ちょうどよいポルシェ! 「718ケイマン」は通勤快速として最高
くるまのニュース / 2021年3月19日 19時10分
モータースポーツの世界に割とドップリハマってしまった女子ライダー&ドライバー、小鳥遊レイラちゃんの女性目線によるインプレッション。今回のテストカーは、ポルシェ「718ケイマン」だ。
■絶対的な速さより、速いテイストが大事
2リッター水平対向4気筒ターボエンジンを搭載したポルシェ「718ケイマン」を運転しながら、すっかりうれしくなりました。
仕事では大排気量、400psオーバー、しかも1000万円越えのハイエンドなポルシェを運転する機会もありますが、正直いって、私のような20代の女子にとって現実的な存在ではありません。
でも、今回試乗した718ケイマンは、車両価格(消費税込)が773万円で、最高出力も300ps。
ポルシェとしてはやや控えめな数字ですが、私には立派な“ポルシェ”です。
●300psで十分な「718ケイマン」
エンジンをかけると、さすがはポルシェ! 始動の瞬間からやる気たっぷりのサウンドに包まれます。
アクセルを踏み込んで発進すると、加速も力強い。よくよく考えれば300ps“も”ありますから、街中では有り余るパワーですよね。
ただ、以前試乗した420psの「718ボクスターGTS4.0」に比べると、私でも扱えるかな、と思えるのも確か。今回は通勤に使ってみましたが、ミッションがセミATのPDKということもあって、日常的に運転できるクルマだと感じました。
エンジンモードを「ノーマル」から「スポーツ+」に切り換えると、シフトアップの回転数が上がり、エキゾーストノートもしっかり車内に届くようになります。
300psをきちんと感じることができるので、私はこのモードが好き(笑)。
決して大音量が好みというわけではありませんが、やっぱり運転そのものを楽しみたいので、ある程度のスポーティさ、そしてダイレクト感がほしいんです。
内装はブラウンでシックな印象です。718ケイマンは現行ポルシェのなかではもっともベーシックな存在ですが、それでもインテリアは上位機種と同じトーンが貫かれています。豪華というほどではないものの、しっかりとポルシェらしさを楽しませてくれます。
エクステリアも同じで、どこからどう見てもポルシェ。こうした一貫したブランディングは、オーナーになった時にうれしいですよね。
リアミッドシップレイアウトなので2シーターですが、私はもともとポルシェ=ふたり乗りだと思っているので、まったく気になりませんでした。「911」の後部座席は、大人が乗るにはエマージェンシーレベルですしね。
それより、フロントトランクやリアのトランクがなかなかの容量と使い勝手の良さなので、それほど困ることはありませんでした。
私は運転が好きですが、クルマに求めるものは「スポーツ」ではなく、あくまでも「スポーティ」で十分。
サーキットを激攻めするわけではないので、上位モデルではなくても十分に満足できます。
いつもの通勤路でさえ、加速や減速にスポーツテイストを味わうことができました。もちろん700万円オーバーという車両価格は決して安くはありませんが、4ケタ万円ではないだけ、頑張れば手が届くのではないかと思わせてくれます。
実際、718ケイマンを選ぶのは私のような方たちではないでしょうか。
「いつかはポルシェに乗ってみたい」という憧れを持っていて、現実的に手が届きそうな「最初のポルシェ」。それが718ケイマンです。
持て余すことなく、日常的に楽しめる1台。エクステリアやインテリアに一貫したポルシェらしさを備えているのは、ポルシェを手にした悦びをより多くのオーナーに確実に味わってもらうため、なんでしょうね。
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