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VW新型「ゴルフ」日本上陸! なぜ歴代ゴルフはライバル車の目標とされてきたのか

くるまのニュース / 2021年6月16日 8時10分

2021年6月、ついにVW新型「ゴルフ」が日本に上陸した。1974年の初代モデル登場以来、VWゴルフはいつの時代も「セグメントリーダー」と呼ばれ、常にライバル車の目標であり続けている。なぜゴルフはそういう存在になっているのだろうか。

■現代に続くFFハッチバックの「原型」

 ついに8世代目となる新型「ゴルフ」、通称ゴルフ8が日本に上陸した。

 新型ゴルフを理解するキーワードは、「インテリジェント」「コネクテッド」「電動化」だ。大型ディスプレイなどクルマとドライバーのインターフェースの多くをデジタル化し、コネクテッド機能と結び付けている。

 パワートレインにはフォルクスワーゲン(VW)初の48Vマイルドハイブリッドを採用した。日本に導入されるのは1リッターと1.5リッターの2種のTSIエンジンだ。価格は291万6000円(消費税込、以下同)から375万5000円となる。

 先代のゴルフ7は、日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得するなど高い評価を得た。当然のように、Cセグメント・ハッチバックを代表するモデルとして認知されたのだ。いわゆるセグメントリーダーとなる。そして、歴代ゴルフは、それぞれの時代で常にセグメントリーダーと呼ばれていた。その理由はどこにあるのかを考えてみたい。

* * *

 まずは、ゴルフの歩んできた歴史を振り返ってみよう。

 初代ゴルフが登場したのは1974年のこと。ジウジアーロが率いるイタル・デザインがかかわった初代ゴルフは、直線基調のボクシーなFFモデルとして登場した。クルマの後ろにトランクスペースを持たない2ボックススタイルを採用。いまでこそ直線基調の2ボックスFFモデルなど珍しくともなんともないが、1970年代初頭としては非常に斬新なものだった。

 思い起こしてほしい、ゴルフ登場以前の1950年代から60年代にかけてのカーデザインのトレンドは、テールフィンや流線形であり、丸みを帯びたボディのクルマばかりであったのだ。この流行は米国車だけではなく、ドイツ車もそうだった。そこに登場した初代ゴルフは、斬新さと合理的な使いやすさで、すぐに大ヒットモデルとなる。

 このヒットでVWは救われる。じつのところ1960年代から70年代初頭のVWは苦悩していた。

 偉大な大ヒットモデルである「ビートル(タイプ1)」の後継を生み出すことができなかったのだ。空冷エンジンを車体後端に載せて後輪を駆動するビートル。そのメカニズムを流用した後継モデルは、どれも大ヒットには至らなかった。

 そこに登場したのがゴルフであった。水冷エンジン、前輪駆動(FF)、エンジン横置き、そして直線基調デザインというゴルフは、ビートルとは正反対のキャラクターともいえる。

 しかし、その革新性によってビートルの後継車としての座を勝ち取ることに成功した。

■ホットハッチ「ゴルフGTI」の登場も衝撃だった

 初代ゴルフは生産開始から2年弱(22か月)、1976年3月に累計生産台数50万台を達成。それからわずか7か月後の同年10月には100万台の大台もクリアする。まさに大ヒットとなったのだ。

 その大ヒットにさらに勢いを加速させたのが、1976年6月に追加された「ゴルフGTI」だ。

1976年に登場した初代「ゴルフGTI」。最高速度は183km/hだった1976年に登場した初代「ゴルフGTI」。最高速度は183km/hだった

 キャブレターの代わりにインジェクションを採用し、1.6リッターエンジンは最高出力110psまでにパワーアップ。足回りも強化されたハイパフォーマンスバージョンだ。

 ちなみにスタンダードなゴルフのエンジンは1.5リッターで70ps。ゴルフGTIはスタンダードモデルよりも1.5倍以上の出力を誇っていたのだ。これもちろん、当時のコンパクトカーとして破格なパワーだ。同時代のメルセデス・ベンツのコンパクトクラス「W123」やBMW「3シリーズ」、「5シリーズ」のエントリーモデルよりもパワフルであったりしたのだ。

 斬新なスタイルと、GTIによる脅威のパフォーマンス。これにより、ゴルフのセグメントリーダーとしての歴史がスタートした。

初代「ゴルフGTI」のインパネ。シフトノブがゴルフボールのカタチになっている初代「ゴルフGTI」のインパネ。シフトノブがゴルフボールのカタチになっている

 また、水冷エンジン×FFプラットフォームを手に入れたVWの飛躍も、ゴルフとともにスタートするのであった。

 その後、ゴルフは1983年に第2世代、1991年に第3世代、1997年に第4世代、2003年に第5世代、2008年に第6世代、2012年に第7世代へと続く。

 世界的なヒットモデルとなったゴルフは、それぞれの世代で、常にセグメントリーダーにふさわしい、最新テクノロジーが積極的に採用された。

 生産工程にロボットを採用したゴルフ2。ゴルフ3時代には大型セダンに匹敵する走りを見せる「ゴルフVR6」を追加している。

 またゴルフ4では品質を大幅に向上させた。ゴルフ5はでターボとスーパーチャージャーを組み合わせたツイン過給のTSIエンジンを投入。DCTトランスミッションの採用もゴルフ5からとなる。

 さらにゴルフ6で熟成された、排気量を下げて燃費性能を高めるダウンサイジングコンセプトは、世界のトレンドの先駆けともなっている。そして先代となるゴルフ7では汎用性の高いMQBプラットフォームを採用。日本カー・オブ・ザ・イヤー獲得をはじめ、世界中で高い評価を得ているのだ。

* * *

 個人的には、ゴルフが常にセグメントリーダーの座を守り続ける理由は「VWの顔となるモデルである」というのが大きいと思う。

 数ある自動車メーカーの中でも、VWの存在感はトップクラスだ。その顔となるモデルがゴルフである。

 技術力とお金のかかった開発がおこなわれるからこそ、優れたクルマが生まれたのだろう。また、欧州屈指の技術先進国であるドイツというプライドもあるはずだ。

 さらにドイツは、速度無制限区間もある高速道路のアウトバーンがある。リアルに優れた走行性能が求められ、そして実際に日常的に使われるという環境があるのだ。そうした数々の理由が重なって、ゴルフのセグメントリーダーとしての存在感が実現するのではないだろうか。

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