驚愕の4000万円! 「190Eエボ2」が「M3」よりもはるかに高額な理由とは?
くるまのニュース / 2021年6月11日 11時10分
DTMに参戦するためのホモロゲーションモデルは常に人気のクルマだが、メルセデス・ベンツとBMWが熾烈な争いをしていた1990年前後のモデルはいま、どれくらいの価格で取引されているのだろうか。最新オークションの結果から調査してみた。
■クルマの価値は、オークション開催地でも変わる
モータースポーツの世界で激しい争いを続けていたライバルであったメルセデス・ベンツ「190E 2.5-16EVOLUTION II」と、BMW「M3」。
どちらも市販車をベースとしたツーリングカーレースに出場するために必要なホモロゲーションを取得するためのクルマで、中古車市場でもいまだに人気が衰えない。
では2021年現在、どちらのクルマの人気が高いのかを調べるために、ほぼ同じ時期にオークションで落札された190Eエボ2と、M3で比較してみよう。
オークション結果を伝える前に、それぞれの個体がどういう状態なのかをまずは確認しておこう。
190E 2.5-16エボ2だが、これは1990年にフランクフルトで納車された個体で、全生産台数502台のうちの1台。その購入時のオーナーの元、定期的にメンテナンスがおこなわれており、最新のメンテナンス履歴は2020年3月にボディセラミックコーティングが施工されている。走行距離は2万7500kmだ。
樹脂製インテリアパネルやレザーシートにはスレなどがなく、エンジンルームも美しさを保っている状態だ。
走行距離は2万7500kmのメルセデス・ベンツ「190E 2.5-16エボリューション2」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
一方のM3は、人気が高いレーシングパターンのトランスミッションを装備した個体だ。レーシングパターンとは、通常左上に1速、左下に2速、中間上が3速となっているシフトパターンとは違い、左下に1速、中間上が2速で中間下が3速となっているもの。サーキットではほとんど1速を使うことはなく、ヘアピンコーナーでも2速しか使わないため、こちらのほうが2速から3速へのシフトに要する時間が短くなり、またシフトミスも起こりにくいということもあって、スポーツ走行をするしないにかかわらずBMWフリークの間では人気がある。
この個体は新車でBMW本社に納入され、その後1989年9月までのわずかな期間、BMWの社用車として使われていた。社用車といっても、どのような使われ方をしていたのかは不明だ。
装備としてはパワーサンルーフやプレミアムサウンドシステム、軽量アロイホイールなど多くのオプション品が装備されているが、それは社用車として使うということも大いに関係しているのかもしれない。
BMW社が手放したあと、一般のオーナーの手に渡っており、現在の走行距離は14万kmあまりとなっている。写真を見る限り、ダイヤモンドブラックのボディやエンジンルーム、インテリアなどは、非常にコンディションがいい状態を保っているようだ。
走行距離は14万kmほどのBMW「M3」(C)2021 Courtesy of RM Sotheby's
では、落札価格を比較してみよう。
まず190E 2.5-16エボ2はアメリカで出品され、37万9000ドル(邦貨換算約4120万円)という高額での落札となった。一方のM3は、オランダで出品されており、5万2000ユーロ(約690万円)で落札されている。
このM3の落札価格は妥当なものといえるのだが、190E 2.5-16エボ2の4000万円というのは、昨今の相場と比べてみても高すぎるプライスだ。もちろん、エボ2は500台程度の生産台数しかない希少価値というのはある。落札された個体はワンオーナーでメンテナンスもしっかりおこなわれおり、走行距離が少ないというのもポイントだ。とはいえ、数年前なら2000万円でも落札されなかった190E 2.5-16エボ2が、4000万円というのは驚きのハンマープライスだ。
これには、25年ルールによって価値が高まりつつあるアメリカで正規販売されていなかった日本車も含む『エキゾチック・スポーツカー』人気が、その背景にあるのかもしれない。つまり、投機対象としてのクルマということだ。
オークションの世界では、開催される場所によっても落札価格に差が生じてしまうものなのだ。
いずれにしても、今回の落札価格対決は、190E 2.5-16エボ2が圧勝する結果となった。M3が初期の2.3リッターではなくて、「スポーツエボリューション2」であったなら、もう少しその差は縮まっていただろう。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
世界30台未満の日産「“激レア”スカイラインGT-R」NISMOフルチューンで約450馬力!?「VスペックII ニュル」約4760万円で落札
くるまのニュース / 2024年9月14日 13時10分
-
1000馬力超え! スバル新型「“和製”スーパーマシン」! 「ヤマハ製パワトレ」搭載で“最速”目指す「STI E-RA」とは
くるまのニュース / 2024年9月12日 14時10分
-
新型「大きな高級車」発売! めちゃ豪華内装に「爆速エンジン」を搭載! “限定40台”の四駆セダン 新型「GTL」が凄かった!
くるまのニュース / 2024年9月8日 21時10分
-
222万円!? ホンダ「26年落ち軽トラ」出現! なぜ“型落ち・汚れあり”なのに新車価格「2倍以上」に? 5速MT&4WDの赤い「アクティ」が米で高額落札
くるまのニュース / 2024年8月31日 7時40分
-
メルセデス・ベンツはレースカー運搬車も速かった! このクルマの名前は?
マイナビニュース / 2024年8月27日 11時30分
ランキング
-
1「結局、水筒にスポーツドリンクを入れるのはNGなの?」「炭酸飲料は?」 水筒に入れていいもの/いけないものを企業が解説
Fav-Log by ITmedia / 2024年9月18日 18時48分
-
2サンガリアの飲料に「金属片」混入か…… 4商品24万本を自主回収 「心よりお詫び」
ねとらぼ / 2024年9月18日 18時58分
-
3急なゲリラ豪雨でも大丈夫!ダイソーアイテムでバッグのびしょ濡れ回避
女子SPA! / 2024年9月18日 15時45分
-
4"時代遅れ"の「ファミレス」とくに厳しい店の正体 ガスト等の安い店より、中価格帯のほうがキツい?
東洋経済オンライン / 2024年9月18日 10時0分
-
5コスパが良いと思うエアコンのメーカーランキング! 2位「ダイキン」、1位は?【家電のプロが解説】
オールアバウト / 2024年9月18日 20時35分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください