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日産、新型モデル発表間近!? セダン初のe-POWER車「シルフィ」を中国に導入へ

くるまのニュース / 2021年6月17日 7時10分

日産は、上海モーターショー2021にてセダンの「シルフィe-POWER」を中国市場に投入することを明らかにしています。今回、新たに中国の政府機関にてその詳細が判明しました。セダン初となる「シルフィe-POWER」とはどのようなモデルなのでしょうか。

■セダン初のe-POWERついに登場!

 2021年4月19日から中国で開催された上海モーターショー2021。そこで日産は、新型「エクストレイル」を世界初公開しました。
 
 さらに、同ショーでは日産の電動パワートレイン「e-POWER」を中国市場でセダンの「シルフィ」から採用することを明らかにしていましたが、新たに中国の政府機関にてその詳細が判明しました。

 今回明らかとなったのは、日産が北米市場や中国市場などを中心に展開するコンパクトセダン「シルフィ」のe-POWERモデルです。

 シルフィは最新のB18型をもって4代目、前身の「ブルーバード」から数えると通算14代目のモデルとなり、北米市場では「セントラ」という名前で販売されています。

 日産と中国東風汽車との合弁企業「東風日産(正式名称:東風汽車有限公司)」が製造する中国向けのシルフィは「軒逸」という名前で販売されており、現在は最新モデルのB18型とひとつ前の世代であるB17型が併売されています。

 B17型は、ガソリン車の「シルフィ クラシック(軒逸 経典)」と、EVの「シルフィ ゼロ・エミッション(軒逸 純電)」が販売されています。

 一方で、e-POWERは日産が2016年から開発・展開するシリーズ方式ハイブリッドシステムで、ガソリンエンジンを発電機として用い、発電した電気でモーターを動かす方式を採用しています。

 日産はこのe-POWERを2016年発表の「ノート」を皮切りに、「セレナ」、「キックス」、「キャシュカイ」(欧州市場)に搭載。今回のシルフィはセダン初かつ中国市場初となります。

 中国市場でのシルフィ人気は日本市場や北米市場の比ではありません。世界最大の自動車市場である中国において、2020年にシルフィシリーズは前年比16.42%増の53万8680台を販売し新車販売ランキング1位に輝きました。

 同じ日本車セダンのトヨタ「カローラ(4位:34万3417台)」より約20万台も多い販売台数です。

 シルフィが1位となった2020年だけでなく、ここ数年は常にランキング上位となる販売台数を誇っており、その高い人気が伺えます。

 中国でのシルフィの価格は、B18型が11万9000元(邦貨換算:約204万4800円)から、B17型のガソリン車が9万9800元(約171万4900円)から、そしてB17型のEVが23万8000元(約408万9700円)からとなっています。

 最新のB18型は、前述の通り2021年の上海モーターショーにてe-POWERの投入がすでに予告されており、今回、中国の政府機関である「中華人民共和国工業情報化部(通称:工信部)」のサイトからエクステリアデザインと詳細なスペックが判明しました。

 ちなみに工信部は、日本でいうところの経済産業省や総務省の業務を扱う行政機関です。

 中国では自動車メーカーが新型車を正式発表する前に新車の情報を工信部に届け出る必要があり、工信部が掲載する情報を元にどのようなクルマが発表を控えているかなど、事前にわかるシステムとなっています。

 工信部が公示した情報によると、シルフィ e-POWERは3つの型式番号、「DFL7120NATH1HEV」「DFL7120NATH2HEV」「DFL7120NATH3HEV」で届出がおこなわれていますが、これはそれぞれ装備の異なる3つのグレードで展開されることを示しています。

 中国では同じモデルでも搭載装備などでそれぞれのグレードに違いがあると、別々の型式番号を付与して申請をおこなう必要があります。

 この3モデルとも共通してHR12型1.2リッター直列3気筒エンジンを発電用エンジンとして搭載していますが、これは国内向けのノート、セレナ、キックスの各e-POWERモデルと同じエンジンとなります。

 ただ、生産は日本の日産ではなく、東風日産が中国国内でおこなう模様です。

 ちなみに既存の中国向けガソリン車はHR16DE型1.6リッター直列4気筒エンジンを搭載しています。

 エンジン出力は日本向けは80hp(60kW)とされていますが、中国向けは「53kW(=71hp、中国ではkW表記が一般的)」と記載されています。

 ですが、エンジンはあくまで発電用なので出力の差異が運動性能に影響を及ぼすことはありません。

 気になる駆動用のモーターですが、どのモデルが搭載されているかは不明なもの、モーター出力は「100kW(=134hp)」とされています。

 燃費も届出をおこなう情報のひとつです。記載されている燃費は「4.1L/100km(100キロメートルあたりの燃料消費量)」となっていますが、これを日本で一般的な燃費の単位である「km/L(リッターあたりの走行距離)」に換算すると、およそ24.3km/Lとなります。

 ではボディサイズの部分はどうなっているのでしょうか。届出がなされているモデルのひとつ、「DFL7120NATH1HEV」の写真を見るとフォグランプが装備されていないように見られます。

 このモデルをベースグレードと仮定し、すでに販売されている通常のシルフィと比較していきましょう。

 現在、販売されている通常のシルフィは4つのグレードで展開されており、それぞれ下から「1.6XE 舒享版」「1.6XL 悦享版」「1.6XL 智享版」「1.6TOP 奢享版」となっています。

 舒享版は車両重量(中国語で整備質量)が1243kgであるのに対し、e-POWERのベースグレードは206kg増の1449kgです。

 中間グレードでは、より206kg増の1477kg、最上級グレードと推測されるより205kg増の1493kgとなっているため、全グレード共通してe-POWERモデルはおよそ200kg分、車両重量が増加していることがわかるでしょう。

■新型「シルフィe-POWER」のデザインはどうなる?

 気になる外装デザインも同時に公開されている写真から見ることができます。

 前後に装着されている日産のエンブレムは、2020年8月に発表された、よりフラットでシンプルな新CI(ロゴ)のものが確認でき、中国ではこのシルフィ e-POWERが新CIを採用する初のモデルとなる模様です。

 また、既存のシルフィはフロントグリルが一般的なハニカムメッシュとなっているのに対し、シルフィe-POWERは和柄などでもおなじみの「鱗文様」を採用したデザインとなっており、おしゃれな印象を与えています。ヘッドライトも既存モデルとは異なるe-POWER専用のデザインです。

 リア部分は、テールライトもヘッドライト同様、既存のモデルとは差別化されています。

 エンブレム類は既存のシルフィにも見られる「日産CIロゴ」「SYLPHY」「東風日産」に加え、「e-POWER」エンブレムが右下、そして謎の「300」と読めるようなエンブレムが左下に追加されています。

 この「300」が何を指すかは不明ですが、一説にはモーターの最大トルクを表しているのではないかといわれています。

中国市場で販売される4代目新型「シルフィ(ガソリン車)」では旧ロゴを採用。e-POWERでは新ロゴを採用する中国市場で販売される4代目新型「シルフィ(ガソリン車)」では旧ロゴを採用。e-POWERでは新ロゴを採用する

 シルフィe-POWERは、2021年下半期に登場すると考えられますが具体的な日程は依然として不明です。

 しかし、工信部に届出がなされた段階にあるということは正式発表までもう間もないと考えられるでしょう。

 筆者(加藤ヒロト)は、2021年11月に中国・広州で開催される広州モーターショーで発表されるのではないかと見ていますが、推測の域を出ません。

※ ※ ※

 日産は、2021年に投入するシルフィe-POWERを皮切りに、2025年までに6種類のe-POWERモデルを投入すると2021年の上海モーターショーで発表しました。

 環境意識が高まる中国の「新能源車(中国語で新エネルギー車の意)」市場に、中国でもっとも売れている乗用車であるシルフィからの新しい提案がどのように受け入れられるか、今後も注視していきたいと思います。

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