ホンダ「S660」終了でMT車がピンチ!? 存続が危惧される軽MT車の現状は?
くるまのニュース / 2021年3月17日 10時10分
2022年3月にホンダ「S660」が生産終了することが発表されました。S660は貴重なオープンカーであったと同時に、数少ないMT車を設定するモデルでもありました。いまでも新車で買える軽MT車には、どのようなモデルがあるのでしょうか。
■ホンダ「S660」生産終了で、軽MT車事情はどうなる?
ホンダ「S660」が2022年3月をもって生産終了することが発表されました。
軽自動車でありながら貴重な2シーターオープンカーのS660は、660ccターボエンジンをミッドシップに搭載し、後輪を駆動するMRを採用。
ワクワクするような走りと優れたハンドリング性能を実現したモデルです。
2015年4月の発売から累計3万台以上を販売するなど根強いファンに愛されてきましたが、生産終了の理由に関してホンダは、「2022年以降の法規制(騒音・燃費・安全など)に対応出来ないため」と説明しています。
そして、最後の特別仕様車となる「S660 モデューロX バージョンZ」が発売されるなど、1年後の終了へ向けてのカウントダウンが開始されました。
S660はいまでは珍しいオープンカーであると同時に、絶滅が危惧されているMT車を設定するモデルでもあります。
S660は軽自動車として初めて6速MTを搭載するなど、操る楽しさにもこだわったモデルでしたが、同車が生産終了となるとまたMT車が消えることになります。
現在の軽自動車(乗用車)のMT車事情はどうなっているのでしょうか。
S660が生産終了するホンダですが、同社の軽乗用車でMT車を設定するのは「N-ONE」のみとなります。
2020年11月にフルモデルチェンジして2代目となった新型N-ONEは、ターボエンジン搭載の「RS」グレードに、CVTと6速MTを設定しました。
初代モデルのデザインが多くのユーザーから愛されているため、スタイルの変更を最小限にとどめたN-ONEですが、その一方でプラットフォームとパワートレインを一新しています。
2代目「N-BOX」から搭載されている新世代プラットフォームを採用することにより、高剛性で軽量なボディを実現。
さらにこのプラットフォームは商用バンの「N-VAN」にMTを搭載することを前提に開発されたこともあり、新型N-ONEでも6速MTを設定することが可能になりました。
トランスミッションはS660と同じものを搭載し、新型N-ONEはショートストロークでスポーティな走りが楽しめる、軽ホットハッチに仕上げました。
なお、FFのターボ車に6速MTを組み合わせた軽自動車は、新型N-ONEが初めてとなります。
■スズキに軽MT車の選択肢が多いのはなぜ?
S660のライバルともいえるダイハツ「コペン」は、初代モデルが2002年に登場。軽として初めてとなる電動ハードトップを備える2シーターオープンモデルとして人気を博しました。
現行モデル(2代目)は2014年に登場。初代は丸みを帯びた可愛らしいスタイルでしたが、現行モデルは「ローブ」「エクスプレイ」「セロ」といったスタイルが選べる、個性派スポーツカーへと一新。
ダイハツとトヨタがコラボした「コペン GRスポーツ」
さらに2019年10月には、第4のモデルとして「GRスポーツ」を追加。トヨタのモータースポーツ部門「TOYOTA GAZOO Racing」のノウハウを注入してスポーツ性能を高めたモデルが設定され、GRスポーツはトヨタでも販売されるという異例のコラボが実現しました。
いずれもパワートレインは、660ccターボエンジンにCVTまたは5速MTが組み合わされます。
オープンにする場合、S660は手動で屋根を外してボンネット内の格納スペースに収めるのですが、コペンは電動ルーフを備えていることからボタンひとつで屋根を開閉することができ、屋根はトランクスペースへ格納されます。
※ ※ ※
荒れた路面や狭い林道などで本領を発揮する軽オフローダーのスズキ「ジムニー」は、660ccターボエンジンに、4速ATおよび5速MTを組み合わせています。
現行モデルは2018年に20年ぶりにフルモデルチェンジした4代目。丸目のヘッドライトに無骨な四角いボディをもち、歴代モデルのモチーフが取り入れられました。
さらに、ラダーフレームの採用や、FRレイアウトや機械式副変速機付きパートタイム4WDなどにより、悪路走行性を高めています。
プロが使うだけでなく、ファッションとして購入する人も多いジムニーは大変な人気を得ており、納期が長くかかるクルマのひとつとされています。
さらにスズキは、軽ホットハッチの「アルトワークス」に、5速AGSと専用開発のショートストロークの5速MTを設定しています。
力強い加速を実現するターボエンジンや専用チューニングのサスペンションに加え、高いホールド性を発揮する専用レカロ製フロントシートを装着するなど、アルトワークスはスポーツ走行に特化したモデルだといえます。
※ ※ ※
ホンダとダイハツはスポーティなモデルにMT車を設定していますが、スズキはジムニーやアルトワークスといった趣味性の強いモデルに加え、日常的に軽自動車を使用する人のためにもMT車を設定しています。
「アルト」の5速MT車は、エントリーグレードの「F」に設定されており、軽自動車としてもっとも安いダイハツ「ミライース」(86万200円)と同等の86万3500円という価格を実現。
さらに「ワゴンR」は、2012年9月のフルモデルチェンジから遅れること3か月後の12月に、エントリーグレード「FA」に5速MT(109万8900円)を追加設定しました。
アルトとワゴンRのMT車はお求めやすい低価格を実現したことに加え、AT車を運転することができない高齢ドライバーへの数少ない選択肢という側面もあるとされています。
他社に比べて軽MT車が多いスズキですが、軽クロスオーバーSUVという新たなジャンルを開拓した初代「ハスラー」に設定されていた5速MTは、2代目へのフルモデルチェンジの際に廃止しました。
軽自動車においても衝突被害軽減ブレーキや全車速追従機能付きACCといった機能が設定されることが当たり前になるなか、軽MTは今後の存続が危ぶまれる状況にあるといえそうです。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
日本で大人気の「軽自動車」なんで海外で売らないの? コンパクトで「燃費・性能」もバツグン! “高評価”でもメーカーが「輸出しない」理由とは
くるまのニュース / 2024年4月24日 20時10分
-
“400万円超え”のスズキ新型「カクカク”SUV”」実車公開! 5速MT設定&鮮烈レッドも用意! 待望の「ジムニー“5ドア”」比に登場
くるまのニュース / 2024年4月16日 16時10分
-
ダイハツの「2人乗り軽オープン」販売再開! どんな人が買う? 全長4m以下の“小さな”スポーツカー!? 異色な存在の「コペン」とは
くるまのニュース / 2024年4月15日 6時40分
-
「これ軽だろ?高性能すぎる」 伝説のバケモノKカーが生まれた“時代” スズキの魂「アルトワークス」
乗りものニュース / 2024年4月7日 16時12分
-
23年度「イチバン売れたクルマ」は何だった!? 唯一の「20万台超え」を記録! “不動の1位”は強かった… 販売台数ランキング発表
くるまのニュース / 2024年4月4日 18時40分
ランキング
-
1映画「もののけ姫」の映えスポットで撮影した女性の投稿に大反響! 「言われなくても生きそう」「無敵感がすごい」
よろず~ニュース / 2024年5月2日 15時0分
-
2深夜の通話中、突然寝てしまった! 実は意外な「寝落ち」のしくみ
オールアバウト / 2024年5月3日 20時45分
-
3暗い場所で物がよく見えない…もしかして“鳥目”? 原因&対策を眼科医に聞いてみた
オトナンサー / 2024年5月3日 20時10分
-
4コンビニは「前向き駐車」すべき? なぜ「バック駐車」は推奨されない? “納得の理由”と守らなかった際の「悪影響」とは
くるまのニュース / 2024年5月2日 17時10分
-
5スターバックス、8日から“人気フラペチーノ”が復活 「絶対に買いに行く」と意気込む声が続出
Sirabee / 2024年5月3日 4時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください