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なぜ2人仕様の日産「リーフ」に水ようかんを乗せたの? インパクト強すぎな業務スーパーの「水ようかんカー」の正体とは

くるまのニュース / 2021年7月7日 11時50分

業務用食品などを販売する「業務スーパー」には、かつてSNSなどで話題となった「水ようかんカー」という宣伝車が活躍していました。その正体とは、どのようなものなのでしょうか。

■インパクト強すぎ!? 「水ようかんカー」はなぜ誕生したのか?

 コンパクトカーの上に1トン分の水ようかん模型を載せた「水ようかんカー」がインパクト絶大だと過去に話題となりました。
 
 誰もが二度見するであろう水ようかんカーとは、どういったものでしょうか。

 テレビなどでも取り上げられることのある業務用食品などの販売店「業務スーパー」。
 
 業務スーパーといえば、冷凍肉や加工品、調味料などの大容量サイズが販売されており、まとめ買いに最適です。
 
 さらに、大容量なのは冷凍肉や加工品だけでなく、牛乳パックのような容器いっぱいに詰められた「牛乳パックスイーツ」も人気商品のひとつです。

 そんな牛乳パックスイーツのひとつに「水ようかん」がラインナップされていますが、業務スーパーには、日産の電気自動車(EV)「リーフ」に水ようかんを載せられているような宣伝車がかつてSNSなどで話題となりました。

 そんなインパクト抜群ともいえる水ようかんカーを展開したのは、業務スーパーを運営している株式会社神戸物産です。
 
 水ようかんカーは、業務スーパーのイメージカラーともいえる緑でオールペイントされ、なんと独自制作のピックアップ仕様となっています。
 
 そのうえ、ルーフからクルマ後部にかけては、パックから飛び出た1トンサイズの水ようかんの模型が積載されており、話題になるのも納得の個体です。

 では、そんなユニークすぎる「水ようかんカー」は、どのような目的で開発されたのでしょうか。

 神戸物産の経営企画部担当者は、水ようかんカーの開発理由について、「2016年の円高還元セールの際に、セールの告知やお店の宣伝などを目的として開発しました」と話します。

 実際にSNSでは、「面白い!」「すごく目立ってた!」という意見が見られるうえ、「水ようかんカー」と検索するとかなり多くの投稿がヒットすることから、業務スーパーの広告塔として役目を全うしていることがうかがえます。

 また、水ようかんカーには温冷庫が搭載されており、水ようかんの移動販売車両としても活用出来る仕様となっています。
 
 SNSでは、「今日は売り切れてた…」「たくさん買えてラッキー」という声が挙がっており、実際に多くの人に水ようかんを購入してもらえるきっかけになっているようです。

 なぜ数多く存在するクルマのなかで、リーフが水ようかんカーとして採用されたのでしょうか。

 ピックアップ仕様に改造してまで、リーフにこだわりを持っている理由について、前出の担当者は以下のように話します。
 
「神戸物産では、業務スーパー事業のほかに、太陽光発電や木質バイオマス発電といった再生可能エネルギーを活用した発電事業もおこなっています。

 環境に配慮したエネルギーを活用していくことは社会的に重要性を増しており、今回EVであるリーフを採用することで、弊社でも環境を大切に考えているということを広く知ってほしいと思いました」

■知ってた? 実は進化しているこだわり抜かれた水ようかんカー!

 神戸物産の強い意思があって採用されているリーフですが、前述の通りピックアップ仕様に改造されており、水ようかんの有無にかかわらず純正仕様とは大きく異なる見た目となっています。

 水ようかんカーはグレードアップを経て現在の姿となっています。以前はピックアップ化もされておらず、上に載せられた水ようかんもパックから飛び出ていない仕様で、現在と比べると少し控えめなデザインだったそうです。

 そんな水ようかんカーのグレードアップを手掛けたのが、企業の宣伝カーやキッチンカーなどを制作している有限会社中井工芸社です。

 中井工芸社では、水ようかんカーの制作を「世界に1台で前例がない、おもしろいクルマだ」ということで了承したそうです。

 制作の際には、パックから飛び出している水ようかんの質感や表現方法が難しく、業務スーパーの定番である「牛乳パックスイーツ」をお皿に出したときの楽しさや驚きが伝わるよう、繰り返し試作が重ねられました。

飛び出しそう!? 業務スーパーを運営する神戸物産が手掛けた「水ようかんカー」(画像提供:神戸物産/日産)飛び出しそう!? 業務スーパーを運営する神戸物産が手掛けた「水ようかんカー」(画像提供:神戸物産/日産)

 また、全体のバランスも考慮し、水ようかんの美味しさや水ようかんカー自体の愛嬌も感じてもらえるように工夫されています。

 ほかにもグレードアップ時には、クルマ自体のインパクトが増大した分、ボディに掲載されたPR広告はシンプルになり、基本的に緑と白、一部に赤を用いて3色で統一されました。
 
 また、リアバンパーにはリーフがEVであることが大きく掲示されたため、クルマに詳しくない人でも環境へ配慮されていることが一目で分かるようになったと考えられます。

 そんな神戸物産と中井工芸社の想いが集約された水ようかんカーは、SNSなどで話題になっただけでなく、一般の人によってチョロQが制作されたり、日産の社内報や多くのメディア、雑誌に掲載されたりと非常に注目を集めました。

 しかし、この水ようかんカーは2021年3月で車検切れとなり、現在は公道を走行できなくなっているようです。

 よって、街中で見かけることは困難となりましたが、業務スーパーでは、牛乳パックスイーツとしてレアチーズケーキやカスタードプリン、コーヒーゼリーなども販売されているため、今後ほかの食品が宣伝カーに採用される日が来るかもしれません。

※ ※ ※

 巨大すぎる水ようかんを載せていることで話題となった水ようかんカーは、神戸物産と中井工芸社の間で試作が繰り返された、こだわりの1台であるといえます。
 
 現在は街中で走ることはなくなりましたが、ユニークなクルマとして、多くの人に大きなインパクトを残していることは間違いないでしょう。

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