なぜ「ハンドルカバー」は軽ユーザーに人気? 見た目重視のお手軽カスタムの注意点とは
くるまのニュース / 2021年6月2日 9時10分
装着が簡単で車内のイメチェンが図れるドレスアップ用カーグッズは、カー用品店などで手軽に購入できることから人気があります。しかし、きちんと取り付けないと危険を伴うこともあるようです。
■手軽にイメチェン! 人気が高いドレスアップとは?
クルマの性能アップやほかの人とは違うクルマに仕立てるために、自分好みにカスタマイズを施すクルマ好きも多いでしょう。
また、本格的なカスタマイズとはいかなくても、カー用品店などで手軽に購入でき、簡単に装着できるインテリアのドレスアップ用カーグッズも人気が高いようです。
しかし、簡単に取り付けられるパーツを使ったドレスアップこそ注意する必要があるといいます。それは一体どのようなことなのでしょうか。
手軽にできるドレスアップとして真っ先に思いつくのが「ハンドルカバー(ステアリングカバー)」です。ハンドルは乗るたびに目に入り、常に触れている部分だけに、カスタマイズの需要が高いパーツです。
ハンドルカバーが人気アイテムになった背景には、エアバッグの普及が関係しています。
エアバッグが装着される前は、比較的簡単にハンドルの交換ができ、好みのデザインや輸入ブランドのハンドルに交換することで、インテリアの質感をグッとアップさせることもできました。
しかしエアバッグ装着が標準化されると、さまざまなセンサーを内蔵した純正ハンドルを社外品に交換するのはひと苦労。またエアバッグが装着できなかったり、できても追加で出費を強いられたりなどで徐々にハンドル交換自体が減っていきました。
これに代わって台頭してきたのがハンドルカバーだといわれています。純正ハンドルの上から被せるように装着するだけで、エアバッグの機能はそのままに、ハンドル交換したかのようなイメチェンが図れるとあって一気に人気が高まりました。
ハンドルカバーについて、カー用品店のスタッフに聞いてみました。
「ひと口にハンドルカバーといっても、材質やデザインの種類は非常に豊富です。材質では本革製、合成皮革製、低反発ウレタン製などが人気あります。以前はファーを使用したものもよく売れていましたが、操作しにくいこともあり、いまではしっとりと手に馴染み純正以上の操作感が得られるタイプが人気になっています」
ハンドルカバーと聞くと軽自動車を連想する人も多いのではないでしょうか。実際、軽自動車の装着率も高いようですが、それはなぜなのでしょうか。
「最近の軽自動車はインテリアの質感も向上しましたが、やはり普通車と比べてインテリアがチープな印象を与えやすく、コストダウンの影響もあって純正ハンドルに凝ったデザインが少ないことも関係しているようです。またハンドルから伝わる振動を抑えるためにハンドルカバーを装着する人も多いです」(カー用品店スタッフ)
なかでも低反発ウレタン製は振動をある程度吸収してくれる上に、握りが太くなることで操作しやすく、豊かなカラーや柄などバリエーションも豊富とあって人気だといいます。
とくに女性は明るいカラーを好む人が多く、ドット柄やヒョウ柄など可愛らしいデザインを優先する人が多いのも特徴とされています。
「装着に関して注意していただきたいのは、純正ハンドルが本革巻きの場合は表面のコーティング剤がハンドルカバーの内側と擦れて傷めてしまうこともあります。またカバーによって通気性が悪くなりカビなども発生しやすくなりますので、本革製ハンドルにはカバーは使用しないほうがいいと思います」(カー用品店スタッフ)
■取り付け方を間違えると運転に支障をきたす可能性も…
もうひとつ、手軽であるにもかかわらず、ドレスアップ上級者に見えるカーグッズが「フットペダル」です。現在ではとくにアルミ製のものが主流になっているそうです。
「社外品のフットペダルを装着するのも手軽なドレスアップとして人気あります。純正のものは味気ない黒一色が多いのですが、銀色に輝くアルミ製のフットペダルを装着するだけで、グッとスポーティな印象になります。車種専用セットなど、デザイン性も操作性も十分に考えられているものが多いです」(カー用品店スタッフ)
アルミ製フットペダル
なかにはアルミを、「肉抜き」と呼ばれるドリルド加工(穴あけ)によりさらに軽量かつスポーティに見せるものもあります。
「基本的に純正ペダルの上に被せるだけのタイプや両面テープで貼り付けるタイプが多く、装着時間もわずか数分で済みます。以前はスポーツカーに装着する人が多かったのですが、現在ではSUVやミニバンで装着するケースが一気に増えています」(カー用品店スタッフ)
ちなみにハンドルカバーやフットペダルに関しては厳密な規定がなく、装着した状態でも基本的に車検などは問題ありません。車検に影響がないというのも人気の理由のひとつでしょう。
手軽にできるドレスアップとして人気のハンドルカバーやフットペダルのカスタマイズですが、まったくのノートラブルとはいえない部分もあるようです。どんなトラブルに注意すべきなのでしょうか。
「ハンドルカバーがハンドルのサイズと適合していないケースが多いです。握ると内側でハンドルが泳いでしまい、操作性が悪化してしまいます。
値段や色、柄を優先して選んでしまうと、純正のハンドルにフィットしない場合もあるので、そういったトラブルがないように、お客さまには購入前にサイズ表などでご自身の愛車に適合しているかを確認していただくようにお願いしております」(カー用品店スタッフ)
たいていのクルマに標準で装着されているハンドルは、直径370mmから400mmとされています。以前は直径350mm以上でないと車検が通りませんでしたが、規制緩和によって操作に支障がなければ合格できるようになりました。
また最近ではトヨタ「プリウス」などで採用されている楕円形や、一部モデルでは「D型」のハンドルなどもあり、ハンドルカバーも適合したものでないと、操作に違和感があったり、とっさの操作に対応が遅れたりするなどのトラブルも考えられます。
「カバーなので当然握りも太くなります。滑り止め効果もあってハンドル操作がしやすく感じる人もいれば、太くなりすぎて逆に握りにくく感じる場合もあります。このあたりは販売店スタッフにご相談いただければアドバイスさせていただきます」(カー用品店スタッフ)
アルミ製フットペダルはさらに注意が必要です。もっとも多いのは、アルミ素材ゆえに滑ったり、両面テープの貼り付けがズレたりしてしまうというトラブルです。
「後付けのアルミ製フットペダルには滑り止め(ゴム)が付いているものも多いのですが、雨の日などで靴底が濡れているとかなり滑りやすくなります。
足は想像以上に力が加わるため、被せるタイプでも両面テープ固定タイプでもズレることがあります。
とくに両面テープ固定タイプはズレた状態で固まってしまうこともあるため、そうなった場合は貼り直して正しいポジションに戻す必要があります」(カー用品店スタッフ)
足元のペダルがズレた状態では、とっさの操作が必要な場面で操作に支障をきたす可能性もあります。
フットペダルは走行中に視認しづらい部分だけに、走り出す前に一度ペダルの操作感を試してみるのもいいかもしれません。
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