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意外と凝ったつくりでおもしろい! 個性的な派生車3選

くるまのニュース / 2021年5月17日 16時10分

ベースとなるクルマに対し、ボディ形状や車体の一部を変更して別車種として展開される派生車。グレードの違いよりも大きく変わるだけでなく、新たなモデルを開発するよりもコストが抑えられるのが特徴です。そんな派生車のなかには個性的なモデルも存在。そこで、ユニークな派生車を3車種ピックアップして紹介します。

■おもしろすぎる派生車を振り返る

 各自動車メーカーとも新たなプラットフォームを開発すると、複数のボディを展開するのが一般的です。

 極力コストを抑えつつ複数のジャンルのモデルを開発する手法として、古くから盛んにおこなわれてきました。

 一方、さらにコストを抑えつつ車種増をおこなう取り組みとして、派生車があります。

 派生車はベースとなるモデルに対してボディ形状を変更したり、ボディの一部に手が入れられ、グレードのひとつではなく別車種として展開することで比較的手軽に車種増が可能です。

 そこで、意外と凝ったつくりのユニークな派生車を、3車種ピックアップして紹介します。

●ミニ「ミニクーペ」

デザインには違和感があるものの、よくぞつくったといえる「ミニクーペ」デザインには違和感があるものの、よくぞつくったといえる「ミニクーペ」

 1959年に誕生したBMC「ミニ」は、後に登場するFFコンパクトカーの基礎になった名車中の名車です。

 欧州だけでなく日本でも高い人気を誇ってきたミニですが、ローバーグループの経営悪化により2000年に生産を終了。その後2001年に、ローバーグループを買収したBMWから「ニューミニ」が発売されました。

 ニューミニはオールドミニをオマージュしたユニークな外観とスポーティな走りによって世界的に大ヒットを記録。2006年に登場した第2世代ではスタンダードモデルである3ドアハッチバック以外にも、さまざまなボディタイプを展開することでさまざまなニーズに対応しました。

 現在も展開されているオープンモデルの「コンバーチブル」、ステーションワゴンの「クラブマン」、SUVの「クロスオーバー」だけでなく、2011年には5番目のモデルとして「クーペ」が登場。

 クーペのボディは3ドアハッチバックをベースにキャビンがつくり変えられ、リアセクションはなだらかに傾斜するハッチバッククーペとなり、全高が低く抑えられたルーフに合わせてAピラーの角度を寝かせるなど、大胆に手が加えられています。

 内装のデザインはベースの3ドアハッチバックに準じていますが2シーター化されており、後部座席部分はすべて荷室です。

 グレードは「クーパー」、「クーパーS」、チューニングモデルの「JCW(ジョン・クーパー・ワークス)」が設定され、スタンダードな「ワン」は除外されるなど、クーペらしくスポーティさが強調されました。

 ミニクーペはクイックなハンドリングとハイパワーなエンジンを搭載したFFスポーツカーという派生車でしたが、異色ともいえるデザインからか人気となることはなく、2013年に第3世代の登場とともに消滅してしまいました。

●日産「マーチBOX」

使い勝手は良好そうだがスタイリッシュとはいいがたい「マーチBOX」使い勝手は良好そうだがスタイリッシュとはいいがたい「マーチBOX」

 1982年に発売された日産初代「マーチ」は次世代のエントリーモデルとして開発されたコンパクトカーで、安価な価格とシンプルなデザインが高く評価され、日本のみならず欧州でもヒットしました。

 そして、1992年に2代目が登場すると、外観のデザインが直線基調だった初代に対し曲面を多用したやわらかなフォルムに一新。3ドアハッチバックと5ドアハッチバックに加えてカブリオレが設定されるなど、ボディバリエーションを拡充します。

 さらに1999年には派生車としてステーションワゴンの「マーチBOX」が登場。5ドアのマーチをベースにホイールベースはそのままで、荷室部分を240mm後ろに延長することでステーションワゴン化されました。

 ボディサイズは全長3980mm×全幅1585mm×全高1450mmで、ベースに対してルーフを25mm高くすることで室内空間を拡大するとともに、ステーションワゴンらしく広い荷室とすることで使い勝手を向上。

 また、マーチBOX専用で折りたたんだリアシートと荷室の段差を無くすために「ダブルフォールディングシート機構」が採用されました。

 搭載されたエンジンはベース車と同じ60馬力の1リッターと85馬力の1.3リッターの直列4気筒で、トランスミッションは4速ATとCVTを設定。

 マーチBOXは優れたユーティリティを持つコンパクトなステーションワゴンでしたが、ヒットすることなく3代目マーチの登場とともに2002年で生産を終了しました。

■今でもウケそうな個性的な超小型ピックアップトラックとは?

●スズキ「マイティーボーイ」

斬新なコンセプトでスタイルも秀逸だった「マイティーボーイ」斬新なコンセプトでスタイルも秀逸だった「マイティーボーイ」

 1977年に、スズキはリアエンジンの軽スポーツカー「フロンテクーペ」の後継車で新規格に対応した初代「セルボ」を発売。

 そして、1982年に初代「アルト」をベースにした2代目にモデルチェンジして、ワゴンタイプとは異なるスタイリッシュなFF3ドアハッチバッククーペへと生まれ変わりました。

 さらに、1983年にはこの2代目セルボをベースに、リアセクションをピックアップトラックにつくり変えた派生車「マイティーボーイ」が誕生します。

 一見するとクーペにも見える荷台のカバーを設定するなど非常にユニークなボディで、内装ではリアシート部分はすべて荷室のため2シーターです。

 エンジンは550cc直列3気筒SOHCで最高出力はわずか28馬力でしたが、500kgほどの軽量な車体には十分なパワーといえます。

 マイティーボーイは一般的な軽トラックほどの積載能力がなく、荷台も小型なことから商用車としての実用性はありませんでしたが、斬新なコンセプトによってマリンスポーツやレジャー用途に使う若者から支持を獲得。

 スズキはマイティーボーイを「マー坊」の愛称で宣伝していたこともあり、実際にマー坊と呼ばれて親しまれました。

 その後、マイティーボーイはフルモデルチェンジすることなく一代限りで1988年に生産終了しましたが、30年以上経ったいまもユニークなモデルとして比較的現存数が多く、現在も中古車の入手が可能です。

※ ※ ※

 近年は派生車というよりも、プラットフォームを共有する完全な別車種として展開されるケースが増えた印象があります。

 たとえばトヨタ「ヤリス」のSUV版というポジションの「ヤリスクロス」は、デザインもヤリスと完全に異なるモデルを採用しています。

 車名はメジャーなモデルと共有しつつ、別の新型車として販売する方が、セールス的にも新鮮さがあって有利なのかもしれません。

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