超新型「オービス」導入か 阪神高速で目撃多数! 「半固定式移動オービス」の正体とは
くるまのニュース / 2021年4月7日 9時10分
2021年3月以降にまったく新しい移動式オービスの目撃例が阪神高速にて多発しています。従来のオービスは、固定式と移動式の2種類となっていますが、新たに目撃された「半固定式移動オービス」は両方のメリットを併せ持っているといいます。どのようなオービスなのでしょうか。
■阪神高速神戸線に設置されたナゾの金属箱
最近、移動式(可搬式)オービスは急速な勢いで普及が進んでいますが、2021年3月以降にまったく新しい移動式オービスの目撃例が阪神高速にて多発しています。この「まったく新しい」とは、どのようなタイプのオービスなのでしょうか。
速度違反自動取締装置(通称:オービス)には大きく分けて固定式と移動式の2種類があります。
固定式は高速道路や自動車専用道路、幹線道路に設置されることが多いのですが、かなり大がかりな装置となり、一度設置したらその場所で数十年は運用されるのが一般的です。
警察官による取締まりではないので手間はかかりませんが、その分、ドライバーに場所を覚えられてしまうというデメリットがあります。
これに対して移動式オービスは、2016年から全国で普及が始まっているタイプの取締り装置で、通称「ネズミ捕り」式の装備と同様の大きさでありながら、違反車両を自動的にカメラで撮影し、その写真と違反を知らせる書類が車両が登録されている住所に送られてくるというものです。
場所を頻繁に変えながら少ない人数で、狭い場所でも取締りができるという大きなメリットがあります。
そんななか、前述のとおり、3月以降にまったく新しいタイプの移動オービスの目撃例が相次いでいるのです。
全国のオービス設置や取締りに関する情報をリアルタイムに配信するアプリ「オービスガイド」に以下の目撃情報が寄せられたことが始まりです。
「阪神高速神戸線の非常駐車帯に見慣れない金属箱が設置してあった。『監視カメラ作動中』というプレートが貼り付けられていた」
この目撃情報について、オービスガイドを主宰する有限会社パソヤの大須賀克巳氏によると、
「私は日本全国にあるすべてのオービスを現地で調査してきましたが、この形は初めて見ます。
当初、高速道路の管理会社などが設置した機器か何かと思っていましたが、『監視カメラ作動中』のプレートというものが気になりました。
送られてきた写真に写っている機器を見てみると金属カバーの取り付け方や角の処理、開閉レバーの形状、金網や吊り下げ金具など、オービス製造会社であるTKK社の製品に見られる特徴が随所に出ていました。
金網に窓がありますが、ここにカメラや計測器、ストロボなどが付くのかもしれません」
設置されている場所は、阪神高速神戸線東行きの大阪に近い場所ですが、このあたりは頻繁に「自動速度取締り実施中」の掲示が出てきます。
神戸線東行きを大阪市内方面へ向かって走ると、大和田出口を通過して少し走ったところに、以前からある古いタイプのレーダー式オービスがあり、その直後の非常駐車帯に「半固定式」オービスの土台が設置されていることが確認できました。
前出の大須賀氏は、「半固定式」の意味を以下のように話してくれました。
「著名な交通ジャーナリストが書いた記事のことを思い出しました。
その新しいオービスというのはあらかじめ電源部や回線部などの基礎を路肩などに設置しておき、そこに比較的コンパクトなオービス本体を載せて取締りをおこなうものです。
特徴として電源などのベース部分は数か所設置しておき、定期的にカメラ部分含むオービス本体を移動させていくようです。確かにこれは画期的です。
阪神高速に設置してある従来の固定式オービスが老朽化していることもあり、世代交代を行う観点からも半固定式は有効でしょう。
例えば、半固定式オービスの本体が1台しかなかったとしても、阪神高速内に土台が設置してある場所が20か所あるとすれば、ドライバーは『取締りをやっているかもしれない』と思い、その20か所すべてで速度を落として走行するでしょう」
※ ※ ※
新しい半固定式オービスは、いわば、固定式と移動式の「いいとこどり」をした取締り装置だといえそうです。
実際、ベースは金属の大きな箱でもあり、その手前には「速度取締り」の警告看板が多数設置されているので、比較的わかりやすいといえますが、実際にその金属箱のなかにオービス本体がセットされて取締りがおこなわれているのかどうかはかなりわかりにくいのです。
そこで、念のため多くのドライバーは速度を落として走るわけで、結果的に安全な交通環境につながると期待できます。
■半固定式オービスは、やがて首都高にも導入される?
前出の大須賀氏によると、「このベース部分がすぐにでも設置できる場所は数十か所確認できました。そしておそらく、ベース部にもクレーン用の吊り下げ金具があるので、ベース部分そのものも移動していくと思われます」といいます。
オービスの土台となるベース部分(電源や回線が入っている)も移動する可能性があるようです。
クレーンが必要となるため、頻繁に変えることはできないにしても、一定期間でベース部分を移動させて取締りがおこなわれるかもしれません。
そして阪神高速だけではなく、近い将来首都高にこのタイプのオービスが導入される可能性も十分にありそうです。
首都高で目撃されたカメラなど装置が設置されている様子(提供:オービスガイド)
阪神高速環状線を中心とした「環状族」、首都高の「ルーレット族」はともに、コロナ禍で活動が活発になった「違法競走型暴走族」に該当します。
首都高では2020年4月以降、移動オービスによる速度取締まりや、ルーレット族に起因する事故防止のため、芝浦や辰巳第一などのPAを夜間閉鎖するなどの措置をとってきました。
現在のところ、首都高での「半固定式オービス」は目撃されていませんが、阪神高速での運用がうまくいけば首都高速への設置も十分に予想できます。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「道路脇のカメラ」なんの意味? 警察が「ニセモノのオービス」を設置! 本物じゃないの? でも抑止力抜群? SNSでは「バラしたら意味ない」の声も! 青森県に初導入
くるまのニュース / 2024年12月19日 12時5分
-
70万ダウンロード突破のパイオニアナビアプリ「COCCHi」 最新アップデートでスケジュール管理に役立つ「仕事オプション」追加
くるまのニュース / 2024年12月17日 23時10分
-
カー用品ブランドMAXWINからポータブルナビ『道-Route-』シリーズ2025年版最新地図搭載の7インチモデルが登場!
PR TIMES / 2024年12月16日 12時15分
-
「彼女の家に早く行きたくて…」“迷惑男3人組”が恋人に逢うため「60キロ超過」で逮捕! ガチ恋男たちが「ナンバー外してスピード違反」 どうやって検挙? 元警察官が解説
くるまのニュース / 2024年11月28日 12時0分
-
旅行中に「オービス」が反応し、自宅から「100キロ以上」離れた警察署から「出頭依頼」が来ました。遠くて行けない場合はどうすればよいのでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月25日 10時0分
ランキング
-
1「1秒でも早く車内を暖かく!」いい方法はある? 車内の極寒を事前に防ぐ「画期的システム」とは? さらに「冬の窓曇り」を対処する方法とは
くるまのニュース / 2024年12月19日 16時40分
-
25000円以下で買える高コスパな「A4サイズ対応トートバッグ」【2024年12月版】
Fav-Log by ITmedia / 2024年12月19日 12時15分
-
3ロシア軍いよいよ限界か?「ソ連の遺産」を食いつぶしたことが衛星画像で明らかに 英国防省が分析
乗りものニュース / 2024年12月19日 12時32分
-
4“妻が不倫に走りやすい夫婦”の特徴。「専業主婦」と「共働き」で大きく分かれる価値観。「物足りない」と思われる夫の例も
日刊SPA! / 2024年12月19日 15時48分
-
5〈年賀状じまいに後悔の声〉「生死わからなくなった」「知人との関係が途切れた」年1回85円で維持できる関係を見直す向きも
集英社オンライン / 2024年12月19日 8時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください