オートライト義務化から1年、「救われた…」ドライバーも 推奨ハイビーム走行車も増えた?
くるまのニュース / 2021年5月10日 10時10分
新型車において、自動でヘッドライトを点灯する「オートライト」機能の搭載が義務化されてから1年が経過しました。当初、ユーザーからの意見は賛否が分かれていましたが、実際にどのような効果があったのでしょうか。
■まだ目に見える効果はないが、救われたドライバーも
2020年4月から、新型車に対し、夜間に自動でヘッドライトを点灯する通称「オートライト」機能の搭載が義務化されました。今後2021年10月1日からは、継続車も義務化される予定です。
オートライトの搭載義務化から1年が経過したことで、実際にライト点灯忘れによる事故は減ったのでしょうか。また、推奨されている「ハイビーム走行」は増えたのでしょうか。
まず、義務化されたオートライト機能とは、センサーが周囲の明るさに応じて、ヘッドライトを自動で点灯・消灯するものです。
これにより、ライトの付け忘れを防ぐほか、「薄暮時(はくぼどき)」と呼ばれる日没や日の出の前後1時間ほどの時間の事故を防ぐ目的があるとされます。
内閣府によると、薄暮時は昼間と比べて、自動車と歩行者による事故率が4倍も上回ると発表されており、事故の多い時間帯であることがわかります。
こうした背景から、2016年10月に「道路運送車両の保安基準」が改正され、オートライト機能が義務化されました。
前述のとおり、新型車は2020年4月以降、継続生産車(5ナンバー、3ナンバー)は2021年10月から搭載が義務となります。
また、定員11人以上の乗用車(バス)や車両総重量3.5t超のトラックについては、新型車が2021年4月、継続生産車が2023年10月となっています。
では、実際にオートライトの搭載は事故の減少につながったのでしょうか。
ある地方部で実際に取り締まりを行う警察官は次のように話します。
「正直、まだまだ無灯火のクルマはたくさんいるので、オートライトによる効果は実感できていません。しかし、たしかに街で新型車を見かけると、夕暮れ時でもライトが点灯しており、とても感心しています。まだまだこれからでしょうが、期待はしています」
また、前出とは別の警察官も「まだ効果はわからない」と話しており、すぐさま事故軽減につながる結果はみられていないようです。
■まだ目に見える効果はないが、救われたドライバーも
しかし、あるドライバーは、オートライトによって事故を防ぐことができたと話します。神奈川県の山間部に住む男性会社員は次のように話します。
オートライト搭載車
「夜間は無いですが、夕暮れ時はライトをつけ忘れることが多く、何度もヒヤリとした経験があります。しかし、2020年の夏にオートライト機能が搭載されたクルマに乗り換え、夕方でも点灯忘れは減りました。
先日は、カーブで無灯火のクルマと接触しそうになりましたが、こちらがライトを点灯していたためか、直前で回避することができました。おそらくどちらも無灯火だったら衝突していたと思います」
※ ※ ※
警察庁の交通事故統計によると、2020年の交通事故発生件数は30万9000件、死者数は2839人でした。
これは、警察庁が1948年に統計を開始して以降、最少の交通事故死者数で、初めて3000人を下回った結果となりました。
しかし、これは新型コロナウイルスによる外出自粛の影響が大きいとされ、オートライト義務化による効果はわかりません。
前出の警察官が話すとおり、実際に事故を減らすという点では、オートライトはまだまだ発展途中のようです。
しかし、前出の男性会社員をはじめ、SNS上では「オートライトがあって助かった」「トンネルではとても便利」という声はちらほらと出ており、実際にその安全性を実感しているユーザーは出てきているようです。
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