トヨタ、発表前になぜエアロ仕様公開? 新型「GR86」の異なる6台が凄い!
くるまのニュース / 2021年6月8日 17時10分
2021年4月5日にオンラインにてトヨタ新型「GR86」とスバル新型「BRZ」のプロトタイプがお披露目されました。この2台の正式発表はまだですが、先行してアフターパーツブランドのカスタムカーがお披露目されたようです。
■新型「GR86」がカスタム業界を盛り上げる!? 有名ブランドのカスタムカー大集合!
富士スピードウェイで開催された「FUJI 86STYLE with BRZ 2021」。86とBRZのオーナーやファンを対象としたイベントで、とくに2021年は大きな意味を持っていました。
すでに存在が正式にお披露目されたトヨタ新型「GR86」とスバル新型「BRZ」が発売を控えているからです。さらに、今回のイベントではそれぞれのカスタム仕様もそれぞれのアフターパーツブランドが登場していました。
新型GR86と新型BRZは、2021年4月5日にオンラインにてプロトタイプをお披露目。その後、国内最高峰モータスポーツといわれる「スーパーGT」の会場にて、一般ファン向けに実車が公開されていましたが、今回はより多くの86やBRZファンの前に姿を現したこと、大きなトピックといっていいでしょう。
一方で、今回が初公開となる新型GR86や新型BRZもありました。それはパーツを装着したカスタマイズモデルです。
イベントでは、トヨタの本流ともいえる「GRパーツ」を装着したモデルが展示され初お披露目となっていたほか、有名アフターパーツブランドが製作した7台も新たにお披露目されています。
トヨタのレース活動でもおなじみTOM’Sがお披露目したGR86は、オレンジのカラーが刺激的です。
このカラーには大きな意味があり、GR86のルーツとなるレビン/トレノの初代モデル「TE27」型へのオマージュ。大人のスポーツカーを目指してカスタマイズされました。
エクステリアはオーバーフェンダーが目立つほか、フロントバンパーの先端に装着したパーツによるノーズ延長などのさりげない演出も盛り込まれています。
BLITZの「GR86 Concept」では、バンパーやリアウイングに加え、リアにはオーバーフェンダー、フロントにはブリスターフェンダーを装着することで全幅を拡大。
フロントフェンダーは一見したところノーマルと近い形状ですが、片側で9mm張り出しているのに加え、フェンダー後方にあるアウトレット上は標準車にある「パネルの継ぎ目の線」がなくなってスッキリしたスタイルが印象的で、このフェンダーも市販前提で開発が進んでいるというから楽しみです。
また、新型GR86ではシフトノブやサイドブレーキレバーなど従来なかったアイテムも用意するといいます。
総合チューニングパーツメーカーであるHKSの「GR86」用パーツでは、スタイリングパーツをはじめサスペンションや排気系などひととおり手が入っているのに加え、注目は過給機の装着。
定番のターボではなくスーパーチャージャーをドッキングし、「もっとパワーが欲しい」というニーズに応える新型GR86を提案しました。
※ ※ ※
あるカスタマイズメーカーのスタッフは、新型GR86や新型BRZについて次のように語っています。
「このところ手頃なスポーツカーが減り、(初代86が登場する前は)トヨタ4代目「カローラレビン/スプリンタートレノ」(AE86)や日産「シルビア」など古いクルマ向けのパーツでなんとか凌いできました。
そんななか(初代)86が登場したことで市場が喚起され、私たちの仕事がさらに続けられることになったのです。
そして新型が登場したのだから、商売が10年長く続けられるのではないでしょうか(笑)。86とトヨタには感謝しかありません」
このように胸の内を教えてくれました。カスタマイズ率の高い86やBRZは、パーツメーカーにとっても嬉しい存在のようです。
それにしても、発売前にもかかわらず多くのブランドですでに(試作品とはいえ)エアロパーツまで作られているのだから驚きです。
■初代86のデザイナーが手掛けた新型GR86のエアロとは?
TRUSTのGR86用パーツは、同じくカスタマイズブランドのVOLTEXとのコラボでデザインされたエクステリアパーツを装着したトラストのデモカー。ターボを装着したエンジンが特徴です。
現時点では部品を組み込んだだけの状況で「しっかりとセッティングが施されていないため数値的なものはこれから」とのことです。
しかし、先代では約100馬力ものパワーアップを実現しているだけに、さらなるパワーを求めるニーズに応えてくれる存在といえるでしょう。もちろん保安基準を満たし、車検にも対応します。
SARDのGR86は、コンプリート販売を視野に入れた市販化を前提に開発を進めています。
エクステリアはエッジを効かせた独自のデザインが印象的です。
注目ポイントは、このデザインが初代86の前期モデルを手掛けたデザイナーによるものということ。トヨタを退職したのち、SARDとタッグを組んでデザインしたそうです。
初代86のデザイナーが手掛けているSARDの「GR86」カスタムカー!
CUSCOでは、ラリーをイメージコンセプトとしてつくられた「GR86 Rally Concept」が展示されていました。
とはいえ特定のレギュレーションになどにあわせて作られているわけではなく、あくまでもイメージとしてラリーをモチーフとし、同社が得意とするボディ補強パーツやロールケージ、LSDなどが組み込まれています。
※ ※ ※
これら展示された車両は基本的にすべて市販予定のパーツが組み込まれたものです。
いずれのブランドも「鋭意開発中」だといいます。そう聞くと、まだ市販車が正式発売される前の段階から、各パーツメーカーが開発をしていることに驚く人も多いのではないでしょうか。
これは通常の新型車ではありえないことですが、トヨタが86の世界を盛り上げるために、発表前のクルマをパーツメーカーへ提供してカスタマイズパーツの開発を促しているのです。
そこから見えてくるのは、トヨタが86のアフターマーケットを活性化しようという姿勢。
カスタマイズパーツメーカーも巻き込んで86を盛り上げる、自動車メーカーとしては異例の試みがおこなわれているのです。
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