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超高性能ワゴンの代名詞 アウディ改良新型「RS6アバント」はどう進化? RSモデルの特徴とは

くるまのニュース / 2021年5月6日 20時10分

2020年11月にマイナーチェンジしたアウディ新型「RS6 AVANT(RS6アバント)」。600ps・800Nmを発生する4リッターV8ツインターボエンジンを搭載、8速ATを組み合わせたスポーツモデルながら、48Vマイルドハイブリッドやシリンダーオンデマンドなどを採用し効率化も図っている。そんなRS6アバントの魅力に迫る。

■アウディ「RSモデル」は超高性能ワゴンボディ+クワトロから始まった

 今回紹介するアウディ「RS6アバント」、先に申し上げておきますとメチャクチャ高くてメチャクチャ速いワゴンです。

 どのくらい価格が高いかというと、なんと1764万円。郊外ならちょっとしたワンルームマンションが買えそうです。しかも、速い。ちなみにアウディのRSモデルは、メルセデス・ベンツでいえばAMG、BMWでいえばM(最近はMハイパフォーマンスモデルと呼ぶようになった)に匹敵するくらいの超高性能スポーツモデルです。

 AMGやM並みの速さと聞くと、扱いづらかったり使い勝手が悪かったりするんじゃないかと思いますが、これが大違い。じつは、この手の超高性能モデルも最近はどんどん乗り心地が良くなっているんですが、この点についていえばアウディRSモデルはパイオニア的存在。

 私は幸運にも元祖RSモデルである1994年製の「RS2アバント」に試乗したことがありますが、その乗り心地は驚くほどまろやか。この時代の高性能ターボエンジンというと、回転が上がったところで急にパワーがあふれ出す“どっかんターボ”を思い起こす人もいるかもしれませんが、RS2アバントは低回転域でもよく粘って、とても扱いやすいエンジンでした。

1994年に登場したアウディ「RS2アバント」1994年に登場したアウディ「RS2アバント」

 しかも、RS2アバントは、その名のとおりワゴンボディ。なにが「その名のとおり」かというと、アウディはワゴンのことを伝統的に「アバント」と呼んでいるんですね。スポーティなハッチバックモデルのことを「スポーツバック」と呼ぶのと同じ感覚だと思っていただければいいでしょう。

 いまでこそ、超高性能モデルのワゴン版もちょこちょこ登場していますが、30年近くも昔の当時は超レアな存在。しかも、アウディはRSモデルの第1弾としてワゴンを投入したんです。「セダンも同時発売」とかではなく、アバント一本です。

 荷物がたくさん積めるアバントを記念すべきRSモデルの一作目に選んだところにも、アウディの考え方がよく表れていると思います。

 そしてトドメがクワトロであること。じつは初代RS2アバント以来、すべてのRSモデルがフルタイム4WDのクワトロを採用しているんです。

 それまではオフロード車用の技術と思われていた4WDを初めて「オンロード車の安全性とパフォーマンスを高めるため」に用いたのがアウディだったことは広く知られています。だから超高性能版のRSモデルにもクワトロを採用するのは当然のことですが、おかげでRSモデルは安全で速いだけでなく、雪道もへっちゃらという走破性を手に入れました。これも、RSモデルの特徴といって間違いないでしょう。

■エアサス標準装備でしなやかな乗り心地と俊敏さを両立

 そんな万能型超高性能モデルのRS6アバントが、先ごろフルモデルチェンジを受けました。

アウディ改良新型「RS6アバント」の走りアウディ改良新型「RS6アバント」の走り

 その最大の話題は、エアサスペンションが標準装備されたこと。じつはヨーロッパでは以前からエアサスペンションが標準装備だったのですが、日本仕様は本国でオプション扱いのDRCというスポーツサスペンションしか選べませんでした。

 このDRC、走りはいいんですが乗り心地が硬くて、RSモデルの万能性を少しスポイルしちゃっていたんですね。それが、日本でもエアサスペンションが選べるようになったわけですから、私としては大感激といったところです。

 そして、乗ってみるとこれが期待以上に乗り心地がいい。

 RSモデルでない普通のA6も、最新型はものすごく足回りがしなやかで快適性が高まっているのですが、このRS6もしっかりとその血筋を受け継いでいる感じです。もっとも、305km/hスケールのスピードリミッターがオプション設定(つまり実力的には簡単に305km/hが出せるということ)されているRS6ですから、A6に比べたら乗り心地は少しソリッドというかしっかり感が強まっています。

 それでも段差を乗り越えてもガツンとこないし、ウネウネとした上下動が続く道を走ってもボディが激しく上下に揺さぶられることはありません。50歳代以上の人なら「そうそう、ドイツ車って乗り心地が少し硬めで、そこがいいんだよねえ」と懐かしくなっちゃうくらいの乗り心地です。

 でも、普段はしなやかなのに、ワインディングロードでは俊敏なレスポンスと圧倒的な安定感を生み出してくれるところがRSマジック。タイヤの負担を均等に分散させることで、結果的にコーナリング性能を高めてくれるクワトロの効果もあって、安心感はバツグン。本当によくできたクルマです。

 ちなみに、私は先ほど「DRCの乗り心地は硬い」と書きましたが、それは旧型までの話で、新型はこの点でも大幅に進化していますのでご安心ください。

 4リッターV型8気筒ツインターボエンジンの最高出力は600psで最大トルクは800Nm。はっきりいって、パワーは普通のA4のおよそ6台分、トルクは約3台分ですから、遅いはずがありません。

 しかも、レスポンスが鋭くて痛快。一方で、全開にしてもエンジン音はそれほどうるさくならないので、近所迷惑を心配する必要もなさそうです。

 車内はキャビンもトランクルームも広々で、まさに何にでも使えそう。しかも、内外装の作り込みのよさでは世界的に高く評価されているアウディですから、インテリアの質感も文句なし。まさに、どこからどう見ても弱点なしの万能超高性能スポーツワゴンです。

アウディ改良新型「RS6アバント」のインパネ。試乗車はオプションのBang&Olfsen 3Dアドバンストサウンドシステム(78万円)を装備アウディ改良新型「RS6アバント」のインパネ。試乗車はオプションのBang&Olfsen 3Dアドバンストサウンドシステム(78万円)を装備

Audi RS6 Avant
アウディRS6アバント

・車両価格(消費税込):1764万円
・オプション込み試乗車車両価格(消費税込):2140万円
・全長:4995mm
・全幅:1960mm
・全高:1485mm
・ホイールベース:2925mm
・車両重量:2200kg
・エンジン形式:V型8気筒DOHCツインターボ
・排気量:3996cc
・駆動方式:4WD
・変速機:8速AT
・最高出力:600ps/6000−6250rpm
・最大トルク:800Nm/2050−4500rpm
・WLTCモード燃費:7.6km/L

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