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ワールドツアー開始! ピニンファリーナのEVハイパーGT「バッティスタ」は約3億円から

くるまのニュース / 2021年4月27日 18時40分

かつてフェラーリのデザインを一手に引き受けていたピニンファリーナが、自動車メーカーとしてリリースするEVハイパーGT「バッティスタ」の英国での代理店が決定した。150台限定のバッティスタのデリバリーがいよいよ迫りつつある。

■英国では「東インド会社」の流れをくむディーラーグループがピニンファリーナの正規代理店に

 かつてはフェラーリの美的側面を支えるカウンターパートナーであったピニンファリーナは、今やフェラーリとたもとを分かち「Automobili Pininfarina(アウトモビリ・ピニンファリーナ)」、つまり自動車メーカーとして自らの道を歩み始めている。

 その第一作であるEVハイパーGT、開祖の名を冠した「バッティスタ(Battista)」の生産化プロジェクトも着々と進められているようだが、傍らでこの種のハイパーカーの市場としては欠かせない英国にて、正規リテーラーが指名され、イギリスを代表する自動車ディーラーグループ「ジャーディン・モーターズ・グループ(Jardine Motors Group)」とともに「アウトモビリ・ピニンファリーナ・ロンドン」を発足させることになった。

●英国最大級のディーラーグループが代理権を取得

 このほど、ピニンファリーナのロンドンおよびイングランド南部の独占的な正規リテーラーに選ばれたのは、「ジャーディン・モーターズ・グループ」である。この「ジャーディン」という社名を、世界史や日本史で学んだ記憶のある人も多いだろう。

 その源流は、大航海時代の「東インド会社」の流れをくみ、1832年に中国で設立された英国系商社「ジャーディン・マセソン」である。日本にも支店を設立し、その長崎代理権を得たトーマス・グラバーは、明治維新の裏方として暗躍したともいわれている。

 ジャーディン・マセソンは創設から約180年を経た現代においても、アジアを基盤とする世界規模の国際コングロマリットとして活動。英国内で展開するジャーディン・モーターズ・グループは60店舗を保有し、フェラーリをはじめとする14ブランドの乗用車・商用車を取り扱っている。

 アウトモビリ・ピニンファリーナ・ロンドンのオープニングに際して、昨2020年のピニンファリーナ創立90周年の記念モデルとして製作された「バッティスタ・アニヴェルサリオ」を、2021年4月後半からワールドツアーの一環としてイギリスに招聘。潜在的なクライアントがハイパーEVを定義するユニークな特徴を体感するために、レアな機会を用意するという。

 今回の代理権取得を公表するプレスリリースにて、ジャーディン・モーターズ・グループのCEO、ニール・ウィリアムソン氏は以下のように述べている。

「ジャーディン・モーターズ・グループは、アウトモビリ・ピニンファリーナのピュア電動ハイパーGT、バッティスタのロンドンおよびイングランド南部の代理権を獲得できたことを非常に誇りに思っています。ピニンファリーナの名は自動車業界の伝説であり、英国の熱狂的なクライアントにバティスタを提供するために提携できることにエキサイトしています。

 また、私たちが2021年4月に限定モデル『バッティスタ・アニヴェルサリオ』を迎えることができることも光栄に感じています。私たちのお客様が、一流の高級車メーカーから発信されるユニークかつサステナブルな自動車の革新に、個人的な興味をお持ちであることは明白で、これから大きな需要が見込まれます」

■日本の正規代理店も決定、デリバリーが待ち遠しい

 アウトモビリ・ピニンファリーナ曰く、ピュアEVのバッティスタは、従来の内燃機関を搭載した公道向けスポーツカーでは達成できないレベルのパフォーマンスを提供するという。

 0−100km/h発進加速タイムは2秒以下で、当代最新のF1マシンをも超える。1900hpのパワーと2300Nmのトルクを備えたバッティスタは、卓越したエンジニアリングとテクノロジーをゼロエミッションパッケージに組み合わせると説明されている。

●2021年夏には専用のビスポークアトリエも開設

いかにもピニンファリーナらしい、伸びやかな美しいラインのバッティスタいかにもピニンファリーナらしい、伸びやかな美しいラインのバッティスタ

 搭載される120kWhバッテリーは各ホイールにひとつずつ配される4機の電動モーターに電力を供給し、シミュレーション上では1回の充電で500kmを超えるWLTPレンジをカバーすることになっている。

 生産台数は150台に限定され、車両価格は2億9000万円からとされるバッティスタは、過去の多くの象徴的なピニンファリーナ・デザイン車たちと同様に、イタリア・トリノ近郊カンビアーノにあるピニンファリーナS.p.Aのアトリエで、1台1台ハンドメイドされる。

 現在、バッティスタのプロトタイプ開発は最終段階を迎えており、南イタリア・ナルドのナルドテクニカルセンターや周辺の公道における走行実験も成功したとのこと。

 この結果を受けて、アウトモビリ・ピニンファリーナ・ロンドンは見込み客に向けて専用WEBページでバッティスタの購入権をいち早く得られるようにアプローチを始めている。

 全150台がオーダーメイドで製作されるバッティスタを発注した顧客は、クライアントエクスペリエンスの一環として、開祖バッティスタ“ピニン”ファリーナ生誕の地でもあるトリノに招かれることになるという。

 バッティスタのオーダー主は、この訪問中に北イタリア・ピエモンテ地方の自然の美しさに触発されるとともに、2021年夏に開所予定の新アトリエスペースにおいて、アウトモビリ・ピニンファリーナ社CDO(チーフ・デザイン・オフィサー)のルカ・ボルゴーニョが率いるデザインチームから、魅力的なカラー/マテリアルを提示される。そして自分だけのバッティスタを製作する、ほぼ無限の選択肢を模索できるのだ。

 アウトモビリ・ピニンファリーナのパー・スヴァンテッソン(Per Svantesson)CEOは、同じプレスリリース内で喜びのコメントを発している。

「ジャーディン・モーターズ・グループとのパートナーシップを通じて、英国におけるアウトモビリ・ピニンファリーナのプレゼンスを強化できたことを嬉しく思います。『アウトモビリ・ピニンファリーナ・ロンドン』の開設によって、バッティスタの将来のオーナーは、ワールドクラスのカスタマーサービスと、アウトモビリ・ピニンファリーナ・ファミリーへのアクセスが保証されることになります。すべてのオーナーに直接お目にかかり、サステナブルなハイパーカーのラグジュアリーな世界をご紹介することを、心より楽しみにしています。」

 ピニンファリーナ・バッティスタについては、すでに日本国内でも正規代理店が決定しており、名門カロッツェリアが自動車メーカーとして初めて製作するハイパーEVの世界進出は、着々と進行しているようだ。

 今後のピニンファリーナの活躍に、注目していきたいところである。

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