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VW新型「ゴルフ」速攻試乗!1リッターと1.5リッターはどう違う? オススメはどっち?

くるまのニュース / 2021年6月17日 11時10分

2021年6月15日に日本に上陸した8世代目となるVW新型「ゴルフ」。まずは1リッターと1.5リッターのガソリンターボエンジンを搭載した4グレードで登場したが、どちらも48Vマイルドハイブリッドシステムを搭載、「eTSI」として展開している。新型ゴルフに試乗した。

■48Vハイブリッドシステムがなめらかな走りを生んでいる

 ドイツ語で「国民車」という意味を持つ「Volkswagen(フォルスクワーゲン)」の代表車種といえば、誰もが知る「ゴルフ」だ。

 空冷水平対向エンジンをリアに搭載していた「タイプI(通称:ビートル)」の後継車として、前輪駆動(FF)の初代ゴルフが誕生したのが1974年だから、すでに47年が経っている。そして今回、ゴルフ8と呼ばれる8世代目の新型ゴルフが日本に上陸した。

 フルモデルチェンジにも関わらず、角張った2ボックス形状、前に傾いた太いCピラーによって、初めて見てもゴルフとわかる。

 エクステリアデザインはほとんど変わらないように見えるが、空気抵抗係数(Cd値)は先代の0.3から、新型は0.275へと大幅に減った。高速道路での燃費削減と風切り音の低減に大いに役立つはずだ。

 写真で見るより実車のほうがスタイリッシュだと思うのは筆者だけではないだろう。とくにフロントデザインは、新しいゴルフというイメージが強く出ていていい感じだ。

 室内では、全グレードで標準装備されたデジタルコクピットと10インチタッチスクリーンが目立つ。ダッシュボードやドアの内張りなどの質感も、先代モデルより高級感が出ている。トランスミッションのセレクターは電子式で、その前に四角いエンジンスタートストップスイッチがレイアウトされている。

 今度のモデルチェンジで大きく変わったパワートレインに興味を持った。「eTSI」と呼ぶ新しいシステムはマイルドハイブリッドである。1リッター直列3気筒ターボ「1.0eTSI」と1.5リッター直列4気筒ターボ「1.5eTSI」が用意され、7速DSG(DCT))が組み合わされるが、48Vのベルト駆動式スターター・ジェネレーターとリチウムイオンバッテリーが備わることで、こまめにエンジンを停止、必要なときには48Vモーターが駆動を助けてくれるのだ。

 1リッターエンジンも1.5リッターエンジンも、アクセルペダルを戻したコースティング状態で走行するとエンジンが止まり、惰性で走る。ここからアクセルペダルを踏み込むと、48Vモーターにより素早くエンジンがかかりクラッチを繋ぎ、そこから違和感なく加速状態に移る。

 コースティング状態からブレーキペダルを踏むと、クラッチが繋がりエンジンブレーキが効き、48Vジェネレーターで発電しながらスピードダウンしていく。40km/h以下のスピードが低いところからブレーキペダルを踏むとエンジンは再始動せず、クルマが停止するまでかからない。

 エンジンがかかってムダに燃料を消費しないという目的に対して、マイルドハイブリッドではあるが本格的なハイブリッド車と同じように作動してくれる。さらに48Vのメリットは、配線を太くしなくても済むので軽量化になるし、スターター・ジェネレーターになるモーターとリチウムイオンバッテリーはコンパクトで済むので、ストロングハイブリッドに対して軽量化だけでなくイニシャルコストを下げることにも貢献している。

VW新型「ゴルフeTSI スタイル」のインパネVW新型「ゴルフeTSI スタイル」のインパネ

 販売価格を抑えることは、国民車として広く浸透させるために重要なことだ。48Vマイルドハイブリッドシステムが、欧州モデルを中心にこれから続々と搭載されていくことを新型ゴルフは教えてくれているようだ。

■1人&2人乗車が多いなら「1.0eTSI」でも十分

 新型ゴルフは、まずは4グレードでの展開になる。「eTSIアクティブベーシック」と「eTSIアクティブ」は1リッターeTSIエンジン、「eTSIスタイル」と「eTSI Rライン」は1.5リッターeTSIエンジンを搭載する。

 1リッターeTSIは、最高出力110ps/5500rpm、最大トルク200Nm/2000-3000rpmを発揮する。また1.5リッターeTSIは150ps/5000-6000rpm、250Nm/1500-3500rpmとなる。

 さらにそれぞれモーターが9.4kW(13ps)・62Nmでアシストしてくれる。エンジンの再始動は油温が40度以上になると48Vのベルト駆動でおこなわれるから、振動もなくスルンとかかる。

 試乗会で最初に乗ったのは1リッターエンジンの「eTSIアクティブ」だった。

1.0TSIエンジンを搭載したVW新型「ゴルフeTSI アクティブ」の走り1.0TSIエンジンを搭載したVW新型「ゴルフeTSI アクティブ」の走り

 乗る前は、ゴルフに1リッターエンジンではさすがにアンダーパワーだろうと予想したが、箱根の急な山道でもまったく普通に走れることに驚いた。次に1.5リッターエンジン搭載の「eTSIスタイル」に乗ったら、やはりこちらのほうがアクセルペダルを踏み込んだときのレスポンスも良いし力強さを感じた。

 1500rpmという低回転域から250Nmという太いトルクを発生できる1.5リッターeTSIが、2000rpmから200Nmの1リッターeTSIに勝ったという感じだ。

 ただし、自身のカーライフとして1人または2人乗りがほとんどならば、1リッターモデルで十分だと思う。もっと大人数で乗ることが多かったり、荷物を積んで長距離ドライブする機会が多いならば1.5リッターモデルがお勧めだ。

 ちなみにWLTCモード燃費は1リッターモデルが18.6km/L、1.5リッターモデルが17.3km/Lとなる。1.5リッターの低速トルクを使ってエンジン回転を上げずに走れば1リッター並みの燃費で走ることができるかもしれないが、トルクがあることに喜んで積極的にアクセルを踏んで走ると悪化するかもしれない。

 1リッターエンジン車と1.5リッターエンジン車では、リアサスペンション形式が異なる。1リッターはトレーリングアーム、1.5リッターは4リンクを採用。

 箱根のワインディングロードを走った限りでは、1リッターのトレーリングアームでもスムーズなコーナリングができたし、荷重が大き過ぎなければどちらも快適だ。1.5リッターの4リンクは、コーナリングで大きな負荷を掛けたときにも踏ん張りが強かった。ただしこれはタイヤサイズも異なるので、サスペンションの違いだけではない。

 ベース車両でも先進安全装備は標準装備されているし、LEDヘッドライト・テールライト、全速度域ACC、デジタルコクピット、10インチタッチスクリーン、マルチファンクションステアリングホイールと、どのグレードでも充実な装備であることに変わりはない。

* * *

 新型ゴルフは、セグメントリーダーとしてまた新しいゴルフクラスの基準を打ち立てたように思う。今後、FFホットハッチの「ゴルフGTI」やパワー溢れる「ゴルフR」、CO2排出をゼロにする「eゴルフ」も日本に上陸する予定だ。

 新しいゴルフワールドはいま始まったばかりなのだ。

VW新型「ゴルフeTSI アクティブ」VW新型「ゴルフeTSI アクティブ」

Volkswagen Golf eTSI Active
フォルクスワーゲン ゴルフ eTSIアクティブ

・車両価格(消費税込):312万5000円
・全長:4295mm
・全幅:1790mm
・全高:1475mm
・ホイールベース:2620mm
・車両重量:1310kg
・エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ
・排気量:999cc
・駆動方式:FF
・変速機:7速DSG(7速DCT)
・最高出力:110ps/5500rpm
・最大トルク:200Nm/2000-3000rpm
・タイヤサイズ:205/55R16

Volkswagen Golf eTSI Style
フォルクスワーゲン ゴルフ eTSIスタイル

・車両価格(消費税込):370万5000円
・全長:4295mm
・全幅:1790mm
・全高:1475mm
・ホイールベース:2620mm
・車両重量:1360kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
・排気量:1497cc
・駆動方式:FF
・変速機:7速DSG(7速DCT)
・最高出力:150ps/5000-6000rpm
・最大トルク:250Nm/1500-3500rpm
・タイヤサイズ:225/45R17

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