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シリーズ最後のFRは大ヒットを記録! 「技術の日産」を具現化した「910型ブルーバード」とは?

くるまのニュース / 2021年5月10日 16時10分

「ブルーバード、お前の時代だ」で知られる最後の後輪駆動を採用した日産「910型 ブルーバード」は、操縦安定性と乗り心地を両立した先進的な設計とスタイリッシュなデザインで人気を獲得。販売台数でもライバルのトヨタ「コロナ」に勝ち、「技術の日産」のイメージを揺るぎないものとしました。

■新開発エンジンとスタイリッシュボディで「BC戦争」を戦ったブルーバード

 かつて日産の主力車種といえば、小型車の「サニー」、スポーティモデルの「スカイライン」、そしてミドルクラスの「ブルーバード」という三本柱が存在。

 この3車はトヨタとの販売合戦を繰り広げていましたが、なかでもブルーバードはトヨタ「コロナ」との「BC戦争」(Bはブルーバード、Cはコロナ)と呼ばれた熾烈な競争を展開していました。

 そして、1979年には長い歴史を持つブルーバードシリーズの中でも、「技術の日産」のイメージを揺るぎないものにしたと言われる6代目910型 ブルーバードが誕生し、コロナとの戦いに勝つことになります。

 そこで、いまも稀代の名車と語り継がれる910型 ブルーバードはどんなクルマだったのか、振り返ります。

※ ※ ※

 まずは、簡単にブルーバードの誕生から910型登場までを紐解きます。

 1959年に誕生した初代310型 ブルーバードは、ダットサンブランドの本格的な量産型乗用車で、操縦性や乗り心地を大きく進化させた新時代のセダンとして登場。当時の日産の主力車種として販売されました。

 1963年には2代目にモデルチェンジ。日産初のフルモノコックボディに進化した410型ブルーバードは、SUツインキャブを装備し65馬力を発揮した「1200SS」(SSはスポーツセダンの略称)や、さらにSUツインキャブ1.6リッターエンジンを搭載した「1600SSS」(スーパースポーツセダン)が登場し、基本性能と動力性能の進化が一気に加速します。

 そして、本格的なアメリカ進出に成功した3代目 510型ブルーバードが1967年に登場。シャープなボディデザインから日米でヒットを記録し、コロナにも勝利。

 そして4代目の610型では「ブルーバードU」として心機一転。2リッター直列6気筒エンジン車をラインナップするなど、ワンランク上の車格となり、5代目の810型では高級感のあるデザインを採用しますが、販売状況は芳しくありませんでした。

 ライバルである5代目コロナは小型乗用車クラスで35か月連続販売台数1位を記録し、1978年にモデルチェンジされた6代目コロナも絶好調をキープ。

 そこで、日産は当時の持てる技術を惜しみなく投入した、6代目910型 ブルーバードを1979年11月に発売しました。

■シリーズ初のターボエンジンを搭載し、最後のFRモデルとなった910型

 910型ブルーバードは、エントリーモデルのサニーと上級車種との隙間を埋めることに再び特化し、全グレードとも4気筒エンジンに回帰。バランスの良いボディスタイルの4ドアセダン/2ドアハードトップとなりました。

 発売から1か月後にはバン/ステーションワゴンも登場し、モデル途中の1982年には当時の「セドリック」「グロリア」「ローレル」で人気だったセンターピラーレスの4ドアハードトップも追加。

走行性能もFRモデルの集大成というべき「910型 ブルーバード」走行性能もFRモデルの集大成というべき「910型 ブルーバード」

 もっともスポーティな910型の2ドアハードトップは、全長4510mm×全幅1655mm×全高1370mmのボディサイズで、機能的でありながらスタイリッシュなデザインと評価されます。

 エンジンはそれまで日産の主力4気筒エンジンだった「L型」から「Z型」への置き換えが始まった時期でもあり、トップグレードの「2000SSS-ES」には、電子制御燃料噴射と急速燃焼方式(ツインスパークプラグ)を採用した2リッター直列4気筒SOHC「Z20E型」エンジンが搭載されました。

 さらに、登場してわずか4か月後の1980年3月には、最高出力135馬力を発揮する1.8リッター直列4気筒SOHCターボエンジン「Z18ET型」を搭載した「1800ターボSSS」シリーズが追加され、高性能化が加速。

 コロナのトップグレードである「2000GT」の2リッター4気筒DOHC「18R-GEU型」エンジンと比べ、最高出力は同じながら最大トルクでは大きく上回り、動力性能の点でも910型はアドバンテージを築きました。

 駆動方式はFRの2WDのみでサスペンションも磨き抜かれ、フロントはストラット式でリアにはセミトレーリングアームとし、ステアリング操作が軽く走行時に操舵に影響する力が働かない理想的な設定である、国産FR車では初となる「スクラブ値=0(ゼロ)」のハイキャスターにセッティングを採用。

 4輪独立懸架の910型 ブルーバードは4リンクリジッドサスペンションのコロナに運動性能でも上まわり、操縦安定性と乗り心地を両立した先進的な設計が、クルマ好きを自認するオーナーたちから絶賛されました。

 ハードウェアで6代目コロナに圧倒的な差をつけた910型 ブルーバードは高く評価され、小型車クラスの新車登録台数で27か月連続第1位を記録するほどの大ヒットを記録し、コロナに勝利します。

 そして、時代の流れから1983年には駆動方式がFFとなった、7代目U11型 ブルーバードへバトンタッチされました。

※ ※ ※

 910型 ブルーバードはエンジンの高性能化とともに、足まわりにも高い技術力が投入されたFRモデルとしての集大成といえます。

 前述のとおり大ヒットを記録しましたが、実際に当時のセールス担当は、ひと目見て売れると確信したといいます。

 その後はブルーバードもさらなる高性能化を果たすことになりますが、最後のFRという記念すべきモデルの910型は、今も数多くの愛好家に支持されているモデルです。

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