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なぜ後方カメラ義務化? 法改正に向け動きも 来年5月の施行目指す背景とは

くるまのニュース / 2021年4月8日 9時10分

国土交通省は2021年4月1日、自動車の後方部分に装着するカメラやセンサーを義務化する方針を明らかにしました。衝突被害軽減ブレーキやオートライトなどに続く安全機能の義務化となります。今回の後方カメラ装着を義務化する理由とはどのようなものがあるのでしょうか。

■衝突被害軽減ブレーキ、オートライトに続き、後方カメラも義務化か

 2021年4月1日、国土交通省は自動車の後方部分にカメラやセンサーを装着することを義務化する方針を明かしました。

 近年では、衝突被害軽減ブレーキやオートライトなど安全に寄与するさまざまな機能が義務化されていますが、今回の後方カメラやセンサーはどのような経緯で義務化されるのでしょうか。

 今回の後方カメラやセンサーに関する内容は、国連自動車基準調和世界フォーラム(WP29)で「後退時車両直後確認装置に係る協定規則」が新たに採択されたことをうけて2021年3月30日に開かれた「令和2年度第3回車両安全対策検討会」にて検討されました。

 改正案としては、自動車の後退時に発生する事故に対する安全対策の強化のため、後退時車両直後確認装置(後方カメラ、検知システムまたはミラー)を車両に備えるというもの。

 適用範囲は、二輪自動車、側車付自動車、三輪自動車、カタピラ及びそりを有する軽自動車などに加え、バックミラーの装置を備えることができない車両を除く、自動車が対象です。

 主な要件としては、車両直後のエリア内の障害物を確認できること、確認手段はカメラ、検知システム又はミラーによることとされています。

 法改正時期の予定は2021年6月上旬とされ、適用時期は新型車が2022年5月、継続生産車は2024年5月と予定されています。

 この改正案について、2021年4月1日から5月1日までの期間、国土交通省のパブリックコメントにて意見を募集しています。

 今回の後方の安全システムの義務化について、国土交通省の担当者は以下のように話します。

「後方安全システムの義務化について、駐車場での後退時に子どもやお年寄りを死傷させてしまう事故を減らすことが目的で、導入の検討が開始されました。

 今回、さまざまなメディアでニュースとなっているのは、装備の導入にあたり告示したパブリックコメント募集についてです。

 そのため、国土交通省からの公式発表はまだおこなっておりません。

 現在はパブリックコメントを募集しているので、さまざまな意見を取り入れながら法改正の準備を進め、新型車に関しては2022年5月を目処に施行する予定となっています」

※ ※ ※

 今回の報道では、あくまで国土交通省の公式発表ではないものの、後方カメラ、ミラーの取り付けを義務化する規定について、準備が進められているようです。

 また、改正案では後方に取り付ける装置について、後方カメラ、検知システム又はミラーのどちらかの取り付けが定められていますが、両方ではなく、なぜ「いずれか」の装着と定められたのでしょうか。

 前出の担当者は、次のように説明しています。

「バックカメラとセンサーの両方を装着したほうがより安全といえますが、クルマによっては後方カメラを装着できない車種があります。

 後方カメラを装着するためには、カメラ映像を映し出すモニターの装着が必須です。

 多くのクルマにモニターを装着できるスペースはありますが、モニターやカメラを装着することによって、車両価格が値上がりしてしまう可能性があります。

 購入費用の負担を抑えるためにも、カメラまたはセンサーのどちらか一方を装着するという改正案となっています」

■国土交通省の方針は、販売店に影響ある?

 国土交通省による、後方カメラまたはセンサーの義務化により各自動車メーカーに影響はあるのでしょうか。

 あるトヨタ販売店の営業担当者は、以下のように話します。

「現時点で会社からの通達がなく、販売店としての対応は未定です。ただし、新型車が対象であるため、法改正による大がかりな対策はしないと思います」

 また、日産販売店の営業担当者は次のように話します。

「新型車から対応されるとのことなので、販売店としての対応に大きな変更はありません。お客さまから後方カメラやセンサーの取り付けの要望があれば対応します」

 そして、ホンダ販売店の営業担当は、以下のように話します。

「国土交通省からの通達が来ていないので現時点で対応するかどうかといったことはわかりません。

 通達があれば、販売店として何らかの対応をするはずですが、法改正の内容も未定であるため、今の段階で何か準備するということもできないです」

最近では、後方視界だけでなく助手席側の死角を映す機能も設定されていることがある最近では、後方視界だけでなく助手席側の死角を映す機能も設定されていることがある

 規定として、適用時期は、新型車は2022年5月、継続生産車は2024年5月と、新型車は1年、継続生産車には3年ほどの猶予があるため、今後の対策についての動きは現時点では少ないといえます。

 また、現段階ではパブリックコメント募集についての報道のため、法改正の具体的な装着の指定や内容、施行時期が明らかとなっていません。

 そのため、販売店が法改正に向けた準備を始められないのが実情といえるでしょう。

 2021年6月の改正内容の決定後、各自動車メーカーによって対策などの動きが見られるかもしれません。

※ ※ ※

 今後、自動車に後方カメラの取り付けが義務づけられることで、今以上に安全機能が向上されるといえます。

 ニュースなどでは、親族が運転する自動車が後退する際に、後方の死角部分にいた子どもを轢いてしまうという事故も見受けられます。

 最近の新型車では、一部車種では標準、またはオプション設定されている後方部のカメラやセンサーなどが義務化されることで、より安全な交通社会を目指すことができるかもしれません。

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