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出た時期が最悪? バブル崩壊後に誕生した不遇のスペシャリティカー5選

くるまのニュース / 2021年3月25日 6時10分

最近耳にしなくなったクルマのジャンルといえば、スペシャリティカーが挙げられます。1980年代の終わりから1990年代初頭、いわゆるバブル期には高い人気誇りましたが、バブル崩壊後に急速に数を減らしてしまいました。そこで、バブル崩壊直後に誕生した不遇のスペシャリティカーを、5車種ピックアップして紹介します。

■景気低迷の時代に誕生したスペシャリティカーたち

 SUVやミニバンなど、クルマの特徴から呼ばれるジャンルがいくつもありますが、近年、あまり耳にすることが無くなったジャンルとして「スペシャリティカー」が挙げられます。

 スペシャリティカーと呼称されるクルマには明確な定義はありませんが、概ね2ドアクーペもしくは3ドアファストバッククーペのボディで比較的高性能なエンジンを搭載し、生粋のスポーツカーほど尖った走行性能ではないモデルではないでしょうか。

 スペシャリティカーが隆盛を極めていたのは、1980年代の終わりから1990年代初頭にかけて、いわゆるバブル景気の頃で、各メーカーがスペシャリティカーをラインナップしていました。

 しかし、バブル崩壊と時を同じくしてクーペの人気は急激に落ち込み、スペシャリティカーは激減。そこで、バブル崩壊直後に誕生した不遇のスペシャリティカーを、5車種ピックアップして紹介します。

●日産「S14型 シルビア」

バブル崩壊だけでなく大型化もネガティブな要素だった「S14型 シルビア」バブル崩壊だけでなく大型化もネガティブな要素だった「S14型 シルビア」

 1965年に発売された日産初代「シルビア」は、まさに国産スペシャリティカーの先駆けとして誕生。ハンドメイドにより高価なクルマでしたが、代を重ねると若者をターゲットにスポーティなイメージが高くなりました。
 
 そして、1988年に発売された日産5代目「シルビア」は、優れたデザインと手ごろな価格のFRスポーツとして大ヒットを記録。デートカーとしても一世を風靡したほどです。

 この5代目のヒットを受けて1993年に登場した6代目では、コンセプトは5代目を踏襲していましたが、当時のトレンドだった3ナンバーサイズにボディを拡大。

 搭載されたエンジンは、トップブレードに最高出力220馬力を発揮する2リッター直列4気筒ターボが設定され、熟成されたサスペンションセッティングと相まって、走行性能が格段にアップしました。

 しかし、クーペ人気の低迷に加え、スマートな印象だった5代目に対して大型化して丸みを帯びた6代目のボディは不評で、販売は低迷してしまいます。

 1996年のマイナーチェンジでフロントフェイスをシャープなデザインに一新するテコ入れがおこなわれましたが、販売は伸び悩んだまま1999年に7代目へとバトンタッチ。

 ところが、6代目シルビアは優れた走行性能ながら中古車が安いということもあり、生産終了後にチューニングベースとして人気となりました。

●トヨタ「カレン」

洗練されたデザインながらセリカほどの人気とはならなかった「カレン」洗練されたデザインながらセリカほどの人気とはならなかった「カレン」

 トヨタのスペシャリティカーといえば1970年に誕生した初代「セリカ」から始まり、1981年に登場した初代「ソアラ」で確立されました。

 さらに「カローラレビン/スプリンタートレノ」を筆頭に、複数のコンパクトなモデルもラインナップ。そのなかの1台が1994年に登場した「カレン」です。

 カレンは6代目「セリカ」をベースに開発されたモデルで、薄型のコンビネーションランプとフロントグリルによる精悍なフロントフェイスに、1991年に発売された3代目ソアラをオマージュしたようなスタイリッシュなフォルムが特徴。

 トップグレードには最高出力180馬力を発揮するパワフルな2リッター直列4気筒自然吸気の「3S-GE型」を設定し、足まわりでは4輪操舵やフロントには路面追従性に優れた「スーパー・ストラット・サスペンション」が設定されるなど、優れたハンドリングも実現。

 随所にこだわりをもってつくられたカレンは、当初一定の人気を保っていましたが、クーペ人気の低迷を受け、フルモデルチェンジされることなく1999年に一代限りで生産を終えました。

 ちなみにカレンという車名は「時勢の、流行の」を意味する英語「Current(カレント)」から命名されたといいます。

●マツダ「MX-6」

伸びやかなフォルムが印象的ながら出た時期が悪かった「MX-6」伸びやかなフォルムが印象的ながら出た時期が悪かった「MX-6」

 1992年というまさに景気低迷が始まっていた時期に発売されたのが、マツダの新時代スペシャリティカーである「MX-6」です。

 マツダには1990年に発売されたユーノス「コスモ」というスペシャリティカーがありましたが、MX-6はコスモとは大きく路線が異なるモデルとして開発されました。

 外観はロー&ワイドなプロポーションで、かつ伸びやかなフォルムと美しいボディラインが特徴の2ドアクーペで、華やかな印象です。

 搭載されたエンジンは、フォードブランドで販売されていた2代目「プローブ」と同じ、200馬力を発揮するパワフルな2.5リッターV型6気筒と、160馬力の2リッター直列4気筒を設定し、駆動方式はFFの2WDのみ。

 MX-6はエレガントなフォルムにV型6気筒エンジンによる余裕ある走りと豪華な装備で、ライバルに対してアドバンテージを築きましたが、景気低迷の煽りを食うかたちで販売数が伸びることはなく、1995年には生産を終了してしまいました。

■アメリカ生まれの2台のスペシャリティカーとは

●ホンダ3代目「アコードクーペ」

高性能かつスタイリッシュなデザインながらニーズがなかった3代目「アコードクーペ」高性能かつスタイリッシュなデザインながらニーズがなかった3代目「アコードクーペ」

 ホンダは1982年に、他社に先駆けてアメリカで海外生産を開始しており、現地生産第1号車は2代目「アコード」で、現在も北米ではアコードは高い人気を誇っています。

 そして、1988年には初の試みとして、企画・開発・生産をアメリカホンダでおこなったモデル、初代「アコードクーペ」が誕生します。

 アコードクーペは文字どおりアコードセダンをベースにしたスタイリッシュな2ドアクーペで、日本へは左ハンドルのまま輸入車として販売が開始され、アメリカナイズされた内外装から高い人気を誇りました。

 そのままの勢いから1990年には2代目、1994年には3代目へとモデルチェンジ。

 3代目はシリーズ初の3ナンバーボディとなり、その大きなボディを生かしたエレガントなフォルムを実現しており、トップグレードの「SiR」には190馬力を誇る2.2リッター直列4気筒DOHC VTECエンジンを搭載。

 トランスミッションはセダンには5速MTが設定されましたがクーペは4速ATのみで、あくまでもラグジュアリーなモデルというコンセプトでした。

 また、ハンドル位置もSiRは右のみでしたが、「2.2Vi」グレードでは左ハンドルも設定されており、外車信仰の名残といえます。

 しかし日本では人気が低迷し、この3代目をもってアコードクーペの国内販売は終了。北米では7代目まで継続していましたが2018年に生産を終え、消滅してしまいました。

●三菱2代目「エクリプス」

後に、映画に登場したことから人気が再燃した2代目「エクリプス」後に、映画に登場したことから人気が再燃した2代目「エクリプス」

 1989年にアメリカで生産・発売された初代「エクリプス」は、1987年に登場した6代目「ギャラン」をベースに開発した3ドアファストバッククーペです。

 日本は1990年から左ハンドルのまま輸入され、スポーティなフォルムに優れた走りが高く評価されたことに加え、好景気という背景から一定の人気がありました。

 そして1994年には2代目が登場し、日本では1995年に輸入・販売を開始。初代と同じく左ハンドルのみです。

 外観はよりグラマラスで抑揚のある曲面を組み合わせたデザインで、躍動感あふれるフォルムを実現しています。

 北米市場向けは2WDのFFとフルタイム4WDをラインナップしていましたが日本では2WDのみとされ、230馬力を発揮する2リッター直列4気筒DOHCターボを搭載した1グレードのみで、トランスミッションは5速MTと4速ATを設定。

 また、足まわりにはFFながら4輪マルチリンクを採用するなど、優れたコーナリング性能を発揮しました。

 1996年にはソフトトップのオープンモデル「エクリプス スパイダー」が発売され、円高を考慮して284万円(消費税抜き)と安価な価格設定とされて話題となります。

 しかし、初代ほどの人気は獲得できず、1999年に販売を終了。その後2004年にエクリプス スパイダーのみが販売されましたが、短命に終わっています。

 北米では2005年に4代目エクリプスが登場しましたが2012年をもって販売を終了し、歴史に幕を閉じました。

※ ※ ※

 スペシャリティカーの魅力は、なんといっても外観のデザインです。かつて日産「S13型 シルビア」やホンダ3代目「プレリュード」、前述のソアラなどスタイリッシュなモデルが数多くありました。

 現在は高額なモデルが生き残っていますが、若い人には手が出しづらい状況です。さらに一度ミニバンやコンパクトハッチバックの使い勝手の良さを経験すると、もはや2ドアのモデルは趣味のセカンドカー以外で需要はないでしょう。

 これはニーズの変化に他ならないため、今の時代では仕方がないことなのかもしれません。

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