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フェラーリ「ポルトフィーノM」を横浜で試乗! 歴代モデルとの大きな違いとは

くるまのニュース / 2021年5月25日 19時10分

フェラーリの2+2GTスパイダー「ポルトフィーノ」の改良版「ポルトフィーノM」に、スーパーカー大王の山崎元裕氏が試乗。横浜・みなとみらいエリアでのファーストインプレッションをお届けしよう。

■「M」は「モータースポーツ」ではなく「モディファイ」の意味

 イタリア語では「モディフィカータ」、英語では「モディファイ」を意味する「M」の称号が、新たに車名に付されたフェラーリに試乗するといつもその進化の度合いに驚かされる。

 なぜなら、時には別物のモデルのように、これまでには感じなかったさまざまな魅力を伝えてくれるからである。

 2020年に誕生した2+2GTスパイダー「ポルトフィーノ」の改良版、「ポルトフィーノM」も、その例外ではない。

 とりわけこの2+2GTスパイダーのシリーズは、2008年に登場した「カリフォルニア」、2012年の「カリフォルニア30」、そのモディフィカータ版たる「カリフォルニアT」、2017年のポルトフィーノ、そし2020年のポルトフィーノMと、基本的なボディスタイルを変化させることなく、比較的頻繁にモデルチェンジを繰り返したこともあって、ひょっとしたらカリフォルニアから4度目のM=モディフィカータと感じているカスタマーも多いことだろう。

 まずは今回試乗した、最新のポルトフィーノMの特徴を解説しておこう。2017年に発表されたポルトフィーノは、そのスタイルこそカリフォルニアを継承してはいたものの、シャシを完全に新設計したほか、ボディパネルもすべてが再設計されていた。

 それによって軽量化とともに高剛性を実現したわけだが、今回のポルトフィーノMでは、エクステリアでの変更点は非常に限られたものになっている。

 実際にはフロントグリルのデザインが変更され、その内側にコンパクトなフラップが追加されたことや、ホイールアーチの前方にエアベントが設けられたことなどが、わずかな変更点の例だ。

 一方メカニズムは、Mの称号に恥じない魅力的な進化を果たしている。

 フロントミッドシップされる3.9リッターV型8気筒ツインターボエンジンは、従来型からさらに20psが強化され620psにパワーアップした。これは新たなカムプロファイルによってバルブリフト量を増大させ、燃焼室の充填効率を最適化したほか、ターボの最高回転数を向上させるなどの策によって得られたエクストラだ。

 これに組み合わされるギアボックスも、これまでの7速DCTから8速DCTへと変化した。0−100km/h加速は3.45秒、最高速は320km/h以上というから、その運動性能は優雅なエクステリアデザインからは想像もできないほどに刺激的で、そして世界の第一線に並ぶものといえる。

 ステアリング上のドライブモード選択スイッチ、マネッティーノに、新たに「レース」モードが追加されたのも、カスタマーには興味津々といったところだろう。

■「ローマ」とどちらを選ぶのかが問題だ

 さっそくそのポルトフィーノMのステアリングを握る。

 ルーフのオープン&クローズの動きは実にスムーズで、実際に必要な時間は14秒ほどだからシチュエーションに合せて一切のストレスなくボディスタイルを変更することができる。

 驚くのはオープン時でもボディ剛性が実にしっかりとしていることで、意識的に路面の凹凸を踏んでみても、ポルトフィーノMは、ボディの捻じれなどまったく感じさせないのだ。それが正確なハンドリングと、そして同時に乗り心地も含め、走りの高級感となって現れている。まさに高級GTの世界である。

クローズド時のフォルムも美しい「ポルトフィーノM」クローズド時のフォルムも美しい「ポルトフィーノM」

 コックピットへのエアの巻き込みも最小限だ。改めてインテリアに目を向けると、シートのショルダー部分には新たにネック・ウォーマーの吹き出し口が備えられており、冬季のオープンドライブへの備えもより万全になった。

 オプションで選択が可能なアダプティブクルーズコントロールや緊急自動ブレーキ、ブラインドスポットモニター、サラウンドビューカメラなどの運転支援装備は、今回の試乗では使用する機会はなかったが、実用性を考えればこれらのオプションはぜひ選択したいところだ。ロングドライブの疲れは確実に低減されるだろう。

 20ps強化されたV型8気筒ツインターボエンジンは、さすがにパワフルといわざるを得ない。今回は主にマネッティーノの「スポーツモード」との組み合わせで試乗してみたが、このエンジンの実力をフルスロットルで楽しめる時間は、オンロードではとても短いものになるだろう。

 とりわけ中速域からレブリミットに向けてのパワーフィールは強烈で、トラクションコントロールのような最新の電子制御デバイスに守られていなければ、安心してアクセルペダルを踏むことはできないくらいだ。

 新たに採用されたレースモードでは、4輪すべてのブレーキの油圧をコントロールしてダイナミクス性能を高める、「フェラーリ・ダイナミック・エンハンサー」制御が介入し、より魅力的なドライビング・プレジャーが楽しめるというが、これもその名前のとおりサーキット限定のモードと考えた方がいいだろう。

 ポルトフィーノM、そして「ローマ」と出揃ったフェラーリの8気筒GT。その選択はさらに難しくなったという印象だ。

●Ferrari Portofino M
フェラーリ「ポルトフィーノM」
・車両価格(消費税込):2737万円
・全長:4594mm
・全幅:2020mm
・全高:1318mm
・ホイールベース:2670mm
・車両重量:1664kg
・エンジン形式:V型8気筒DOHCターボ
・排気量:3855cc
・エンジン配置:フロント縦置き
・駆動方式:後輪駆動
・変速機:8速AT
・最高出力:620ps/5750−7500rpm
・最大トルク:760Nm/3000−5750rpm
・0-100km/h:3.45秒
・最高速度:320km/h
・公称燃費(欧州混合):8.8km/L
・ラゲッジ容量:292L
・燃料タンク容量:80L
・サスペンション:(前)ダブルウィッシュボーン式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)Φ390mmベンチレーテッド・カーボンディスク、(後)Φ360mmベンチレーテッド・カーボンディスク
・タイヤ:(前)245/35ZR20、(後)285/35ZR20
・ホイール:(前)8.0Jx20、(後)10.0Jx20

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