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スカイラインGT-Rが3000万円オーバー! べらぼうな価格の国産車5選

くるまのニュース / 2021年3月16日 6時10分

中古車業界で度々話題となるのが、高性能な絶版車の価格高騰です。そうした状況は日本だけでなく、海外でも同様です。そこで、近年とくに価格高騰が著しい国産ハイパフォーマンスカーを、5車種ピックアップして紹介します。

■尋常じゃないほど価格が高騰している国産高性能車たち

 日本のみならず、海外でも続いている絶版高性能車の価格高騰は、収まる気配が感じられない状況です。

 2020年から続いている新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界的な経済不安が懸念されましたが、むしろ投機の対象となっている高額な中古車に関しては、新型コロナウイルス収束後の値上がりへの期待感もあるのか、ここにきてさらに価格が高騰しました。

 海外ではオールド・フェラーリ/ランボルギーニといったスーパーカーや、空冷エンジンを搭載していた頃のポルシェ「911」など、日本では1980年代から2000年代初頭に誕生した、ハイパフォーマンスカーが、価格高騰の主役です。

 そうしたモデルの多くは性能的に現在のモデルと比べて劣りますが、現行モデルでは失われたノスタルジックな雰囲気、これから減る一方であることから生まれる希少価値、当時は経済的に買えなかったモデルを手に入れたいという欲求などから、魅力的に映るのかもしれません。

 そこで、近年とくに価格高騰が著しい国産ハイパフォーマンスカーを、5車種ピックアップして紹介します。

●日産「R34型 スカイラインGT-R」

もはや新車価格の5倍近い値段となった「R34型 スカイラインGT-R」(画像は「VスペックIIニュル」)もはや新車価格の5倍近い値段となった「R34型 スカイラインGT-R」(画像は「VスペックIIニュル」)

 1969年に誕生した日産初代「スカイラインGT-R」(通称:ハコスカ)は、レースに勝つために開発されたストイックなモデルでした。

 その後、1972年に登場した2代目(通称:ケンメリ)は、短期間しか生産されず、まさに幻のクルマとして神格化されています。

 1989年には8代目スカイラインにてGT-R(R32型)が17年ぶりに復活し、約450万円と高額なモデルながらもバブル景気という背景から、ヒット作になりました。その後も1995年にはR33型、1999年にはR34型が登場し、2002年にスカイラインGT-Rの歴史は幕を閉じます。

 これまで、5代にわたって発売されたスカイラインGT-Rはすべて価格が高騰中で、2代目のケンメリGT-Rは197台しか作られなかったことから市場で出ることは滅多になく、オークションでは数千万円で落札されるほどです。

 また、R32型はアメリカで人気となったことから、価格高騰の引き金にもなり、日本にあった大量の中古車がアメリカへと渡っています。

 一方で、最終モデルのR34型が、ここ最近はさらに価格が高騰。280馬力を誇る2.6リッター直列6気筒DOHCツインターボの「RB26DETT型」エンジンを搭載した最後のモデルであり、FRを基本とする4WDシステム「アテーサE-TS」による走りは、現在でも通用するほどの走行性能を発揮。

 このR34型スカイラインGT-Rでは2002年に、「VスペックIIニュル」と「Mスペックニュル」という2台の最終限定車が1000台のみ発売され、発売日当日に完売するという事態となりました。

 当時の新車価格(消費税含まず)はVスペックIIニュルが610万円、Mスペックニュルが630万円で、2019年の相場はどちらも最高で1200万円ほどでしたが、今では2000万円前後が平均的で、なかには3000万円を上まわる個体も存在あるほどです。

●トヨタ「A80型 スープラ」

FRのピュアスポーツカーとして人気を博した「A80型 スープラ」FRのピュアスポーツカーとして人気を博した「A80型 スープラ」

 トヨタ「スープラ」は、スカイラインGT-Rとは長年ライバル関係にありましたが、4WDのスカイラインGT-Rに対してスープラはFRスポーツカーと、コンセプトが大きく異なりました。

 2019年に現行モデルの5代目が登場し、再び脚光を浴びることになりましたが、それ以前から4代目のA80型はハリウッド映画に登場したこともあり、スカイラインGT-Rと同様に、まずはアメリカで人気が再燃します。

 1993年に登場した4代目となるスープラは、ロングノーズで流麗なフォルムが特徴的なデサインの3ドアハッチバッククーペです。

 トップグレードの「RZ」に搭載されたエンジンは、3リッター直列6気筒DOHCツインターボエンジンで、最高出力280馬力を発揮し、トランスミッションは4速ATもしくは6速MTが組み合わされます。

 足まわりには前後ダブルウイッシュボーンサスペンションを採用し、53:47というバランスの良い前後重量配分により優れた旋回性能を発揮する、まさにピュアスポーツカーです。

 4代目スープラは2002年に生産を終えますが、スカイラインGT-Rに引きずられるかたちで価格高騰が始まり、5代目の登場後はさらに上がって、現在は走行距離が10万km以下の個体なら500万円台から600万円台が中心で、1000万円オーバーの個体も存在します。

●マツダ「FD3S型 RX-7」

ロータリーロケットの異名を持つ「FD3S型 RX-7」(画像は「タイプRバサースト」)ロータリーロケットの異名を持つ「FD3S型 RX-7」(画像は「タイプRバサースト」)

 マツダは1991年にハイパワーなロータリーターボエンジンを搭載したピュアスポーツカーのアンフィニ「RX-7」(FD3S型)を発売。古典的なエッセンスと最新のデザインが融合した流麗かつ軽量なボディに255馬力のロータリーターボを搭載し、一躍人気車となりました。

 しかし、排出ガス規制の強化もあって、2003年に販売を終了。同年には実質的な後継車である「RX-8」が登場しましたが、自然吸気エンジンのみだったことから、ロータリーターボエンジン搭載車は、RX-7が最後です。

 RX-7は10年以上の歴史のなかで繰り返し改良がおこなわれ、1999年には最高出力280馬力に到達。さらに魅力的な限定車や特別仕様車も登場しました。

 とくにモデル末期に登場した「タイプRバサースト」や、最終限定車である「スピリットR」は、現在は高額な価格で取り引きされており、およそ600万円前後が相場で、700万円台の個体も珍しくありません。

 近い将来にマツダはEVの発電用エンジン(レンジエクステンダー)としてロータリーエンジンの復活を明らかにしていますが、スポーツモデルでの復活は難しい状況で、まだまだRX-7の価値は高まりそうです。

■コンセプトは異なるものの国内外から垂涎の的となっている2台の高性能車とは

●ホンダ初代「インテグラ タイプR」

超硬派でストイックなモデルながら絶大な人気となった初代「インテグラ タイプR」超硬派でストイックなモデルながら絶大な人気となった初代「インテグラ タイプR」

 ホンダは1992年に、サーキット走行を視野に入れて開発されたストイックな高性能モデルとして「NSX タイプR」を発売。

 そして、1995年にはタイプRシリーズ第2弾として、FFスポーツモデルの「インテグラ タイプR」が追加ラインナップされました。

 インテグラ タイプRはNSX タイプRと同様なコンセプトで、エンジンは最高出力200馬力を発揮する1.8リッター直列4気筒を搭載。標準モデルよりも40kgもの軽量化とボディの高剛性化を両立したボディに、専用サスペンションや空力パーツを装着するなど、サーキット走行を想定して開発されました。

 ボディタイプは3ドアハッチバックと4ドアセダンがあり、北米でも3ドアハッチバックのアキュラ「インテグラ タイプR」が少量販売されています。

 現在、タイプRシリーズは、NSXを筆頭に、インテグラ、「シビック」も価格高騰が続いていますが、NSXタイプRはもともと販売台数が少ないことから、市場に出る機会もごくわずかで、相場も不明な状況です。

 一方で、初代のインテグラ タイプRはヒットしたこともあって比較的現存数も多く、良好な個体ならば400万円台が相場で、程度によっては700万円台から800万円台と、初期型の新車価格が222万8000円(消費税含まず)からだったことを考えると、3倍以上まで跳ね上がったことになります。

 なお、アメリカでもインテグラ タイプRは希少なモデルとして価格が高騰し、オークションでは7万ドル(日本円で約730万円)以上の高値で落札された事例もあります。

●スバル「インプレッサ 22B-STiバージョン」

迫力あるボディと特別なエンジンが大いに魅力的な「インプレッサ 22B-STiバージョン」迫力あるボディと特別なエンジンが大いに魅力的な「インプレッサ 22B-STiバージョン」

 かつて、世界ラリー選手権(以下、WRC)において、ライバルとして性能を高めあった存在が、三菱「ランサーエボリューション」とスバル「インプレッサ WRX」です。

 どちらも現在は消滅してしまいましが、なかでも伝説的なモデルとして挙げられるのが「インプレッサ 22B-STiバージョン」ではないでしょうか。

 WRCでは、1997年以降のレギュレーション変更により改造範囲が広がった「WRカー」による戦いが始まり、スバルは2ドアクーペの「インプレッサ リトナ」をベースにした「インプレッサ ワールドラリーカー97」を投入。

 このラリーカーを再現したレプリカモデルとして、1998年に400台限定でインプレッサ 22B-STiバージョンが発売されました。

 インプレッサ 22B-STiバージョンはSTI(スバルテクニカインターナショナル)が製作したコンプリートカーのひとつで、ブリスターフェンダーによる迫力あるワイドボディが最大の特徴となっています。

 エンジンも専用にチューニングされた「EJ22改型」を搭載。最高出力280馬力を誇る2.2リッター水平対向4気筒DOHCターボです。

 ほかにもクイックレシオステアリングやツインプレート・セラミックメタルクラッチ、ビルシュタイン製ショックアブソーバー、アイバッハ製スプリング、BBS製鍛造アルミホイール、ピレリ「P-Zero」タイヤなどを装備し、STI謹製にふさわしい走りも与えられました。

 当時の価格は500万円(消費税含まず)とかなり高価でしたが、発売すると即完売し、2019年くらいまでは中古車は1000万円ほどでしたが、現在は滅多に市場に出ることもなく、2000万円から3000万円のプライスタグが付けられています。

※ ※ ※

 絶版高性能車の価格高騰はここ5年ほどでさらに顕著となりましたが、かつてこうしたモデルを扱っていたというショップに現状を聞いてみました。

「うちは絶版高性能車の整備や修理をメインにおこなっていますが、1年ほど前までは中古車も販売していました。

 過去系なのは、現在は販売していないからで、理由は価格が上がりすぎて買える人がいなくなってきたからです。

 現状の相場では金に糸目をつけない海外のバイヤーや、国内でもかなりのお金持ちの方しか手が出せない状況で、必ず売れる保証もありません。仕入れも高額ですからリスキーなため販売は辞めました。

 むしろ、長年乗っているお客さんは手放さないので、整備の売上は好調です」

 価格の高騰によって販売も儲かるかというと、現状はなかなか難しいようで、たしかに今の異常な相場では買える人はごくわずかでしょう。

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