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300台目はまっ黒くろすけ! ブラックで統一したブガッティ「シロン・ピュールスポール」とは

くるまのニュース / 2021年4月5日 19時10分

ブガッティ「シロン」の生産がついに300台に達成した。記念すべき300台目は、内外装ともに「黒」でコーディネートした玄人好みの1台であった。

■特別オーダーの「ピュールスポール」とは?

 2021年3月上旬、フランス・モールスハイムのブガッティ・オトモビルS.A.S.社は、現行ラインナップにおける基幹モデル「シロン(Chiron)」の生産が300台に到達したことを発表。同時に、300台目となった「シロン・ピュールスポール(Pur Sport:英語読みではピュアスポーツ)」の概要についても明らかにした。

●シロンの生産、ついに300台達成!

 1931年のモナコ・グランプリにおける優勝を皮切りに、第二次大戦前におけるブガッティのエースドライバーとして名を馳せた名レーサー、ルイ・シロン(Louis Chiron)の名を与えられたブガッティ「シロン」は、2016年のデビュー以来、世界限定500台といわれる生産を着々と重ね、このほど300台目の節目を迎えることになった。

 300台目のシロンとして、アルザス地方モールスハイムのアトリエから送り出されたのは、昨年追加デビューしたばかりの「シロン・ピュールスポール」である。

 この「特別な瞬間」に際して、ブガッティ・オトモビル社のステファン・ヴィンケルマン会長は、以下のコメントを発した。

「ブガッティは世界でもっとも並外れて、もっともパワフルで、もっともエレガントなハイパースポーツカーといえるでしょう。シロンは現時点で300台が生産されており、私たちの商品のクオリティとカスタマイズ能力を示しています。

 そして『シロン・ピュールスポール』は、お客様に極上のドライビング体験を提供することを保証いたします。優れた職人技だけでなく、持ち前の信じられないほどの運転性能に加えて、最高のエンジニアリングとデザインスキルを兼ね備えています」

 通算300台目にあたるシロン・ピュールスポールを特注したカスタマーは、生粋のブガッティ愛好家であるという。オーダーにあたり、ディテールに至るまで極めて子細なカスタマイズを依頼した。

 彼は、自身の新たな愛車となるシロン・ピュールスポールのメインカラーとして、闇夜のごとき「ノクターン(Nocturne)」を選択。ドアミラーアーム/ミラーハウジングやワイパー、今も昔もブガッティ・スタイルの象徴である馬蹄型ラジエーターグリル、そしてリアウイングは「グレー・カーボン(Grey Carbon)」とした一方で、ブガッティのロゴはエレガントな「グリ・ラファール(Gris Rafale)」で輝かせることを希望した。

 また、こちらもブガッティのアイコンであるボディサイドの「Cライン」とテールライトベゼルとホイールは、ダークなペイントワークを際立たせる「ガンパウダー(Gun Powder)」仕上げ。

 さらに、W16クワッドターボエンジンを覆うエンジンカバーは、非常に軽いカーボンファイバー製フードをセレクトした。

 インテリアについても、今回のオーダー主は落ち着いた本革レザー「ベルーガ・ブラック(Beluga Black)」の「ピュールスポール・インテリアパッケージ」を選び、外装のエンブレムと同じくグリ・ラファールのステッチが美しいコントラストをなす、アルカンターラとのコンビとした。

 そしてブガッティの開祖エットーレの弟である彫刻家、レンブラント・ブガッティが1920年代に「T41ロワイヤル」のため製作した有名なフードマスコットへのオマージュとして、シートのヘッドレストには「ダンシングエレファント(Dancing Elephant:踊る象)」が掲げられている。

■それぞれが唯一無二、名門ブガッティのハイパーカーたち

 通算300台目のブガッティ・シロンとなったシロン・ピュールスポールのオーダー主は、2名の乗員にオープンスカイの視界を提供するオプション「スカイビュー」を選んだが、残念ながらドライバーは運転中に上の景色を楽しむ時間などほとんどないに違いない。ブガッティはあくまで敏捷性とハンドリング、パフォーマンスのためにピュールスポールを開発したからだ。

●シロン・ピュールスポールはハンドリングマシンだ

「シロン・ピュールスポール」のメインカラーは、闇夜のごとき「ノクターン(Nocturne)」を選択「シロン・ピュールスポール」のメインカラーは、闇夜のごとき「ノクターン(Nocturne)」を選択

 グリップのために最適化されたタイヤ、および固定式とされたリアウイングによる洗練されたエアロダイナミクスにより、より多くのダウンフォースと横方向の運動性が保証されるという。

 また4輪を駆動するパワートレインは、シロン用と同じく8リッターW16+4ターボエンジンで、最高出力1500ps/最大トルク1600Nm。ただしピュールスポールでは若干高回転型とされ、最大6900rpmで最高出力を発揮するセッティングに再チューンが施されている。

 そして50kgの軽量化にくわえて、ドライブトレインのギアレシオを15%低めたことから、シロン・ピュールスポールの加速性能は元より超絶的な速さを誇る標準型シロンよりもさらにアップ。

 スタートから2.3秒で100km/h、5.5秒で200km/h、12秒以下で300km/hに到達すると謳われている。ただ、最高速度では400km/h超を達成したシロンには及ばない350km/h(リミッターによる制限)に留まるものの、その理由はブガッティ曰く「lateral acceleration(横方向の加速)」、つまり最強のハンドリングマシンとして開発されたからである。

 このシロン・ピュールスポールは、2020年秋からアルザス地方モールスハイムにある「アトリエ(工房)」にて、すでに生産がスタートしている。

 車両本体価格300万ユーロ(約4億円)からという単価で60台のみがモールスハイムのスタッフたちの手で製造されることになっており、2021年中にその大部分がオーダー主のもとにデリバリーされる予定とのことである。

 現在モールスハイムのアトリエでは、シロン/シロン・ピュールスポールにくわえて、世界限定40台の「ディーヴォ(Divo)」や同じく世界限定10台といわれる「チェントディエチ(CentoDieci)」の製作もおこなわれ、2021年現在における世界でもっとも高級かつもっとも高価なクルマの生まれ故郷として認知されている。

 これら超弩級モデルたちは、現代のブガッティが伝説的な高級自動車ブランドの復活に相応しい、ハイパースポーツカーの開発に成功したことを証明している。

 もちろん、総計500台がシリーズ生産される予定のシロンであっても、ライバルを圧するほどにユニークな存在であり、それぞれが独自のクラスを築き上げたハイパースポーツカーであることは認めねばなるまい。

 そして、今回ラインオフが伝えられたシロン・ピュールスポールも、これから誕生するであろう残り200台のシロンたちも、それぞれにカスタマイズが施された「唯一無二」の存在となるのは間違いないのである。

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