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ツインキャブがイカしてる! アナログ時代のホットなコンパクトカー3選

くるまのニュース / 2021年6月16日 16時10分

1980年代に国産車の高性能化が一気に加速しました。それと同時にエンジンの電子制御化が進み、現在では車体全体が高度に電子制御化されています。一方、かつてはキャブレターを使って高性能化したモデルも多数存在。そこで、アナログな時代に誕生したホットなコンパクトカーを、3車種ピックアップして紹介します。

■アナログながら高性能化したコンパクトカーを振り返る

 現在、新車で販売されているクルマのパワーユニットは、すべて電子制御化されています。純粋なガソリン車でも燃料マネージメントや点火時期、駆動力の制御などはコンピューターなくしては考えられません。

 国産車では1970年代にエンジンの電子制御化が始まりましたが本格的に普及したのは1980年代で、緻密な燃料マネージメントが可能になったことから、高出力化や低燃費化を達成。とくにターボエンジンには必要不可欠といえました。

 今ではエンジンのみならず、駆動系やサスペンション、ブレーキなど、車体全体が電子制御化されており、統合して制御するのが一般的です。

 一方、1970年代に誕生したモデルの多くは一切の電子制御を用いることなく、機械式のキャブレターによって高出力化を目指していました。

 そこで、アナログな時代に誕生したホットなコンパクトカーを、3車種ピックアップして紹介します。

●日産「チェリー X-1」

日産初のFF車でレースでも活躍した「チェリー X-1」シリーズ日産初のFF車でレースでも活躍した「チェリー X-1」シリーズ

 日産はマイカー時代の到来に向け、1966年に初代「サニー」を発売。トヨタ初代「カローラ」と並び日本を代表する大衆車となりました。

 また、同時期には欧州で本格的なFFコンパクトカーが普及しはじめており、日産はFRのサニーよりも小型でFFのコンパクトカー「チェリー」を発売。

 1970年に誕生したチェリーは同社初のFF車として開発され、FFのメリット生かしてひとクラス上の「ブルーバード」に匹敵する室内空間を実現しました。

 発売当初のボディバリエーションは2ドアセダンと4ドアセダンでしたが、1971年にはスポーティな3ドアクーペが加わります。

 ボディサイズは全長3610mm×全幅1470mm×全高1375mmで、グレードは「スタンダード」「セミデラックス」「デラックス」「GL」「X-1」の5グレードを展開。

 エンジンはサニー用に開発された1.2リッター直列4気筒OHVの「A12型」で、トランスミッションをエンジンの下に配置する2階建て構造とし、エンジンルーム内へ横置きに搭載しています。

 この2階建て構造はイギリスのBMC「ミニ」がすでに採用しており、エンジン全高が高くなるデメリットがありますが、コンパクトなシリンダーヘッドのOHVエンジンでは大きな問題とはならず、トランスミッションを含めたエンジン全長を短くできるメリットがあり、後継車の「チェリーF-II」、初代「パルサー」にも引き継がれました。

 そして、もっとも高性能なX-1ではSU型ツインキャブレターが奢られ、最高出力80馬力(グロス、以下同様)を発揮。

 さらに1973年には同エンジンを搭載し、「スカイラインGT-R」や「フェアレディ240Z」をイメージさせるオーバーフェンダーを4輪に装着した「クーペ X-1R」がラインナップされ、走りだけでなく見た目にもスポーティさを強調しました。

 その後、1974年に前出のチェリーF-IIへとモデルチェンジ。1978年にはパルサーが登場して日産の小型車はFFがスタンダードとなり、現在に至ります。

●三菱「ギャランクーペFTO」

コンパクトサイズのFRクーペとして開発された「ギャランクーペFTO」コンパクトサイズのFRクーペとして開発された「ギャランクーペFTO」

 現在、三菱のラインナップはSUVが中心ですが、かつては魅力的なスポーツカーを数多く輩出してきました。

 1970年には、スタイリッシュな外観の2ドアファストバッククーペの「コルトギャランGTO」がデビュー。日本車離れしたスタイリッシュな外観とパワフルなエンジンで人気となりました

 さらに1971年にはコルトギャランGTOの弟分にあたる、コンパクトな2ドアFRクーペの「ギャランクーペFTO」を発売。

 既存の1.4リッター4気筒OHVエンジンを転用し、ボディパーツも既存の車種から流用することで、開発期間の短縮とコストダウンを図り、スタイリッシュながら55万8000円(東京価格)からと安価な価格設定を実現しました。

 ボディサイズは全長3765mm×全幅1580mm×全高1330mmとロー&ワイドなフォルムで、グレードは「GI」「GII」「GIII」の3グレードを展開。

 GIとGIIのエンジンはシングルキャブレターで最高出力86馬力を発揮し、トップグレードのGIIIではツインキャブの装着とカムプロフィールの変更、高圧縮比化、点火時期の最適化などのチューニングによって最高出力95馬力へと向上。

 そして、発売から2年後の1973年のマイナーチェンジでは、エンジンを1.4リッターと1.6リッターのSOHCエンジンに換装。高性能グレードの「GS-R」のツインキャブエンジンは110馬力を発揮し、4輪にオーバーフェンダーが装着されるなど、本格的なコンパクトスポーツカーへと進化して1975年まで生産されました。

●ホンダ「シビック RS」

初代のなかでも短命だった高性能グレードの「シビック RS」初代のなかでも短命だった高性能グレードの「シビック RS」

 ホンダは1972年に新世代のFFコンパクトカーとして初代「シビック」を発売しました。

 ボディの四隅にタイヤをレイアウトして広い室内空間を実現するとともに、軽量な車体によって優れた燃費と軽快な走りから大ヒットを記録。

 グレード構成は「スタンダード」「デラックス」「ハイデラックス」「GL」の4タイプで、ボディサイズは全長3405mm×全幅1505mm×全高1325mmと、現在の軽自動車よりもわずかに大きいくらいのコンパクトさです。

 デビュー当初は最高出力60馬力の1.2リッター直列4気筒SOHCエンジンを搭載した2ドアのみでしたが、1973年には排出ガス浄化技術「CVCC」を採用した1.5リッター車がデビューし、アメリカでも大ヒットを記録。

 ボディタイプも3ドアハッチバックと4ドアが加わり、バリエーションの拡充が図られました。

 そして、CVCC車登場の直後である1974年に、高性能モデルの「RS」が登場。RSはCVCCを採用しないスタンダードなシリンダーヘッドの1.2リッターSOHCエンジンで、CV型ツインキャブレターが装着され、最高出力は76馬力まで向上。トランスミッションは5速MTのみです。

 足まわりは欧州仕様のハードセッティングで、タイヤは12インチから13インチにアップしたラジアルタイヤを標準装備し、それに合わせて前後フェンダーのアーチが拡大されています。

 内装ではスポーツシートにウッドステアリング、ウッドシフトノブを装備し、ダッシュボードには「RS」のエンブレムを装着することでスポーティに演出。

 しかし、RSは排出ガス規制の強化から1年も経たずに販売を終了。後継モデルとして1.5リッターCVCCエンジンを搭載した「RSL」が登場しましたが、エンジンの仕様はスタンダードモデルと変わりませんでした。

※ ※ ※

 今回、紹介した3車種が登場した以降は、排出ガス規制の強化からツインキャブエンジンなどの高性能エンジンは激減し、いわゆる「牙が抜かれた」時代に突入しました。

 しかし、前述のとおり1980年代にはエンジンの電子制御化や触媒の進化、そしてターボエンジンの普及で再び高性能化が加速することになります。

 その後も度重なる排出ガス規制の強化が図られましたが、同時にエンジンの高性能化もさらに進み、まさに技術の進歩の賜物といえるでしょう。

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