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なぜ軽や小型車のイメージ変わった? 質素から高級志向に移り変わった理由とは

くるまのニュース / 2021年3月31日 7時10分

新車市場において、軽自動車やコンパクトカーは人気モデルです。かつて軽自動車やコンパクトカーといえば、「低価格」「手軽」「安っぽい」「足車(買い物車)」といったイメージがありましたが、なぜ最近では質感向上や高級志向になっているのでしょうか。

■軽自動車やコンパクトカーは、なぜ質感上がった?

 かつて軽自動車やコンパクトカー(5ナンバー車)といえば、「低価格」「手軽」「安っぽい」「足車(買い物車)」といったイメージを持っているユーザーが一定数いました。
 
 しかし、現在の軽自動車やコンパクトカーは「高級感・質感」を高めたモデルが多くなってきています。なぜ、これまで3ナンバー車などに求められていた高級感や質感を盛り込むようになったのでしょうか。

 軽自動車は日本独自の規格として、「長さ3.40m、幅1.48m、高さ2.00m、排気量0.660L」と定められています。

 一方でコンパクトカー(小型乗用車/5ナンバー車)は「長さ4.70m、幅 1.70m、高さ2.00m、排気量2.00L」で、この数値をひとつでも超えたものが普通乗用車です。

 かつて、軽自動車は車両価格や税制面が普通車よりも安価に抑えられていた反面、安全面を不安視している声がありました。

 また、現在も同一ですが排気量が660ccと非力なことから近場の移動がメインとされ、最低限の装備やシンプルな内装を採用するモデルが多くありました。

 同様にコンパクトカーも軽自動車より排気量は大きいものの、使い勝手としては軽自動車に類似しており、基本的には質素なモデルが多数存在。

 このことから、軽自動車やコンパクトカーに対して冒頭のようなイメージを持っている人が多かったのです。

 しかし、最近の軽自動車やコンパクトカーは安全・機能・快適といった機能面では大きく向上しており、同時に軽自動車の魅力ともいえた車両価格は上昇傾向にあります。

 そうしたなかでも軽自動車の新車市場におけるシェアは年々増加して、現在では約37%を占めるほどに成長しています。

 最近の軽自動車市場について、日本一売れているホンダ「N-BOX」の開発責任者・宮本渉氏は次のように話しています。

「昨今、軽自動車が国内市場のなかで大きなボリュ-ムを占めて来ています。

 また、200万円に近い、またはそれを超える価格の軽自動車も、ある一定の販売台数を占めています。

 その背景の主な要因として、次のものが挙げられます。

 ・税金恩恵、燃費性能、(普通車並みのクルマもある)価格、経済性
 ・質感、装備の改善、基本性能の向上
 ・軽自動車とは思えない室内空間
 ・普通車と同等の安全装備の装着

 今後もこれらの要素は、引き続き軽自動車のなかでは重視点になると思います」

※ ※ ※

 宮本氏が述べるように、軽自動車がもつ従来のメリットとこれまでの普通車が持つメリット(装備や質感など)が合わさることでシェアを伸ばしたといえます。

 こうしたさまざまな要因があり、かつてのイメージから脱却した軽自動車はいまや日本の新車市場になくてはならない存在となったのです。

■なぜコンパクトカーも高級志向になってきたのか?

 軽自動車がそれまでのイメージや枠を超えた性能・機能を有することで、販売台数を伸ばしてきましたが、それによりメリットや個性を訴求しづらくなっているのがコンパクトカーです。

 これまでのコンパクトカーは、軽自動車よりも上で3ナンバー車よりも下という明確な立ち位置が存在しました。

 しかし、前述のように軽自動車全体のイメージが向上することでコンパクトカーの層が狭くなっているといえます。

 実際に、2020年の販売台数TOP5を見ると以下の通りです。

 ・1位 ホンダ「N-BOX」:19万5984台
 ・2位 トヨタ「ヤリス」:15万1766台
 ・3位 スズキ「スペーシア」:13万9851台
 ・4位 ダイハツ「タント」:12万9680台
 ・5位 トヨタ「ライズ」:12万6038台

 2020年は新型コロナウイルスの影響もあり、全体的に販売台数を落としているものの、TOP5にN-BOX、スペーシア、タントの軽自動車と、ヤリスとライズのコンパクトカーがランクインしています。

 このなかで、軽自動車の3台は標準・カスタムといった外観デザインが異なるグレードを設定。

 またヤリスは、モデルが異なる「ヤリスクロス」や「GRヤリス」を含んだ台数のため、純粋なヤリス単体では11万5300台となり、TOP5にはランクインしません。

 このように新車市場全体で見ると、軽自動車の勢いがあるように見えますが、実際の販売店ではどのような状況なのでしょうか。

 トヨタの販売店では、次のように話しています。

「トヨタでは、軽自動車も販売をしていますが、お客さまのニーズがヤリス以上のモデルとなります。

 また、ヤリスは139万円からと軽自動車同等の価格設定や、世界トップクラスの燃費性能を誇ります。

 そのため、軽自動車からアップグレードする人や3ナンバー車からダウンサイジングする人から評価されています。

 とくに高齢層のお客さまからは、『ボディサイズを小さくしたい』という要望を頂くことがあり、そのようなお客さまにはヤリスやライズといったモデルが人気です」

コンパクトカーは新たな立ち位置を確率し始めている?(画像はトヨタ・ヤリス)コンパクトカーは新たな立ち位置を確率し始めている?(画像はトヨタ・ヤリス)

 また、ホンダの販売店では次のように話しています。

「ホンダではN-BOXシリーズやフィットがお客さまから支持されています。

 N-BOXは長年売れている軽自動車でもあり、安定した販売台数を維持しています。

 そのなかで、2020年末のマイナーチェンジでは性能・機能が向上したほかに質感の向上に力を入れており、さらに幅広いお客さまに関心をもって頂きたいです。

 一方のフィットは、2020年2月にフルモデルチェンジをおこない、個性の異なる5タイプをラインナップしており、なかでもリュクスという高級志向のタイプでは、3ナンバー車から乗り換えるお客さまでも違和感のない質感です」

※ ※ ※

 これらのように、かつては移動手段としての用途がメインだった軽自動車やコンパクトカーですが、最近では趣味の多様化や個性の主張といった部分で従来のイメージを覆したモデルが多くなっています。

 また、2020年12月に発売された日産新型「ノート」には、高級感を付与した派生モデルが登場するといわれており、今後も軽自動車やコンパクトカーにおける「質感の向上」は続くようです。

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