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魔改造!? それとも究極の進化系? コンパクトカーベースの高性能マシン5選

くるまのニュース / 2021年5月31日 6時10分

いわゆる「ホットハッチ」と呼ばれるクルマは、コンパクトカーをベースにした高性能モデルで、欧州や日本で人気がありました。しかし、さらに高性能化したとんでもないモデルも存在。そこで、コンパクトカーベースの高性能マシンを5車種ピックアップして紹介します。

■コンパクトカーをベースに大胆に手が入れられてクルマを振り返る

 一部例外がありますが、大半のクルマには複数のグレードが設定されており、経済性を重視した安価なグレードや装備が充実したグレード、そしてハイパフォーマンスなグレードがあります。

 そんな高性能なグレードはコンパクトカーにも波及しており、とくに3ドア/5ドアハッチバックのモデルでは「ホットハッチ」と呼ばれました。

 コンパクトカーの高性能グレードは比較的安価なモデルが多く、日本でも1980年代から1990年代の終わり頃まで高い人気を誇り、国産メーカー各社から販売されていましたが現在はだいぶ数が減ってしまいました。

 一方、高性能なコンパクトカーのなかには、とんでもなくハイパフォーマンスに仕立てられたモデルも存在。

 そこで、市販車だけでなく1台のみ製作されたコンセプトカーも含めて、コンパクトカーベースの高性能マシンを5車種ピックアップして紹介します。

●ルノー「5ターボ」

大衆車がベースながら見事に戦闘マシンに仕上がっている「5ターボ」大衆車がベースながら見事に戦闘マシンに仕上がっている「5ターボ」

 現在、ルノーのラインナップでもっともコンパクトなモデルは「トゥインゴ」ですが、トゥインゴの登場以前にエントリーモデルのポジションを担っていたのは「5(サンク)」です。

 初代5は1972年に誕生したFF大衆車で、スタイリッシュなフォルムと軽快な走りから欧州で大ヒットを記録。日本でも1976年から正規輸入されると、オシャレなフレンチコンパクトカーとして人気となります。

 ルノーはこの5をベースにしたマシンで、グループ4カテゴリーで戦われる世界ラリー選手権(WRC)に参戦を画策し、そのホモロゲーションモデルとして1980年に発売されたのが「5ターボ」です。

 ベース車はFFながら5ターボはエンジンを後席部分に縦置きに配置し、リアタイヤを駆動する2シーターのミッドシップカー(MR車)に作り変えられました。

 搭載されたエンジンは1.4リッター直列4気筒OHVターボで、市販仕様では最高出力160馬力を発揮。

 さらに、外観もトレッドの拡大とワイドタイヤの装着を前提に前後ともオーバーフェンダー化され、大衆車がベースとは思えないほどの戦闘マシンへと変貌。実際は5と共通するパーツはほとんど無く、ベース車の存在はそれほど重要ではありませんでした。

 作り込まれていたのは外観だけなく内装も同様で、初期のモデルでは色使いやデザインがモータースポーツベース車とは思えないほどアバンギャルドな装いとなっていました。

●トヨタ「GRヤリス」

トヨタがWRC参戦で培った技術を惜しみなく投入した「GRヤリス」トヨタがWRC参戦で培った技術を惜しみなく投入した「GRヤリス」

 前出の5ターボと同じく、ラリーを始めとするモータースポーツ参戦のベース車として開発されたのがトヨタ「GRヤリス」です。

 2020年9月に発売されたGRヤリスは、トヨタがWRCで培った技術を惜しみなく投入した4WDスポーツカーで、ストリート仕様の「RZ」に搭載されるエンジンは、大型の空冷インタークーラーを装備した新開発の1.6リッター直列3気筒ターボ。最高出力272馬力・最大トルク370Nmを発揮します。

 トランスミッションはブリッピング機能がある6速MT(iMT)のみで、新開発の駆動力可変型フルタイム4WDによって路面に伝えられ、運動性能と加速性能はまさにラリーマシンレプリカです。

 ボディはヤリスと同様なシルエットながら専用の3ドアハッチバックのみで、前後フェンダーは迫力あるオーバーフェンダーを採用してワイドトレッド化。

 ほかにもカーボン製ルーフパネルの採用や、ボンネットとドアパネルはアルミ製とするなど軽量化も図られ、4WDターボながら車重は1280kgを実現。

 なお、外観はRZと同様ながら、1.5リッター自然吸気エンジンにCVTを組み合わせたFFの「RS」や、モータースポーツベース車で快適装備を省いてRZから30kgダイエットした「RC」がラインナップされています。

●日産「マーチボレロ A30」

わずか30台限定で発売されたシリーズ究極のモデル「マーチボレロ A30」わずか30台限定で発売されたシリーズ究極のモデル「マーチボレロ A30」

 前出の2台とは異なるコンセプトで製作されたスーパーコンパクトカーが、日産「マーチボレロ A30」です。

 マーチボレロ A30は、日産車のコンプリートカーや特装車を数多く手掛けてきたオーテックジャパンの創立30周年を記念して、2016年9月に限定30台で発売されました。

 ベースとなったのはクラシカルにカスタマイズされたマーチボレロで、エンジンは「ノート NISMO S」にも搭載された1.6リッター直列4気筒の「HR16DE型」に、専用のクランクシャフト、コンロッド、カムシャフトなどを組み込み、さらに手加工によるポート研磨が施されて最高出力は150馬力まで向上。トランスミッションは5速MTのみとなっています。

 シャシは各部にブレースを追加して剛性アップが図られ、専用のサスペンション、フロントブレーキの大型化とリアブレーキがディスク化などにより運動性能が高められました。

 さらにボディは90mm拡大されたトレッドにあわせて、大きく張り出した前後フェンダーを採用。全幅はベース車の1665mmに対して1810mmと145mm拡幅されており、迫力あるフォルムはマーチとは完全に別モノです。

 内装もレカロ製シート、専用レザーハンドル、240km/hスケールのスピードメーターなどを装備してスポーティに演出。

 当時、マーチボレロ A30の新車価格は356万4000円(消費税8%込)とスタンダードなマーチボレロの2倍以上でしたが、限定30台はあっという間に完売しました。

■これぞ魔改造といえる2台のコンセプトモデルとは?

●フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI W12-650」

6リッターW12ツインターボという超ド級のエンジンを搭載した「ゴルフ GTI W12-650」6リッターW12ツインターボという超ド級のエンジンを搭載した「ゴルフ GTI W12-650」

 冒頭にあるホットハッチのイメージを確立したモデルといえば、1976年に欧州で発売されたフォルクスワーゲン初代「ゴルフ GTI」です。

 FFコンパクトカーのゴルフをベースに、エンジンやシャシ、足まわりをチューニングしてゴルフ GTIが仕立てられました。

 その後もゴルフ GTIはコンセプトを継承しながら代を重ね、現在は8代目が欧州でデビュー。

 歴代のゴルフ GTIのなかで大きく進化したと評されたのが5代目で、2007年にこの5代目をベースにつくられたスーパーマシンが「ゴルフ GTI W12-650」です。

 その名のとおり650馬力を発揮する6リッターW型12気筒ツインターボエンジンを搭載するコンセプトカーで、当時オーストリアで開催されたGTIファンミーティングでお披露目されました。

 ベントレー「コンチネンタルGT」から移植した巨大なエンジンは、前述の5ターボと同じくリアミッドシップに搭載されリアタイヤを駆動するMRです。

 トランスミッションはラグジュアリーセダンのフォルクスワーゲン「フェートン」用の6速ATで、リアサスペンションとリアブレーキはランボルギーニ「ガヤルド」のもの、フロントブレーキはアウディ「RS4」のものを流用するなど、まさにフォルクスワーゲングループのオールスターキャストの部品が組み合わされました。

 ボディはトレッドを拡大した結果ベースのゴルフ GTIよりも全幅は約16cm拡幅し、全高は約8cm低くされ、迫力あるフォルムを形成。

 なお、ゴルフ GTI W12-650はいわゆるハリボテではなく、ちゃんと走行が可能で、0-100km/h加速は3.7秒、最高速度は325km/hというパフォーマンスを発揮したといいます。

●ホンダ「N600 Powered by VFR800」

スポーツバイク用のV型4気筒エンジンを搭載した魔改造マシンの「N600 Powered by VFR800」スポーツバイク用のV型4気筒エンジンを搭載した魔改造マシンの「N600 Powered by VFR800」

 暦年の新車販売台数において4年連続で第1位を獲得する大ヒット車が、ホンダ「N-BOX」です。その源流は1967年に発売された同社初の軽乗用車「N360」にたどり着きます。

 1969年にはN360をベースに600cc空冷2気筒エンジンを搭載した「N600」が、ハワイを皮切りにアメリカ向けに輸出され、1970年からはアメリカ本土でも販売されました。

 N600は初代「シビック」ほどのヒット車にはなりませんでしたが、アメリカにおける販路拡大に貢献したといいます。

 このN600をベースに、まさに魔改造されたモデルが「N600 Powered by VFR800」です。

 エンジンはホンダのスポーツバイクである「VFR800」の800ccV型4気筒をフロントに搭載し、ベース車はFFですがFR化されています。

 ユニークなのがエンジンと共にVFR800のガソリンタンクもエンジンルームに収まっていることで、ベースがバイクということを強調。

 出力などの詳細なスペックは明らかにされていませんが、VFR800の日本仕様(2017年モデル)が最高出力107馬力を発揮することと、N600が車重500kgほどであることを考えると、かなりのハイパフォーマンスカーであることは想像に難くないでしょう。

 なお、このN600 Powered by VFR800は個人によって製作されましたが、秀逸な出来が高く評価され、2019年に世界最大のカスタムカーショー「SEMA SHOW」のホンダブースに展示されました。

※ ※ ※

 前出の5ターボやゴルフ GTI W12-650のように、ミッドシップ化されたコンパクトカーはほかにもあり、日本でも2003年に正規輸入されたルノー「クリオ ルノースポールV6」が挙げられます。

 また、5ターボと同じく、1980年代にラリーマシンとして開発されたグループBカーのランチア「デルタS4」、プジョー「206ターボ16」、MG「メトロ6R4」などがあり、今ではどれも伝説的なマシンです。

 しかし、WRCを戦ったグループBカーはスピードが上がりすぎて悲惨な死亡事故が立て続けに起こったから、1986年シーズンをもって消滅。まさに悲運のモンスターマシンといえます。

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