なぜホンダ「ステップワゴン」好調? フリードから移り変わり? 複雑な要因とは
くるまのニュース / 2021年5月30日 7時10分
日本自動車販売協会連合会から、2021年4月の新車販売台数が発表されました。ランキングではトヨタ車がトップ10のうち7車種を占め、「トヨタ1強」を確実なものとしています。そうしたなかでホンダ「ステップワゴン」の登録販売台数が3611台(前年比294.5%)と販売台数を伸ばしています。どのような要因が考えられるのでしょうか。
■ステップワゴンの販売台数が上り調子、決算期を過ぎた4月にまで好調が続く
1996年当時としては珍しい、FFのミニバンとしてデビューしたホンダ「ステップワゴン」。現行モデルは、2015年に登場し2021年で6年目をむかえました。
子育て世代の使い勝手にこだわり人気を博したステップワゴンですが、2020年のステップワゴンの登録販売台数は年間3万4441台。
2018年は5万6872台、2019年は5万2676台と2年連続で、5万台をキープしていたことを考えると、2020年は新型コロナ禍の影響もあり、大幅な落ち込みに見舞われたといえます。
これについてホンダ販売店の担当者は、次のようにコメントしています。
「新型コロナ禍前でもすでに、排気量やボディサイズの大きなクルマから、サイズや排気量の小さいクルマへの買い替えがトレンドとなっていました。
そこに新型コロナ禍で人々が移動しなくなったことも加わり、ミドルサイズのミニバンの需要はさらに低下しました」
そもそもステップワゴンは、トヨタ「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」や日産「セレナ」などのミドルサイズミニバンに分類されます。
それに対し、ホンダ「フリード」やトヨタ「シエンタ」といったコンパクトミニバンの販売が好調で、実際にフリードの年間販売台数は、 2018年で8万4121台、2019年で8万5596台と前年比101%となっています。
2020年でも7万6283台とコロナ影響を受け低迷しながらもステップワゴンと比べると堅調な推移を見せています。
そうしたことから、2020年においてはフリードなど小さいサイズのミニバンに押され気味に見えるステップワゴンですが、2021年になってからは好調の兆しが見えています。
1月は2381台(73.2%)と前年を下回ったものの、2月は4713台(123.9%)、3月は5995台(136.8%)、4月は3611台(294.5%)と前年越えを達成して好調をキープしています。
従来の新車市場において、1月から3月は決算期とされており販売現場では、値引きや各種キャンペーンなどがおこなわれるため、登録・販売台数が伸びる傾向にあります。そのなかで、ステップワゴンが4月になっても好調な販売を維持できている要因とはどのようなものなのでしょうか。
少なからず影響している要因としては、決算期に登録を目指していたものの、半導体などの不足により4月に登録がずれ込んだことが挙げられます。
また、ステップワゴンに関しては、2020年9月にスポーティ仕様となる「スパーダ」のフロントなどの外観を刷新して、ハイブリッド車(HV)を新設定するなどのマイナーチェンジによる商品力向上も要因といえそうです。
しかし、マイナーチェンジの効果に関して販売現場からは「売れ行きに影響が出るような大きな変更点はなかった」との見方が大勢です。
そのなかで、別のホンダ販売店の担当者は以下のように見解を述べています。
「実際にステップワゴンの売れ行きは好調で、2020年とはまるで違います。
従来、3月の決算期に向けて1月、2月は営業を強化するので販売台数が伸びる傾向にあるのですが、それが3月も4月も続いているので、潮目の変化を感じています。
新型コロナ禍も1年が経過し、『どこかに家族で遊びに行きたい』とか『クルマを使って家族で遠くに行きたい』というニーズが高まっていることを感じます。
また、自粛が長く続いていたので、『少し贅沢をしてみよう』という心理的なものもあり、ミドルサイズのミニバンに再び注目が集まっているのかもしれません」
※ ※ ※
実際の価格差では、フリードのベースグレードが199万7600円に対し、ステップワゴンのベースグレード271万4800円でその差は71万7200円です。
この差を少しの贅沢ととるかは見解が分かれるところかと思いますが、フリードの2021年の販売台数は、1月が5000台(74.0%)、2月が5928台(81.0%)、3月が9764台(102.5%)、4月が5426台(90.0%)とステップワゴンと比べ前年比が厳しい状況にあるのは事実です。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
4月に「イチバン売れたクルマ」は何? “背の高いモデル”が人気か!? 納期「長すぎ問題」は解消か 24年4月の販売台数ランキング発表
くるまのニュース / 2024年5月8日 18時40分
-
スバルが新型「レガシィ“セダン”」発表! “精悍顔”が超カッコイイ「スポーティセダン」日本導入は? 米で発表もなぜ日本では「セダン」ないのか
くるまのニュース / 2024年4月20日 10時10分
-
中国「広汽集団」、三菱自の撤退で約600億円減損 独自ブランドの好調と合弁会社の苦戦に落差
東洋経済オンライン / 2024年4月17日 17時0分
-
トヨタ「シエンタ」対抗馬!? 日産「新型コンパクトミニバン」登場なるか!? 新型「セレナ“ミニ”」に期待が高まる理由とは
くるまのニュース / 2024年4月17日 10時10分
-
日産 キューブ復活はある? 新型の予想は2025年以降登場、価格は249万円から
MōTA / 2024年4月9日 15時0分
ランキング
-
1「スナップえんどう」の筋取りが、お家にあるアレを使うだけで簡単キレイに!驚きのアイデアに「目からウロコ」「見ていて気持ち良いー!」
まいどなニュース / 2024年5月6日 15時45分
-
2【実食レビュー】セブンイレブン、お値段そのまま「人気商品増量フェア」増量の具かぞえてみた - 2倍量、3倍量の“こんもり”盛り付けにテンション上がるぅ!
マイナビニュース / 2024年5月8日 16時16分
-
3PTA活動でおなじみ「ベルマーク」ってなに? 集めるとどうなるのか解説
マイナビニュース / 2024年5月8日 7時0分
-
4出張族が1万円以内で安く泊まるには? インバウンドと国内需要回復でホテル高騰
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月8日 9時26分
-
5「電通でも残業60%減」を実現したシンプルな原則 付け焼き刃の対策より「経営者の覚悟」が大切
東洋経済オンライン / 2024年5月8日 11時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください