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トヨタ「ランクル78」が命を救う! 国産ワクチン輸送車が世界初のWHO認証取得 なぜ2018年開発開始?

くるまのニュース / 2021年4月3日 16時10分

豊田通商は、トヨタやビーメディカルシステムズと共同開発したワクチン保冷輸送車が、世界保健機関(WHO)の医療機材品質認証(PQS認証)をワクチン保冷輸送車として世界で初めて取得したと2021年3月31日に発表しました。ベース車両に「ランドクルーザー78」(ランクル78)が選ばれましたが、どのような経緯で開発されたのでしょうか。

■トヨタ「ランドクルーザー78」が選定された理由とは?

 豊田通商は、トヨタとビーメディカルシステムズを含む3社が協業するワクチン保冷輸送車に関して、世界保健機関(WHO)の医療機材品質認証(PQS:Performance・Quality・Safety)を2021年3月に取得したと同月31日に発表しました。

 ワクチン保冷輸送車でのPQS取得は世界初で、ベース車両はトヨタ「ランドクルーザー78」が選定されています。ランドクルーザーシリーズのワクチン保冷輸送車は、どのような経緯で開発されたのでしょうか。

 ワクチン保冷輸送車のベースとして採用されたランドクルーザー78は、「ランドクルーザー70系」のうちのひとつで、兵員輸送にも対応するトゥループキャリアと呼ばれるモデルです。

 ランドクルーザー70系には、ほかに「ランドクルーザー76」(セミロング)や「ランドクルーザー79」(Wキャブピックアップ)などがあります。

 ベース車両としてランドクルーザー70系が選定された要因は、ひとつはランドクルーザーならではの優れた信頼性と悪路走破性を持つ点、もうひとつは国際機関も含めて世界各国で活用されている点が評価されたということです。

 そして、豊田通商・トヨタ・ビーメディカルシステムズの3社がランドクルーザー78をベースに開発したワクチン保冷輸送車は、ボディ後部にワクチン専用冷蔵庫「B Medical CF850」を装備。

 ワクチンパッケージ400個分(396リッター)の容量を持ち、冷蔵庫用の独立バッテリーを搭載していることから、電源が無くても約16時間の稼動が可能です。走行中は車両から充電し、駐車中は外部電源から充電できます。

 認証登録会社は豊田通商で、ワクチン保冷輸送車への架装は、豊田通商グループのCFAO SASとトヨタグループのトヨタカスタマイジング&ディベロップメントが担当します。

 ワクチン保冷輸送車はもともと、途上国での新生児用ワクチン輸送車両として2018年に開発が開始されました。

 新生児用のワクチンは2℃から8℃程度での保管が必要ですが、開発の途中に世界で新型コロナウイルスの感染が拡大。

 アストラゼネカやジョンソン・エンド・ジョンソンの新型コロナウイルスワクチンの保管温度が新生児用ワクチンと同じだったことから、今回の取り組みに至ったといいます。

 PQSは、WHO認可による医療機材の認証制度で、つまりPQS認証はWHOのお墨付きを意味します。PQS認証があることで、現地で活動する医療団体にとっても医療機材が使いやすくなるということです。

※ ※ ※

 新型コロナウイルスワクチンについては、早期の実用化を目指し、国内企業も精力的に研究開発を進めているものの、2021年4月現在国産ワクチンは実用化されていません。

 一方、途上国の医療を支えるうえで重要な高い信頼性と悪路走破性を兼ね備えたクルマを、新型コロナウイルス対策に供給できるという点は、グローバルヘルスに関わる輸送分野で日本が世界に貢献でき、またイニシアチブを発揮することができます。

 豊田通商は世界初となるワクチン保冷輸送車のPQS取得で地域の安全と安心に貢献できるよう、今後もトヨタやビーメディカルシステムズと共同で取り組みを続けていくと説明しています。

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