では希少な6速マニュアル車だからに違いあるまい。

「M」以前の前期型中途から採用されていた英国リカルド社製4速ATは、同じ時期にマセラティ「3200GT」などにも採用されたものながら、かなりの難物であることが知られている。

 フェラーリ「400AT」から412時代まで採用されていた北米GM社製3速ATが頑丈だったのに対して、大小のトラブルとそれにまつわる噂が常について回ったとされる。

 したがって、単に生産台数のパーセンテージが少ないだけでなく、よりスポーティで信頼性も期待できる6速MT車ゆえに、強気の値づけがなされたと思われるのだが、実際の競売では予想外にビッドが進まなかったようで、残念ながら流札に終わってしまった。

 現状ではRMサザビーズ北米本社の営業部門による「Still For Sale(継続販売)」となっており、11万ドル、つまり日本円換算で約1190万円のプライスタグがつけられている。

■パリ・サロンのブースを飾った「612」の注目のプライスは?

 2004年にワールドプレミア、その年の末には日本デビューも果たした「612スカリエッティ」は、今世紀初頭のフェラーリのフラッグシップとして君臨した、きわめてゴージャスな2+2グラントゥリズモだ。

 スカリエッティとは、数十年にわたり長らくフェラーリのボディを製作してきたカロッツェリアの名に由来する。

●2007 フェラーリ「612 スカリエッティ」

パリ・サロンのフェラーリブースに展示されたヒストリーを持つフェラーリ「612 スカリエッティ」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby'sパリ・サロンのフェラーリブースに展示されたヒストリーを持つフェラーリ「612 スカリエッティ」(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 テクノロジー面における最大のトピックは、フェラーリV12モデルとしては初めて、アルミ製スペースフレームを採用したことだろう。また、旧456GTに端を発する、ベルト駆動式5.7リッターのV12エンジンをフロントアクスル後部に搭載する「フロントミドシップ」レイアウトも特徴としていた。

 ただ456シリーズでは思い切って短縮したホイールベースは、612では4つのフルサイズシートを収めるため、一気に350mmも延長。実質的な後継車である「FF(Ferrari Four)」と同じく2950mmというフェラーリ史上最長の雄大なサイズを誇ることになったが、フェラーリの古典を生かしたエレガンスを前面に押し出すことに成功した。

 4人の大人が快適に移動することができる612スカリエッティは、ベントレーやメルセデス・ベンツに求められそうな用途を充分にこなす一方で、性能面では容易に勝つことができる本物のグランドツアラーだった。

 V12エンジンが7250rpmで540psを発揮すると、4.2秒で100km/hに到達。最高速度は驚異的な315km/hだった。

 また、アルミニウム製のスペースフレームとアルミ合金製ボディパネルは、456時代から大幅に大型化していたにもかかわらず車両重量はほぼ同等。さらに456に対してねじり剛性は60%もアップされ、優れたハンドリングに大きく寄与することになったとされる。

 今回RMサザビーズ「OPEN ROAD FEBRUALY」オークションに出品された612スカリエッティは「ブル・トゥール・ド・フランス」のボディにグレー本革レザーという、古典的なカラースキームが魅力的な1台。

 ごく少数のみが作られた6速MT仕様ではなく、612としてはデフォルトの6速「F1マティック」仕様ながら、コレクションとしても望ましい「HGTCパッケージ」が装備されている。

 新車当時、日本では273万円プラスのエキストラだったHGTCパッケージは、約10%速めた変速タイミングやカーボンセラミック製ブレーキローター、スポーツエキゾースト、よりソリッドなスタビライザー設定などで構成されていたが、実際の装着車両はかなりレアとされる。

 この612スカリエッティでもっとも注目すべきヒストリーは、最初のプライベートオーナーのもとにデリバリーされる直前、2006年パリ・サロンのフェラーリ社ブースを、ブラックの「599 GTBフィオラーノ」および「F2005」フォーミュラ1マシンと一緒に飾ったことであろう。

 そしてパリ・サロンでの華々しい出演後、この個体はアラブ首長国連邦に輸出され、数年間をかの地で過ごしたのち英国に輸入。今回のオークション出品に至った。

 近年、かなり買い求めやすくなっている感のある612スカリエッティだが、今回のオークション出品にあたり、RMサザビーズ欧州本社は当初ドル建てで11万−14万ドル(邦貨換算約1200万−1520万円)のエスティメートを設定。

 ところが、理由は不明ながら中途からユーロ建てとなった実際のオンライン競売では「Without Reserve(最低落札価格なし)」だったことから、エスティメートを大きく割り込む6万6000ユーロ、つまり邦貨換算約854万円で落札となった。

 たしかに安価ではあるのだが、維持についてはV8フェラーリよりも格段にハードルが高いのも事実。あくまで「フェラーリ上級者」向けのモデルであることは、ここであらためて明言しておくことにしよう。

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