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日本にはシビックタイプRがあったけど海外は? 世界の1.6リッター・スポーツ車5選

くるまのニュース / 2021年7月9日 6時10分

かつて、コンパクトなサイズの高性能モデルというと、1.6リッターエンジン車が主流でした。日本では各メーカーから1.6リッター車が販売されていましたが、海外にも存在。そこで、各国の1.6リッター自然吸気エンジンを搭載したスポーツモデルを、5車種ピックアップして紹介します。

■かつて隆盛を極めていた世界のテンロクスポーツを振り返る

 近年はかなり減少してしまいましたが、かつてコンパクトなスポーツモデルとして隆盛を極めていたのが1.6リッターエンジンのクルマです。

 1.6リッターは日本の税法(自動車税)では不利な排気量なのですが、モータースポーツではクラス分けの区分であったことから、1.6リッターエンジンは高性能モデルの証といえました。

 1970年代から1.6リッター車が増え、1980年代から1990年代には各メーカーからラインナップされるほど、日本ではメジャーな存在です。

 一方、海外でも1.6リッターエンジンの高性能モデルが多数存在し、日本にも輸入・販売されました。

 そこで、1.6リッター自然吸気エンジンを搭載した世界各国のスポーツモデルを、5車種ピックアップして紹介します。

●プジョー「106 S16」

軽量コンパクトな車体に優れた足まわりという至高の逸品だった「106 S16」軽量コンパクトな車体に優れた足まわりという至高の逸品だった「106 S16」

 かつてプジョーのクルマというと、優れたセッティングの足まわりが評判になり、日本でも比較的人気の高い輸入車でした。

 なかでも走り好きから絶大な支持を得ていたのが、プジョーのエントリーモデルである「106」です。

 106は日本に1995年に導入され、当初は「XSi」グレードのみですが、翌1996年には「S16」へとスイッチされ、同時にフロントフェイスとリアまわりのデザインを一新。

 ボディサイズは全長3690mm×全幅1620mm×全高1370mmと、ちょうど同時期に販売されていた日産2代目「マーチ」とほぼ同サイズで、ボディタイプは3ドアハッチバックのみが輸入されましたが、欧州では5ドアハッチバックも設定していました。

 搭載されたエンジンは1.6リッター直列4気筒DOHCで、グレード名のとおり16バルブです。最高出力は118馬力と突出してパワフルではありませんでしたが、960kgという軽量な車体に優れた足まわりのセッティングから、スポーティな走りに定評がありました。

 なお、トランスミッションは5速MTのみで、シリーズを通じてATは設定されていません。

 また、欧州においてラリーでの活躍もあり、そのイメージから平行輸入で簡素な装備の「1.6ラリー」(初期は1.3)グレードも多数上陸したほどでした。

 日本ではエアコン設置の関係で左ハンドルのみが展開されましたが、輸入車のなかでも比較的安価だったこともあって人気となり、2003年まで販売されました。

●フォルクスワーゲン「ルポ GTI」

フォルクスワーゲン車の末弟ながらホットさはピカイチだった「ルポ GTI」フォルクスワーゲン車の末弟ながらホットさはピカイチだった「ルポ GTI」

 現在、フォルクスワーゲンのラインナップでもっともコンパクトなモデルは「up!」ですが、その前身となったモデルが2001年に日本で発売された「ルポ」です。

 ボディは3ドアハッチバックのみで当初は1.4リッター車が展開され、2003年5月から同社の高性能モデルの証である「GTI」が追加ラインナップされました。

 ルポ GTIのボディサイズは全長3525mm×全幅1640mm×全高1465mmとかなりコンパクトで、搭載されたエンジンは最高出力125馬力の1.6リッター直列4気筒DOHCに、トランスミッションは6速MTのみ。車重は1010kgと軽量なボディには十分なパワーです。

 外観はGTI専用デザインの前後バンパーに205/45R15のワイドタイヤ、さらにセンター2本出しのマフラーが見た目にもホットハッチ感を演出。

 足まわりも専用のセッティングで4輪ディスクブレーキが奢られ、2320mmというショートホイールベースと軽量ボディが相まって、クイックなハンドリングと高い運動性能を発揮しました。

 日本での販売は2006年に終了しましたが、比較的現存数も多く、いまではほとんどが100万円未満と安価で入手できます。

 なお、日本ではルポ GTIの正式導入よりも先に、ワンメイクレース用の「ルポ GTIカップカー」が発売されるという、珍しいプロモーションが展開されました。

●ミニ「ミニクーパー」

最後の1.6リッターNAエンジン搭載車となった2代目「ミニ クーパー」最後の1.6リッターNAエンジン搭載車となった2代目「ミニ クーパー」

 2001年に誕生した新生「ミニ」は、オールドミニをオマージュしたポップなデザインと、FFながらBMWらしい優れた走りから世界中で大ヒットを記録。

 そして、2007年には初代のデザインやパッケージングからキープコンセプトとした第2世代のミニが日本で発売されました。

 グレードは初代同様にエンジンのチューニングによって分けられ、ベーシックな「ワン」、スポーティな「クーパー」、ターボを装着した最高峰の「クーパーS」をラインナップ。

 ワンとクーパーにはPSA(現在のスランティス)と共同開発した1.6リッター直列4気筒自然吸気エンジン、クーパーSには最高出力175馬力の1.6リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載。

 クーパーに搭載された120馬力(後に122馬力にアップ)の1.6リッター自然吸気エンジンは、決してパワフルではありませんがレスポンスが優れ、コンパクトな車体にマッチしていたといえます。

 また、フロントにストラット、リアがマルチリンクの足まわりは路面追従性が良好で、ゴーカートフィーリングを継承。

 その後、2014年に現行モデルの第3世代へとフルモデルチェンジすると全車ターボエンジンとなり、クーパーのエンジンは1.5リッターにスイッチされました。

■マレーシア代表と日本代表の1.6リッター・ホットモデルとは

●プロトン「サトリアネオ」

モータースポーツベース車として日本でも販売された「サトリアネオ」モータースポーツベース車として日本でも販売された「サトリアネオ」

 マレーシアの自動車メーカーであるプロトンは日本ではあまり馴染みがありませんが、かつては名門スポーツカーメーカーのロータスを傘下に収めていました。

 1985年に誕生したプロトンは、当初、三菱と提携してOEM車を含むクルマの生産・販売を開始。その後は独自のモデルを展開するようになりました。

 そのなかの1台が2006年に発売されたFF3ドアハッチバックの「サトリアネオ」です。

 もともと三菱4代目「ミラージュ」をベースに開発された初代「サトリア」でしたが、2代目にあたるサトリアネオも基本的なレイアウトはミラージュをベースとしながらも、シャシやエンジンなど多くの主要部品は自社開発です。

 グレード構成は1.3リッターのエントリーモデルのほか、113馬力を発揮する1.6リッター直列4気筒エンジンを搭載したホットモデルが存在。

 サスペンションはフロントにストラット、リアにマルチリンクを採用した独立懸架で、1.6リッターモデルはロータスがチューニングをおこない、優れたハンドリングを実現。その証として、リアハッチには「ハンドリング・バイ・ロータス」のエンブレムが装着されています。

 この1.6リッターモデルのサトリアネオは基本性能の高さからラリーやダートトライアルのベース車として、日本でも株式会社キャロッセが正規輸入して比較的安価な価格で販売されました。

●ホンダ「シビック タイプR」

グローバルで見ても1.6リッター車の頂点に君臨するであろう「シビック タイプR」グローバルで見ても1.6リッター車の頂点に君臨するであろう「シビック タイプR」

 最後に紹介するのは日本を代表する1.6リッタースポーツ車と言っても過言ではない、初代「シビック タイプR」です。

 1997年8月に6代目シビックのマイナーチェンジの際に、3ドアハッチバックモデルをベースとしてラインナップされ、ホンダのタイプRシリーズとしては、NSX」「インテグラ」に続く第3弾となるモデルとなりました。

 外観では専用のエアロパーツに加え、専用のボディカラー「チャンピオンシップホワイト」をイメージカラーとし(他の色も設定)、赤地のホンダエンブレムがタイプRの証です。

 搭載されたエンジンは専用にチューニングされた1.6リッター直列4気筒DOHC VTECで、最高出力185馬力を発揮。自然吸気エンジンとして当時世界最高クラスの高出力である、リッター当たり116馬力を実現しました。

 また、シャシも大きく手が入れられ、優れた旋回性能と走行安定性を確保するために、車高のダウンによる低重心化、ハードチューニングサスペンション、トルク感応型ヘリカルLSD、専用チューニングのブレーキが採用されました。

 パフォーマンスロッドの追加によるボディ剛性アップや、タイプR専用の「ポテンザRE010」ハイグリップタイヤが装備され、運動性能が飛躍的に向上。

 内装ではエアバッグを内蔵したMOMO社製直径368mm(エアバッグレスオプション車は350mm)の小径ステアリング、ホールド性を高めるレカロ社製バケットシートと、シートに合わせてコーディネイトしたインテリア素材、ショートストロークのシフトノブはチタン削り出し品とされるなど、従来のタイプRの作法に則って仕立てられています。

 シビック タイプRはサーキット走行を想定して開発されたため、公道での乗り心地を犠牲にしていましたが、そうしたストイックな面は走り好きには大きい魅力的に映り、ヒット作になりました。

※ ※ ※

 2021年6月24日に、11代目となる新型「シビック」が世界初公開されました。それと同時に2022年にはシビック タイプRが登場することも発表され、大いに話題となっています。

 最初で最後の1.6リッターモデルだった「EK9型」シビック タイプRも大いに魅力的ですが、次期型もきっと素晴らしいスペックと走りでファンを魅了することでしょう。

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