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最新技術満載!メルセデスの旗艦モデル 新型「Sクラス」に乗ってわかった驚くべき進化とは

くるまのニュース / 2021年3月24日 19時10分

2021年1月、8年ぶりにフルモデルチェンジを果たし登場したメルセデス・ベンツ新型「Sクラス」。先代の累計販売台数は50万台を超える「世界でもっとも選ばれているラグジュアリーセダン」だが、新型ではどのように進化したのだろうか。1泊2日のロングツーリングで、その走り味を試してみた。

■「最善か無か」の哲学が詰まっているメルセデスのフラッグシップ

 メルセデス・ベンツ新型「Sクラス」に試乗するということは、世界を代表する高級セダンの最新モデルに乗るということだ。

 「最善か無か」を哲学としてクルマづくりをするメルセデス・ベンツのフラッグシップになるのか。どこまで進化したのか。その興味は尽きない。

 歩いてクルマに近づくと、ドアハンドルがポップアップする。バーハンドルを握って引くと剛性の高いガチッという手応えを感じてからドアが開く。開くまでの手応えはこれまでのバー型ドアハンドルよりも少し重く感じる。乗り手を安心させるしっかり感は細部にまで抜け目がない。

 シートは新しいデザインになって、クッションの先端部が緩やかなカーブを描き、ソフトタッチのサイドサポートになっている。接触部分の表面はソフトだがその下の芯の部分はしっかりしているし、シートフレームやシートレールの剛性は高いので、身体のサポートが良いのは昔から変わらない。

 シート調整はドアの内張りにあるシート形状をしたスイッチだが、これが大きく変化した。形状はこれまでと同じだがスイッチ自体は動かず、静電式になった。指の接触によってシートを動かす方式だ。一瞬遅れて反応する感じで微調整が難しいが、オーナーになってメモリーしてしまえば問題ないだろう。

 エンジンスタートボタンを押すと、遠いところで軽い音がしてエンジンがかかる。とても静かなエンジン音だが、今回の試乗車はメルセデス・ベンツ「S400d」である。つまり3リッター直列6気筒のディーゼルターボエンジンだ。エンジン自体からディーゼルっぽい音は聞こえないし、音質そのものがまろやかで耳障りな音がまったくしないのが良い。

 室内が静かなのは剛性の高いボディに防音材がたっぷり使われているだけでなく、窓ガラスが全面防音材をサンドイッチにした合わせガラスになっているからだ。このガラスは破ろうとしても割れないから、高級車として防犯上も最高レベルになった。

メルセデス・ベンツ新型「Sクラス」のインパネメルセデス・ベンツ新型「Sクラス」のインパネ

 走り始めてすぐに意外なほどのソフトさを感じた。タイヤの当たりもソフトだし、サスペンションも緩い感じでよく動くからだ。スピードが上がって来てもソフトなフィールは変わらない。

ここでふと思い出したのが、1989年に登場したトヨタ初代「セルシオ」(レクサスLS)の乗り味だ。乗り心地はあくまでもソフトでどこまでも静かな室内を追求した日本の高級車は、その後世界中の高級車に影響を与えた。

 新しいSクラスに乗って、セルシオを思い出すほどソフトな感触になったのだ。ソフトではあるけれど、フワフワした頼りない揺れが残るわけではない。ハイスピードでも安定感が損なわれるようなソフト感ではない。

■ソフトな乗り心地なのにハンドリング性能も抜群

 Sクラスの大きなボディだが、市街地やワインディングロードでのドライビングも正確に反応してくれるハンドルによって、思いどおりのライントレースができる。

 ソフトな足でもロールが大きくならず、快適性とハンドリング性能は相当高いレベルにある。

メルセデス・ベンツ新型「Sクラス」はリアアクスルステアリングを採用。後輪が最大4.5度ステアするメルセデス・ベンツ新型「Sクラス」はリアアクスルステアリングを採用。後輪が最大4.5度ステアする

 こうしたハンドリング性能は、リアアクスルステアリングも貢献しているはずだ。60km/h以下の市街地走行では、前輪と逆位相に動くため小回りが効いて、高速道路走行では同位相に動いて安定感を増す。

 停止状態でハンドルを切っていっても後輪操舵するから、壁際に止めたときにタイヤが壁側に動くことが心配だったが、想像するよりテールを振り出す量は大きくなかった。一般的な壁との隙間があれば問題なさそうだ。

 ブレーキフィールは、ペダルを奥まで踏み込むとグッと剛性感が高まりいい感じで制動できるが、踏みはじめのソフト感がメルセデスベンツらしくはないと思った。もっとペダルストロークを短くしたほうが扱いやすいはずだ。もしかして誰が運転してもカックンブレーキにならないようにしているのか。ショーファードリブンならこれでも良いかもしれないが。

 S400dのエンジンと9速ATの相性は抜群だ。流れに乗るように走るだけなら、エンジン回転数はいつも1200rpm前後にいる。市街地でも高速道路でも9速ATがいつの間にか変速していて、エンジンはゆるゆると回っているだけだ。

 それでもディーゼルターボは低速トルクが太いため微妙なスピードコントロールはしやすい。これなら静かさと燃費の良さを実現できそうだ。

 後席に乗ってみると、エンジン音がもっと遠くなって快適性は前席より良くなった。

 レッグスペースはロングボディの方がゆとりがあって楽なはずだが、今回試乗した標準ボディでも快適性に不満はまったくない。

 ダッシュボード上のエアコンの吹き出し口がクロームで縁取りしてあるので、これがドアガラスに映り込んでドアミラーが見にくいことがある。とくに夜間では、車内のアンビエントライトが明るいとその光も反射してしまうのが気になった。

 メルセデス・ベンツSクラスのフルモデルチェンジは、各分野において大きく進化した。MBUX、指紋認証、顔認証など、時代の最先端にいることは間違いないが、乗り手がそれに乗り遅れないようにしなくてはその有り余る機能を使いきれない。

 オーナーになったらそれを楽しみながら探求していくと、新しいクルマとの付き合いかたが見えてくるだろう。

メルセデス・ベンツ新型「Sクラス」(S400d 4MATIC)メルセデス・ベンツ新型「Sクラス」(S400d 4MATIC)

Mercedes−Benz S400d 4MATIC
メルセデス・ベンツ S400d 4マティック

・車両価格(消費税込):1293万円
・全長:5180mm
・全幅:1920mm
・全高:1505mm
・ホイールベース:3105mm
・車両重量:2090kg
・エンジン形式:直列6気筒DOHCディーゼルターボ
・排気量:2924cc
・駆動方式:4WD
・変速機:9速AT
・最高出力:330ps/3600−4200rpm
・最大トルク:700Nm/1200−3200rpm
・WLTCモード燃費:12.5km/L

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