新型「ホンダジェット エリートS」はどう進化? 約91kgの最大離陸重量増加で可能になったこととは
くるまのニュース / 2021年5月31日 14時50分
ホンダ エアクラフト カンパニーが、小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」の最新モデル「ホンダジェット エリートS」を発表しました。どんな特徴があるのでしょうか。
■さらなる進化を遂げたホンダジェットの最新モデル
ホンダの航空機事業子会社であるホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)は、2021年5月26日に初のオンライン発表会「Innovation Continues: Elite S」を開催。
同社の小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」の最新モデル「ホンダジェット エリートS」を発表しました。従来モデルと比べて、どのような点が進化したのでしょうか。
ホンダは1980年代から航空機の基礎研究を開始し、以降は実験機の飛行試験を重ねました。
その後、ホンダジェットの実験機が開発され、2003年に初飛行。2006年には、正式にホンダの航空機市場への参入が発表されました。
そして量産機でも試験飛行を重ね、2015年にはホンダジェットが型式証明を取得し、ユーザーへの引き渡しを開始。以降、販売は好調で、2017年から2021年の4年連続で小型ジェット機カテゴリーで世界トップのデリバリー数を達成しています。
また、機体の性能が向上した新モデルとして2018年に「ホンダジェット エリート」が発表されたほか、同年に既存のホンダジェットをアップデートする「APMGパフォーマンスパッケージ」も設定されています。
今回発表された最新モデルのホンダジェット エリートSは、従来モデルと比べて最大離陸重量が200ポンド(約91kg)増加しました。
より多くの積載物を搭載できるほか、あるいは搭載燃料の制限を緩和することで航続距離を最大120ノーティカルマイル(約222km)延長することが可能となっています。
アビオニクスシステムのアップグレードとしては、無線通信をテキストメッセージでおこなうFAA Data CommとACARS、およびパイロットの地上操縦時の負荷を軽減するASASシステムを導入。
これによりパイロットの負荷を軽減するほか、機体運用における安全性も向上しています。
また、安全に飛行するために設けられた重心位置移動許容範囲を拡大することで、積載物の重量の分配における制限も緩和されました。
既存のボディカラー(ブルー、アイスブルー、レッド、ルビーレッド、シルバー、ディープグリーンパール)に加え3色の新しい特別色も登場
ガンメタル、ラックスゴールド、ディープシーブルーが加わり、全9色展開となっています。
2015年に初の型式証明を取得して以降も、ホンダジェットは着実に進化を遂げているといえるでしょう。
それではここでクイズです。
ホンダジェットは、本田宗一郎氏およびホンダが長年夢として掲げていた「航空機事業への参入」が具現化した小型ジェット機です。
本田宗一郎氏(1906年~1991年)に関する記述について、適切でないものは次のうちどれでしょうか。
【1】ホンダ(本田技研工業)の創業者である
【2】自動車修理業に限界を感じて独立し、製造業へ進んだ
【3】トヨタで技術者としてのキャリアをスタートした
【4】四輪車製造を始める前は、二輪車を製造した
※ ※ ※
正解は【3】の「トヨタで技術者としてのキャリアをスタートした」です。
1906年に静岡県で生まれた本田宗一郎氏は、1922年に東京の自動車修理工場・アート商会で、丁稚(でっち)小僧として働き始めます。
1928年の4月にはアート商会浜松支店を開業し、その後製造業への転身を計画。ピストンリングに目をつけます。
ピストンリングの試作に成功した本田宗一郎氏は、アート商会浜松支店を1939年に弟子に譲り渡し、自身が社長として入社した東海精機重工業株式会社で、ピストンリングの生産技術を習得。トヨタや中島飛行機に納入できる品質の製品の量産に成功しました。
戦後、自称「人間休業」と称した休業期間を経て、1946年に本田技術研究所を浜松に設立。現在のホンダ(本田技研工業)へと繋がっていくのです。
※クイズの出典元:くるまマイスター検定
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