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4億円オーバー! フェラーリ「F50」はF1に最も近いロードカーだ

くるまのニュース / 2021年6月11日 19時10分

フェラーリの「288GTO」から続くスペチアーレの系譜にあって、希少性、性能など第一級であったにもかかわらず、不思議と「F40」の陰に隠れていた感のある「F50」が、オークションマーケットで正当な評価を受けるようになったようだ。最新オークション結果からF50を振り返ってみよう。

■フェラーリ「F50」の市場価格が高騰中!

 フェラーリ「F40」に続いて、フェラーリの創立50周年を祝するためのアニバーサリー・モデルとして「F50」が発表されたのは、1995年のジュネーブ・ショーでのことだった。

 これは正確には創業年よりやや早いデビューとなるが、フェラーリは最後の1台を1997年の50周年時にデリバリーすることでそれを祝うのだと、当時説明していた。

 F50は、前作のF40から、技術的には大きく進化したモデルだった。その象徴的な存在といえるのが、基本構造体をこれまでのスチール製スペースフレームから、さらに軽量で高剛性なカーボン製のモノコックとしたことである。単体重量でわずか125kgしかないモノコックは、F50の走りを当時のF1マシンレベルにまで引き上げることに成功したのである。

●1995 フェラーリ「F50」

 さらに興味深いのは、リアミッドに搭載されるパワーユニットだ。F50に搭載されるエンジンは、65度のバンク角を設定した自然吸気のV型12気筒で、排気量は4698cc。F1用のエンジンと同様に、ノジュラー鋳鉄製の鍛造ブロック、ヘッドにアルミニウムを採用している。その理由は、エンジンそのものをカーボン製のモノコックタブにリジッドマウントするという、つまりエンジンそのものを構造体の一部として使用するF1マシンの設計理論をそのまま継承したからにほかならない。

 そのためF50のドライバーとパッセンジャーは、走行中にかなりの振動と騒音に悩まされることになった。そのため後継車の「エンツォ・フェラーリ」以降のスペチアーレでは、通常のミッドシップ車と同様にリアサブフレームをモノコックに接合、パワーユニット一式はその上にマウントされる仕組みに変更されている。ちなみにF40と違って脱着式のルーフが採用されたのは、振動が激しかったためである。

 こうした意味においては、F50がもっともF1マシンに近い走りが味わえるスペチアーレともいえるのだ。

 最高出力&最大トルクは、513ps & 471Nm。トランスミッションは、まだオーソドックスな6速MTである。

 前後のサスペンションもF1マシンの構造に似たプッシュロッド方式が採用されている。フロントサスペンションのマウント部には、あらかじめそのためのセットマウントが鋳込まれており、またリアサスペンションはトランスミッションケースに直接支持される形式を採っている

 エクステリア・デザインは、F40の時代から大きく変化した。F50というスペチアーレは、もちろん走るために生まれ、そしてその走りもまた世界のトップレベルを極めなければならなかった。F50のスタイルは、まさにその宿命を物語るが如く、エアロダイナミクスの極致ともいえるもの。現代の目でみてもそれは、レーシングカーのそれにも近い凄みと、そしてまた美しさを持つ。

 今回RMサザビーズのアメリア・アイランド・オークションに出品されたF50は、349台が生産されたモデルのなかで48番目のシリアルを持つモデルだ。

 フェラーリのおもなマーケットというと、やはりアメリカが最初に考えられるが、F50に関してはアメリカへと正式にデリバリーされたモデルはわずか55台にすぎない。

 さらにこのモデルは2018年に5100マイルの走行距離で本格的なサービス作業を受けているので、現在の状態は新車に匹敵するものと考えてよいのだろう。

 F50というスペチアーレの貴重さは広く知られるところであり、今回のオークションでも最終的な落札価格は377万2500ドル(邦貨換算約4億1000万円)という驚異的な数字を記録した。

 それはフェラーリのスペチアーレ、いやフェラーリというブランドが、オークションの世界でいかに圧倒的なバリューを持つのかが証明された瞬間だった。

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