安くてカッコよくて乗って楽しい! 100万円以下から手に入るスポーツカー3選
くるまのニュース / 2021年3月15日 16時10分
現在、1980年代から1990年代に登場したスポーツカーの中古車は、高値安定が続いています。また、車種によってはMTの個体の方が希少なことから、より価格は高騰しています。しかし、MTのスポーツカーでも、まだまだ安価なモデルが存在。そこで、100万円以下から手に入る国産スポーツカーを、3車種ピックアップして紹介します。
■価格高騰していない今がチャンスのスポーツカーを振り返る
ここ数年、1980年代から1990年代に誕生したスポーツカーは、世界的に価格高騰が続いています。性能的には現在のクルマの方が優れているのは間違いありませんが、古いクルマにはあって現代のクルマでは失われたモノが、価値として認められたということでしょう。
なかでも、MTのモデルは数が少ないことから、とくに価格が高騰しています。そうしたモデルは新車当時、MTよりもATの方が高価でしたが、中古車では価格が逆転しているケースがほとんどです。
一方で、スポーツカーかつMTながら、安価な価格で販売されているモデルも存在。そこで、100万円以下から狙える国産スポーツカーを、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「Z33型 フェアレディZ」
今では貴重な大排気量NAエンジンを搭載する「Z33型 フェアレディZ」
50年以上もの長い歴史があり、日本を代表するスポーツカーといえば日産「フェアレディZ」です。2020年9月には次期型となる7代目のプロトタイプが発表され、再び注目されています。
1969年に誕生したフェアレディZは、日産の業績悪化などの理由から2000年に一旦は系譜が途絶えてしまいました。
しかし、2002年に5代目として「Z33型」が復活を遂げ、現在(6代目・Z34型)に至ります。
このZ33型のコンセプトは原点回帰にあり、外観はロングノーズ・ショートデッキの初代に通じるFRスポーツカーのフォルムを採用しながらも、現代的なデザインを融合。
全グレードが2シーターとなったボディは全長4310mm×全幅1815mm×全高1315mmとショート&ワイドなサイズで、エンジンは280馬力を発揮する3.5リッターV型6気筒自然吸気の「VQ35DE型」を搭載し、トランスミッションは6速MTと5速ATが設定されています。
大排気量自然吸気エンジンらしくレスポンスの良さから、運転する楽しさを全面に打ち出して、スポーツカーとしての切れ味が復活した走りは国内外で高く評価されました。
2008年まで生産されたZ33型フェアレディZは中古車の物件数も多く、一部の限定車を除くと価格も安価に設定されており、6速MT車でも100万円未満で十分に狙えます。
また、ドレスアップアイテムやチューニングパーツも豊富で、自分好みに仕立てる楽しみ方もあり、ドライビングプレジャーは最新モデルに引けを取りません。
●マツダ「RX-8」
使い勝手も良好で、最後ロータリーエンジン搭載車でもある「RX-8」
マツダの高性能エンジンの代名詞といえばロータリーエンジンですが、2012年以降、系譜が途絶えたままで、その最後のロータリーエンジン搭載車が「RX-8」です。
2003年に発売されたRX-8は、ピュアスポーツカーである「RX-7」の実質的な後継車としてデビュー。4ドア4シーターのFRスポーツカーという新たなコンセプトで開発されました。
前後ドアが観音開きとなる「フリースタイルドア」はRX-8の特徴のひとつで、ドアの開口部が広く取られていることから、2ドアクーペよりも後席への乗降性も考慮されています。
搭載されたエンジンは新開発の654cc×2ローター自然吸気ロータリーの「13B型」で、「RENESIS(レネシス)」と命名。
トランスミッションは6速MT、5速MT、4速AT(後に6速ATが追加)を設定し、トップグレードの「TYPE-S」6速MT車では最高出力250馬力を誇りました。
また、足まわりはフロントにダブルウイッシュボーン、リアはマルチリンクを採用し、車体の前後重量配分を理想的な50:50とするなど、高い運動性能を発揮。
その後、RX-8は改良を続け進化していきましたが、前述のとおり2012年に生産を終了しました。
現在、一部の限定車を除くと100万円未満の物件も数多く、3万km以下の低走行車でも100万円台で入手可能です。物件数も多いので、選択肢は豊富といえるでしょう。
■ハンドリングにこだわったFFスポーツカーとは!?
●トヨタ7代目「セリカ」
シャープなデザインと優れた足まわりが特徴の7代目「セリカ」
1970年に発売されたトヨタ初代「セリカ」は、比較的安価な価格設定ながらもDOHCエンジンをラインナップし、内外装やトランスミッションなどをセミオーダーできる「フルチョイスシステム」を展開するなど、革新的なスペシャリティカーです。
その後、代を重ねると、トップグレードにはパワフルなターボエンジンにフルタイム4WDが組み合わされ、世界ラリー選手権での活躍もあり、高性能4WD車というイメージが定着。
しかし、1999年に発売された7代目ではターボエンジンと4WDがともに廃止され、FFスポーツカーへとコンセプトが大きく変わりました。
外観は切れ長のヘッドライトと空気を切り裂くようなウェッジシェイプが特徴で、ピュアスポーツカーへと変貌。
エンジンは全グレードが1.8リッター直列4気筒自然吸気で、トップグレードの「SS-II」には高回転型の「2ZZ-GE型」を搭載し、最高出力190馬力を発揮します。トランスミッションは6速MT(SS-II)、5速MT、4速ATが設定されました。
足まわりはフロントにストラット、リアにダブルウイッシュボーンを採用して、国内外からコーナリング性能が高く評価されました。
しかし、クーペ人気の低迷から7代目セリカは2006年に販売を終了し、長い歴史に幕を閉じました。
現在の中古車相場は低走行のSS-IIでも100万円前後、エントリーグレードのSS-Iならば50万円前後と、かなり魅力的な価格です。
※ ※ ※
10年以上前のクルマでネックとなるのが、自動車税と重量税の引き上げが挙げられますが、やはりコンディションの見極めも大事です。
とくにエンジンは推奨されたサイクルでオイル交換などのメンテナンスを受けていないと、後々、思わぬ大出費となることや、走行距離が少ない個体でも足まわりのブッシュ類など樹脂部品の劣化から、本来の性能が出せないというケースも考えられます。
一方、あえて安価なモデルを買って、お金をかけてリフレッシュするという手もあります。タイヤやブレーキ、ダンパーを新調するだけでも、かなりシャキっとしたフィーリングに変わるので、古いクルマならではの楽しみ方ではないでしょうか。
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