乗って楽しく維持費もお得? 1.5リッターエンジンの最新スポーティ車5選
くるまのニュース / 2021年7月3日 6時10分
日本の自動車税はエンジンの排気量で区切られており、そのため1リッター超から1.5リッター以下のエンジン車が小型車、中型車では主流です。つまり、そこそこのパワーを発揮しながら自動車税の負担もそれほど高額ではないというバランスの良さがあるといえるでしょう。そこで、1.5リッターエンジンを搭載した最新のスポーティモデルを、5車種ピックアップして紹介します。
■ちょうど良いパワーの1.5リッターエンジン車を振り返る
クルマを維持するうえで、ユーザーはさまざまな金銭的な負担から逃れられません。なかでも税金はさまざまなシーンで支払いますが、所有しているだけでも支払わなければならないのが自動車税で、「諸外国と比べて高額だ!」と定期的に物議を醸します。
なかでも自動車税はこれまで幾度か改定されており、とくに1989年(平成元年)には大きく税法が変わって、排気量で細かく区分されるようになりました。
そのため、近年は1リッター超から1.5リッター以下のエンジン車が小型車、中型車では主流です。1.5リッターエンジンは十分なパワーを発揮しつつ、自動車税の負担もそれほど高額ではないというバランスの良さがあるといえるでしょう。
そこで、 1.5リッターエンジンを搭載した最新のスポーティモデルを、5車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「GRヤリス RS」
迫力あるボディながら気軽に乗れるスポーツモデルの「GRヤリス RS」
2020年4月に、トヨタは実質的な4代目「ヴィッツ」にあたるコンパクトカーの「ヤリス」を発売しました。
さらに2020年9月には、ヤリスをベースにトヨタが世界ラリー選手権(WRC)で培った技術をフィードバックした4WDスポーツカー「GRヤリス」が登場。
トップグレードの「RZ」は新開発の1.6リッター直列3気筒ターボエンジンを搭載し、最高出力272馬を発揮。このパワーは6速MTを介してトルク可変型4WDシステムで路面に伝えられ、運動性能と加速性能はまさにラリーマシンレプリカといえます。
外観はヤリスのシルエットを残しながらも専用の3ドアハッチバックとし、前後をワイドフェンダー化した迫力あるフォルムです。
そして、RZと同じボディに、スタンダードなヤリスに搭載される1.5リッター直列3気筒自然吸気エンジンを組み合わせた、2WD車の「RS」グレードが設定されました。
エンジンの最高出力は120馬力を発揮しトランスミッションはパドルシフト付きCVTとされ、ハイパフォーマンスカーの雰囲気が手軽に味わえるコンセプトとなっています。
一方、シャシ剛性が高く、フロントがストラット、リアがダブルウイッシュボーンの足まわりもRS専用にチューニングされ、ブレーキも4輪ディスクが奢られるなど、内容的には十分にスポーティです。
価格も265万円(消費税込、以下同様)とRZの396万円よりもかなり抑えられており、ハード過ぎないスポーティカーとしいう稀有な存在ではないでしょうか。
●マツダ「ロードスター」
大幅な軽量化によってシャープな走りに磨きがかかった4代目「ロードスター」
日本中がバブル絶頂期だった1989年に、マツダはオープン2シーターFRスポーツカーの初代「ロードスター」を発売。手軽にオープンエアモータリングが楽しめ、軽量コンパクトなボディによって優れた走りを実現し、日米でヒットを記録。
当初は1.6リッターエンジンを搭載していましたが、後に1.8リッターエンジンを追加し、3代目では2リッターエンジンとなるなど高性能化が図られました。
しかし、2015年に発売された現行モデルの4代目は、ロードスターの原点に回帰することをコンセプトに開発。
ボディサイズは全長3915mm×全幅1735mm×全高1235mmとワイド化しつつも、全長は3代目より105mm短縮され、100kgもの大幅な軽量化によって、エントリーグレードの「S」(6速MT)では車重990kgと1トン未満を達成しました。
エンジンは最高出力132馬力の1.5リッター直列4気筒と初代に近いスペックとされ、トランスミッションは6速MTと6速ATが設定されています。
開発目標のとおり、伝統の「人馬一体」のフィーリングはさらに磨きがかけられ、原点回帰に成功したといえるでしょう。価格は260万1500円からです。
●日産「マーチ NISMO S」
日産車では唯一のホットハッチとなってしまった「マーチ NISMO S」
日産のエントリーカーとして長い歴史のある「マーチ」は、現行モデルが4代目にあたります。このマーチに2013年にスポーティモデルの「NISMO S」が加わりました。
マーチ NISMO Sは日産のレース活動をサポートするNISMOが開発を担当し、搭載されるエンジンはファインチューニングされた1.5リッター直列4気筒で最高出力116馬力を発揮。トランスミッションは5速MTのみです。
決してハイパワーではありませんが、1010kgと軽量なボディはブレースの追加によるシャシ剛性のアップや、強化された足まわりとブレーキ、パワーステアリングのアシストも専用セッティングとするなど、旋回性能と走行フィーリングを向上。
使い切れるほどのパワーとMTとの組み合わせによって、ドライビングプレジャーあふれるモデルに仕立てられています。
外装では専用のカラーリングに専用のエアロパーツを装着し、内装はスポーツシート、本革とアルカンターラを組み合わせた小径ハンドルの採用など、スポーティに演出。
価格は187万6600円と、比較的安価な設定も大いに魅力的といえるでしょう。
■1.5リッターターボなら十分に速い!
●ミニ「ミニ3ドア クーパー」
「ゴーカートフィーリング」を継承したホットモデルの3代目「ミニ クーパー」
2001年に発売された新世代の「MINI(ミニ)」は、BMWのFFプレミアムコンパクトカーというコンセプトで開発され、デザインと走りの良さから大ヒットを記録しました。
その後も初代からデザインと走行性能の高さをキープしたまま代を重ね、現行モデルは2013年に登場した第3世代です。
多くのボディバリエーションがありますが、エントリーモデルは初代から続く3ドアハッチバックで、グレードはスタンダードな「ワン」、スポーティな「クーパー」、そして高性能なトップグレードの「クーパーS」を基本としているのも初代から変わっていません。
エンジンはワンとクーパーには1.5リッター直列3気筒ターボを搭載。さらにクーパーには1.5リッターディーゼルも設定され、クーパーSは2リッターガソリンターボです。
クーパー(ガソリン)は最高出力136馬力を発揮。トランスミッションは7速DCTのみで、かつては6速MTも設定されていましたが、現在はラインナップされていません。
サスペンションはフロントにストラット、リアにマルチリンクを採用した4輪独立懸架で優れた路面追従性を発揮し、伝統の「ゴーカートフィーリング」を継承しています。
192馬力を発揮するクーパーSと比べ、クーパーはローパワーといえますが、むしろ使い切れるパワーはオールドミニから続くコンセプトの基本といえ、十分にスポーティです。
クーパーの価格は329万円で、多彩なオプションが用意されているので自分好みの1台に仕立てることも、ミニの醍醐味といえます。
●ホンダ「シビック」
よりスタイリッシュに変貌を遂げた11代目となる新型「シビック」
ホンダは2021年6月24日に、11代目となる新型「シビック」を発表しました。発売は2021年秋を予定しています。
新型シビックのボディは、日本では5ドアハッチバックのみとされ、外観デザインは流麗かつ伸びやかなファストバックのクーペフォルムを採用。
ボディサイズは全長4550mm×全幅1800mm×全高1415mmと、10代目から大きく変わっていません。
搭載されるエンジンは1.5リッター直列4気筒ターボで最高出力182馬力を発揮。トランスミッションはCVTと6速MTを設定しており、MTを残したことからスポーティなコンセプトを明確にしたといえるでしょう。
グレードは装備が充実した「EX」と、スタンダードな「LX」を設定し、どちらにも6速MTが設定されています。
内装では、水平基調のシンプルなデザインのインパネを採用し、エアコンの吹出口をカバーするように設置されたハニカムメッシュが新たな試みで、デザインのアクセントです。
先進安全技術も充実しており、「ホンダセンシング」にフロントワイドビューカメラと高速画像処理チップを採用し、新たに渋滞運転支援機能である「トラフィックジャムアシスト」が追加されるなど進化も果たしています。
新型シビックの価格はまだ発表されていませんが、2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載したハイブリッドモデルと、新型「シビックタイプR」の発売が2022年予定と明かされており、まだまだ目が離せません。
※ ※ ※
最後に紹介した2台は、いわゆるダウンサイジングターボエンジンですが、メルセデス・ベンツ「Eクラス」にも1.5リッターターボエンジンが搭載されています。
Eクラスは全長4940mm×全幅1850mm×全高1455mm(セダン E200 スポーツ)という堂々したサイズで、車重は1720kgもありますが、この車体をわずか1.5リッターのエンジンで走らせることなど、ひと昔前では考えられませんでした。
また、2021年6月15日に発売された8代目のフォルクスワーゲン新型「ゴルフ」は、1.5リッターと1リッターターボエンジンを搭載するなど、いずれにしても日本では歓迎すべきことではないでしょうか。
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