約1600万円で落札! 日本のチューナーRWBのオバフェン「911」とは
くるまのニュース / 2021年4月11日 11時10分
ポルシェにド派手なオーバーフェンダーを取り付けたスタイルで一躍有名になった「RWB」がカスタムした「911」は、欧州のオークション・マーケットで価値が認められるのか、最新オークション結果を検証してみよう。
■日本発のポルシェのカスタムは、世界で認められるのか?
ポルシェのオーナーなら、中井啓氏のことを知っている人は多いだろう。RWBで有名な中井氏である。
ドリフトドライバーとして「AE86」で活躍していた中井氏は、当時からメカニックとしても有能な存在だった。そんな中井氏が出会ってしまったのが、空冷エンジンを搭載したポルシェだった。
空冷ポルシェに魅了された中井氏は、千葉県柏市「RWB(RAUH Welt BEGRIFF)」というショップを立ち上げることになる。ショップ名のRWBは、ドリフト時代のチーム名である「ROUGH WORLD(ラフ・ワールド)」から得たもの。「ラフ・ヴェルト・ベグリフ」というドイツ語は、英訳すればラフ・ワールド・コンセプトとなる。
●1992 ポルシェ「911カレラ4クーペ by RWB」
RWBが手がけるポルシェは、圧倒的なワイドフェンダーがシンボルである。そして日本だけにとどまらず、アジア、米国、ヨーロッパなど世界中から注目を浴びることとなる。
現在では世界10か国に拠点を持ち、中井氏は世界中を飛び回って顧客のためのワンオフマシン製作を続けている。
RWBのマシンは、キットではなくワンオフ製作されたものであるというのが特徴だ。オーナーが中井氏にリクエストを出し、より速く、よりかっこよくするためのアイディアをすり合わせし、そのオーナーにもっとも適したポルシェをつくり上げることが信条となる。
マシンの仕上げには、中井氏自身がテストドライブをしてセッティングを微調整するというこだわりようだ。
そのため、仮にいまオーダーしたとしても、完成するまでには相当な時間が掛かることになる。とくに空冷エンジンのポルシェの価格が高騰し始めてからは、バックオーダーが増えているという噂だ。
スタイルだけではなく、エンジンやサスペンションなどのチューニングも含めたRWBというマシンは、唯一無二の存在。その価値を認めた世界中のポルシェオーナーが、いまも自分だけのRWBの完成を待っているのだ。
■日本人チューナーがオークション・マーケットで認められた
2021年3月下旬に開催されたRMサザビーズのオークションに登場した1台のポルシェは、RWBがドイツ人オーナーのために2017年に制作した車両である。
●1992 ポルシェ「911カレラ4クーペ by RWB」
ドイツ人オーナーのためにRWBが2017年に制作したポルシェ「911カレラ4クーペ」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
ベースとなったのは、1992年式の964型「911カレラ4」だ。3.6リッター水平対向6気筒空冷エンジンはオーバーホールされ、ターボチャージャーとインタークーラーを装着。
ボディはロールケージが組まれ、さらにフロアなどをカーボンファイバー化することで補強されている。また、サスペンションは車高調整が容易な、エアショックに交換されている。
このほか、レカロ製のフルバケットシートを装備し、ダッシュパネルもカーボン製に変更、ステアリングはクイックリリース機構を採用し、全体的にコンペティションを意識させる仕上げとなっている。
ボディのカラーリングは、1980年のル・マン24時間レースに出場したポルシェ「935」と同じ、アップルコンピュータをモチーフとしたものとなっている。センターロック式のメッサー製ホイールには、ブレーキの冷却を促すエアエクストラクターが装備されている。
この964型911カレラ4は、2019年に開催されたヨーロッパ・チューニング・ショーでベストカーに選出された経歴も持っている。現在はプライベートコレクションの一部となっており、非常によい状態を保っている。
また、チューニングやカスタマイズの詳細を記した鑑定書も付属していることから、オークションでは11万−15万ユーロ(約1430万−1950万円)のエスティメートとなっていたが、最終的な落札価格は12万1000ユーロ(約1570万円)というものだった。
高額落札であった理由は、価格が上昇を続けている964型911であること、カスタムの費用も掛かっていることが挙げられるだろう。フューエルリッドとダッシュパネルには中井氏のサインが描かれており、RWBのカスタムはオークション・マーケットにおいてプラスに作用することが証明されたといっていいだろう。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
世界30台未満の日産「“激レア”スカイラインGT-R」NISMOフルチューンで約450馬力!?「VスペックII ニュル」約4760万円で落札
くるまのニュース / 2024年9月14日 13時10分
-
水平対向エンジン×7速MT搭載! 新型「2ドア“クーペ”」初公開! 旧車デザインが超カッコイイ! めちゃ軽量な「GT ONE」英に登場
くるまのニュース / 2024年9月8日 18時10分
-
【クルマら部】クルマ愛クイズ!今回は「ポルシェ911」から全4問!
レスポンス / 2024年9月7日 11時0分
-
222万円!? ホンダ「26年落ち軽トラ」出現! なぜ“型落ち・汚れあり”なのに新車価格「2倍以上」に? 5速MT&4WDの赤い「アクティ」が米で高額落札
くるまのニュース / 2024年8月31日 7時40分
-
メルセデス・ベンツはレースカー運搬車も速かった! このクルマの名前は?
マイナビニュース / 2024年8月27日 11時30分
ランキング
-
1ペーパードライバーの “迷惑運転行為”に、走行距離30万km超のゴールド免許所持者が怒りの告発
日刊SPA! / 2024年9月15日 15時52分
-
2東京都、018サポートで新たに134人への重複支給発覚 マイナ申請の照合設定に誤り
産経ニュース / 2024年9月20日 19時47分
-
3ダウンタウン浜田雅功の“くちびる寿司”を食べてみた ユニークな見た目に笑ってしまう
オトナンサー / 2024年9月20日 23時10分
-
4メルカリで「マイナス評価」が1つでもあったら売れなくなる? 購入を敬遠される可能性も……
オールアバウト / 2024年9月20日 20時40分
-
5「ぜんたーい、止まれ!」その入場行進なんのため? 元体育主任が語る、運動会で廃止すべきこと3つ
オールアバウト / 2024年9月20日 20時35分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください