1億円オーバー88台限定のアストンマーティン「V12スピードスター」に「DBR1」仕様が追加!
くるまのニュース / 2021年5月7日 13時10分
アストンマーティンの88台限定、1億円オーバーのリミテッドエディション「V12スピードスター」に、さらに「DBR1」に敬意を表した特別仕様モデルが追加された。
■88台限定モデルの「V12スピードスター」に「DBR1」仕様が追加
2020年3月にグローバルデビューしたアストンマーティン「V12スピードスター」のカスタム仕様の詳細が明らかになった。
V12スピードスターは88台の限定モデルで、車両価格は76万5000ポンド(邦貨換算1億1600万円)からというコレクターズアイテム間違いなしの1台である。このオープンコックピット・スポーツカーに、アストンマーティンのレースヒストリーのなかでもっとも重要な「DBR1」に敬意を表した特別仕様車「V12スピードスターDBR1」がラインナップした。
ボディカラーはアストンマーティン・レーシング・グリーンとなり、クラブスポーツ・ホワイトによるピンストライプとロンデルが配され、クラブスポーツ・リップスティック・グラフィックを備えたサテン・シルバーのアルマイトグリルを装着している。
コックピットには、コンカー・サドルレザー、ビリジアン・グリーンのテクニカル・テキスタイル/ケイスネス・レザーを採用。
ヘッドレスト背後のリアバンプの透明なリア「ウインドウ」内には、アストンマーティン・レーシング・グリーンに塗装されたドライバー&パッセンジャー用のユニークなヘルメットが納められている。
また、オープンキャビンには厳選されたグロス・カーボンファイバー、ケイスネス・グリーンのレザー、サテン・シルバーの艶消しアルミニウム・スイッチギアが採用され、アストンマーティンが築き上げてきた偉大なモータースポーツの歴史へのオマージュで溢れた仕様となっている。
この特別仕様のもうひとつのハイライトは、サテンブラック・ダイヤモンド旋削仕上げによる21インチ・センターロック・ホイールだ。V12スピードスターは、ペイント・プロセスだけでも、最先端の塗装施設で50時間以上費やされている。
アストンマーティン・チーフ・クリエイティブ・オフィサーのマレク・ライヒマンは、特別仕様が施されたV12スピードスターを製作した理由について、次のようにコメントしている。
「このクルマの主要なテーマは、エモーショナル、そしてエクスクルーシブです。極めて希少で特別なこのアストンマーティンは、そのエレガントで芸術的なフォルムとは裏腹に、極めて刺激的なドライブ体験をもたらします。
DBR1の栄光を反映したビスポーク仕様を製作することは、アストンマーティンにしかできない大きな特権であり、私たちがこのクルマのデザインに注ぎ込んだものと同じ情熱を持って、このクルマが運転されることを今から楽しみにしています」
* * *
V12スピードスターの心臓部には、アストンマーティンを象徴する5.2リッターV12ツインターボ・エンジンの高性能バージョンが搭載されている。
最高出力約700ps、最大トルク約753Nmを発揮するエンジンは、車両後部に搭載されたZF製8速オートマチック・トランスミッションと組み合わされ、0?100km/h加速は3.4秒、最高速度は198mph(約318km/h)で、フロントウインドウやルーフを持たないクルマとしては驚異的な数値となる。
DBR1カスタム仕様のV12スピードスターは、現在注文を受け付けており、納車は、2021年半ばから開始される予定だ。もちろん88台すべてが、アストンマーティン本社のゲイドンでハンドビルドされる。
■アストンマーティン史上もっとも重要なモデル「DBR1」とは
アストンマーティンの特別仕様車V12スピードスターDBR1がオマージュとしたDBR1とは、いったいどのようなクルマなのだろうか。
アストンマーティン「V12スピードスターDBR1」(手前)と「DBR1」(奥)
DBR1は、アストンマーティン史上もっとも大きな成功を収めたレーシングカーで、1959年のル・マン24時間レースとニュルブルクリンク1000kmレースの両方で勝利を収め、1957年と1958年にもニュルブルクリンクで優勝を果たしたクルマである。
1956年のデビュー後、DBR1はベルギーで開催されたスパ・スポーツカー・レース(1957年、ドライバー:トニー・ブルックス)を含む一連の有名な勝利を記録。さらに、グッドウッド・ツーリスト・トロフィー(1958年、スターリング・モス、トニー・ブルックス:1959年、スターリング・モス、キャロル・シェルビー、ジャック・フェアマン)でも優勝し、ル・マン24時間レースで優勝した1959年には、世界スポーツカー選手権でタイトルを獲得して、その栄光は頂点に達した。
DBR1は、レース専用マシンとして設計されており、アストンマーティンのもっとも有名な量産モデルシリーズ「DB」の前身でもある。
才能溢れるデザイナーのフランク・フィーリーによって社内でデザインされ、チーフ・レーシング・デザイナーのテッド・カッティングの協力で製作されたDBR1は、モータースポーツにおけるアストンマーティンの「栄光の時代」を象徴するクルマであると同時に、史上もっとも美しく、優雅なクルマの1台といっていいだろう。
1958年以降のマシンには、2992cc直列6気筒エンジンが搭載され、デイヴィッド・ブラウン5速ギアボックスが組み合わされた。これにわずか800kgの車両重量と相まって、推定最高速度は150mph(約241km/h)に達していた。
DBR1は量産モデルの派生ではなく、純粋なレーシングカーとしてわずか5台のみ製作。そのうちの4台は、アストンマーティン・ワークスチームからレースに参戦し、残りの1台はプライベートで使用された。
こうしたDBR1が築いたアストンマーティンの栄光の歴史を色濃く反映したのがV12スピードスターDBR1仕様なのである。
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