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隈研吾氏がロールス・ロイスのビスポークに関わった「ドーン」完成! 新国立劇場との関係は?

くるまのニュース / 2021年4月29日 17時10分

東京オリンピックのメイン会場となる新国立競技場の設計者として有名な隈研吾氏が関わった、ロールス・ロイス「ドーン」が完成した。隈研吾氏の美意識はどのような点に取り入れられているのだろうか。

■隈研吾氏の建築をオマージュしたロールス・ロイスとは

 ロールス・ロイスのグッドウッド本社では、顧客からの特注によるビスポークのためのデザインオフィスが置かれ、専門のデザイナーも在籍。数多くのビスポーク作品が、全世界のR-R愛好家のために創り出されている。

 もちろんわが国にも、これまで複数のグッドウッド製ビスポーク作品が上陸を果たしてきたが、このほど新たなマスターピースが加わることになった。

●建築家・隈研吾氏オマージュのR-Rドーンが誕生

 ベースとなったのは、R-Rのビスポークの対象としては「ファントム」と同じくらいに人気が高いという、美しきドロップヘッド・クーペ「ドーン」。

 そしてオマージュの対象にして、デザインワークにも関与したのは、日本が世界に誇る建築家、隈研吾氏である。

 いまさら説明の必要もないかもしれないが、隈研吾氏は新国立競技場や根津美術館などの作品で、全世界にその名を轟かせている日本建築界の大家。近年は、木材を併用した独特の作風を展開していることでも知られる。クルマ好きには、バブル時代の環八沿いのマツダのM2ビル(現在は東京メモリードホール)が有名かもしれない。

 そしてロールス・ロイス社が自ら「高級車と建築というふたつの世界の懸け橋」、そして「移動可能な芸術作品」と謳う特別仕立てのR-Rドーンのストーリーは、隈研吾氏が世界的な高級不動産デベロッパーである「ウエストバンク」社からの依頼でデザインした、東京・北参道の新しい高級集合住宅「The Kita(ザ・キタ)」にはじまる。

 このスペシャルなR-Rドーンは「The Kita」最上階に位置する、ユニークな多層構造のペントハウス「The Kita Tea House(キタ・ティー・ハウス)」居住者のために一品製作されたもので、その美しさや雰囲気を、住居から移動手段までシームレスに感じ続けられるように努めたという。

 「The Kita Tea House」は、明治神宮の森や、隈研吾氏の手により生まれ変わった国立競技場を望む最上階の茶室にちなんでづけられた。

 デザインワークは、ロールス・ロイス社ビスポーク担当デザイナーと隈氏、およびウエストバンク社と協議しながら、インテリアおよびエクステリアの素材、カラーパレット、テクスチャー、雰囲気など、「The Kita」を反映するようデザインしたとのこと。

 ボディカラーは、陽が差すと建物外壁のブロンズ格子スクリーンルーバーや、インテリアのブロンズのディテールを反映した温かみのある色に表情を変える「シルバー・ヘイズ」。ソフトトップは洗練されたシルバーとされ、ブラックのコーチラインで仕上げられる。

■建築のエッセンスをいかにしてロールス・ロイスに取り入れたのか

 また、ペントハウスのエントランス・ロビーにふんだんに使われているウォルナット製パネリングにちなんでリアデッキに張られた、オープン・ポアのロイヤル・ウォルナット製パネリングが、インテリアとエクステリアを調和させるとともに、新国立競技場をはじめとする木材を多用した近年の「隈研吾作品」との親和性を高めているようだ。

●ロールス・ロイスと隈研吾の妙なる融合

ボディカラーは、陽が差すと建物外壁のブロンズ格子スクリーンルーバーや、インテリアのブロンズのディテールを反映した温かみのある色に表情を変える「シルバー・ヘイズ」が選ばれたボディカラーは、陽が差すと建物外壁のブロンズ格子スクリーンルーバーや、インテリアのブロンズのディテールを反映した温かみのある色に表情を変える「シルバー・ヘイズ」が選ばれた

 インテリアでは、全面にわたる「セルビー・グレー」のレザー・インテリアに「アークティック・ホワイト」と「ブラック」のアクセント、さらに「スレート・グレー」のシートベルトが強調する。

 また、ロールス・ロイスでは初の試みとして、フロント・フェイシアに「ピアノ・セルビー・グレー」から「ピアノ・ブラック」へと変化する、オンブレ(濃淡処理)のグラデーションも採用。ステンレス・スチール製インレイとして「The Kita」のロゴが埋め込まれる。

 これは「ロールス・ロイス・ビスポーク・コレクティブ」が製作したインレイのなかでもっとも繊細な作品であり、この住宅のユニークな手仕上げのステンレス・スチール製フィッティングに対する連帯感を表す意思表示ともなっているという。

 さらに同じ格子のモチーフを、フロントのヘッドレストやリアシートの間にあるウォーターフォールの刺繍で表現。締めくくりとして、特別デザインのビスポーク・クロックや、インテリアカラーにマッチするビスポーク・アンブレラにいたるまで、建築家・隈研吾氏のこだわりを反映する仕上げが施されているとのことなのだ。

 この特別なロールス・ロイスの完成にあたり、隈研吾氏はプレスリリース内でこのように述べている。

「私がこの種のプロジェクトのコンサルティングに携わるのは初めてですが、伝統的なクラフツマンシップへの敬意と、自然素材の良さを引き出したいという思いを共有するロールス・ロイスのためにこのプロジェクトに参加できたことを誇りに思います。

 ロールス・ロイスは『The Kita』のエッセンスを自動車の美学に採り入れ、『The Kita Tea House』のオ―ナーを取り巻く都市環境を取り込むことを可能にしました。ついにこのクルマを東京で見ることができて、とても光栄です」

 一方、ウエストバンク社の創設者イアン・ガレスピー氏は以下のように続けている。

「このビスポークのドーンは、私たちの作品群に美しいアクセントを加味してくれました。ロールス・ロイス ドーンに対する隈さんの影響は、彼が『The Kita Tea House』で作り上げた静けさと美しさを具現化したものであり、その記憶の延長線上で個人が楽しめるようになっています」

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