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生誕20周年「フィット」はホンダ小型車の「定番」となった? 市場変動のなか不動の位置築いた軌跡とは

くるまのニュース / 2021年7月15日 14時10分

デビューから20年を迎えたホンダ「フィット」。フィットはどう変化し、また他メーカーはどのようなコンパクトカーを販売してきたのでしょうか。2001年発売の初代から、振り返っていきます。

■フィットが歩んだ20年の歴史とは

 ホンダの主力コンパクトカー「フィット」が、初代モデルのデビューから20年を迎えました。
 
 それまで販売されていた「ロゴ」の事実上の後継モデルとしてデビューした初代フィットは、2001年6月22日に発売されました。

 当初のコンセプトは、「小さなサイズですべての要件をこれまでにないレベルで達成すること」「既存の概念を一変する、革新スモールの創造」であり、ホンダの設計思想である「MM(マン・マキシマム/メカ・ミニマム)思想」を徹底的に追求することで、世界のニュー・ベンチマークとしたいという考えを提示していました。

 その革新を具体化するための重要なポイントとなったのが、燃料タンクをフロントシート下に設置することでより広い居住空間を実現する「センタータンクレイアウト」です。

 センタータンクレイアウトは、現行モデルである4代目にも受け継がれ、ホンダの代表的な技術として、「N-BOX」や「ヴェゼル」、「シャトル」、などにも採用されています。

 そうしたなかで、初代フィットは野心的でありながらも合理的なパッケージングと、シンプルでありながらも個性的なスタイリングで注目を集めました。

2007年6月末には、世界累計販売台数200万台を達成したほか、「2001-2002 日本カー・オブ・ザ・イヤー」「2002 RJCカー オブ ザ イヤー」「平成13年度省エネ大賞 資源エネルギー庁 長官賞」「第11回地球環境大賞 経済産業大臣賞(2002年)」といった数々の賞を受賞しています。

 初代の人気をうけ、2代目フィットは2007年10月26日に発売されました。

 デザインテイストやメカニズムは初代のコンセプトを踏襲しながらも、ボディサイズは全長が55mm、全幅が20mm拡大したほか、スペアタイヤを廃して応急パンク修理キットを採用することで荷室を大容量化。

三角窓の面積を3倍に広げ、フロントピラーを細くすることで視界を広くするなどといった改良が加えられたほか、スポーティグレードの「RS」が設定されたことも話題になりました。

 さらに、2010年10月にはマイナーチェンジに合わせてハイブリッドモデルがラインナップに加わります。

 トヨタからハイブリッド専用車である「アクア」が発売したのが2011年12月であることからもわかるように、この2代目フィットがコンパクトカーのハイブリッド化に先鞭をつける形となりました。

 その後、「FIT3」というキャッチコピーも話題となった3代目フィットが2013年9月6日に発売が開始されました。

 ボディサイズは2代目から全長が55mm拡大されたものの、全幅と全高は同等となっています。

 3代目フィットは、「The World Best Functional Compact」をグランドコンセプトに、空間や燃費、かっこよさを新しい発想と技術で追求して開発され、これまでのフィットとは異なった、直線的なフォルムのデザインが注目を集めました。

 3代目フィットを皮切りにホンダ車で展開が始まった「EXCITING H DESIGN!!!」がデザインコンセプトに掲げられ、をボディサイドには跳ね上がる太いキャラクターラインが存在感を演出。

 また、このモデルからは発売当初にハイブリッドモデルが設定され、搭載されるハイブリッドシステムも「IMA」から、7速DCTと組み合わされる「i-DCT」へ刷新。

 当時、国内最高となる燃費性能で話題を呼んだものの、トランスミッション関連のリコールも度重なる結果となりました。

 そして、現行モデルである4代目が発売されたのは、2020年2月14日です。開発コンセプトは「用の美・スモール」とされ、「用の美」とは、大正末期の民藝運動から生まれた言葉です。

 これをホンダは「用(機能)に優れ心地よさを極めた日常の道具には、 人の心を満たす美しさが宿る」と解釈し、新たなスモールカー像を目指しました。

 デザイン面では、テイストが前モデルとは大きく変更され、「ぬくもりを感じさせる表情」で安心感と親近感を表現したとされています。

 この点についてユーザーの評価は大きく分かれる結果となっていますが、力強さが強調されがちな昨今の自動車のデザインとは異なったアプローチを持ち込んだことは、初代フィットが掲げていた「革新」というコンセプトに呼応するともいえそうです。

 搭載されるハイブリッドシステムは、1モーター式のi-DCTから、2モーター式でかつトランスミッションが介在しないe:HEVへ変更されています。

■人気の入れ替わりも激しいコンパクトカー市場

 フィットが誕生してからの20年間で、国内他メーカーのコンパクトカーはどのように変遷したのでしょうか。

 トヨタは当時、「ヴィッツ」を初代フィットよりひと足早い1999年に発売させています。

 ヴィッツは、「大人4人が快適に過ごせる室内空間と優れた基本性能を、社会との調和を図るミニマムサイズで具体化した、コンパクトクラスのワールドワイドなベンチマークを提案する新型車」とされ、登場以来世界的な人気車となりました。

 2002年4月には国内販売累計50万台、ヴィッツのグローバル名「ヤリス」も含めた同年3月時点での全世界販売累計は115万台を達成しています。

 その後、2005年2月に発売された2代目ヴィッツは、前モデルのデザインを踏襲しつつ室内空間の拡大や走行性能、安全性能の向上などが図られました。

2010年10月には世界累計販売台数350万台を突破し、同年12月には3代目へフルモデルチェンジするなど、コンパクトカーのグローバルモデルとしての地位を確立しています。

 その後、ハイブリッド専用車の「アクア」(2011年発売)が、ヴィッツやフィットを上回る売れ行きを見せ、状況が変化。

 ヴィッツにも2017年1月にハイブリッドモデルが追加されましたが、その後のフルモデルチェンジでヴィッツからグローバル名のヤリスへ日本でも変更され、日本でヴィッツの名は消滅しました。

 一方、日産のコンパクトカーは、1982年に登場した「マーチ」が主力モデルのひとつとして知られていました。フィットが登場した2001年は、1992年発売のK11型系と呼ばれる2代目のマーチがモデル末期を迎えながらも販売面では好調でした。

 2002年3月には3代目マーチが発売され、発売直後の2002年度国内販売実績で約15万8千台を記録しましたが、2010年7月には4代目マーチでは日本生産ではなくタイ生産の輸入車になるという大きな変更がありました。

 しかし、これは新興国もメインターゲットとして開発されたモデルで、当時のフィットをはじめとした国産コンパクトカーと比較すると、質感や基本性能、デザインなどで見劣りする感は否めず、販売面では苦戦することとなります。

 一方、「ノート」が発売された2005年以降は、同車がマーチに変わって日産の国内コンパクトカー販売をけん引。3代目となる現行モデルはシリーズ式ハイブリッドシステム「e-POWER」を全車に搭載し、日産の国内登録車販売を支えています。

 ほかにも、マツダは「デミオ(現MAZDA2)」、三菱「ミラージュ」、スズキ「スイフト」など、国産各メーカーはさまざまなコンパクトカーをラインナップし、それぞれ一定の評価を得ています。

ホンダ3代目「フィット」ホンダ3代目「フィット」

 ただ、直近20年の国内新車市場を振り返ると、歴代フィットはコンパクトカー市場において売れ筋の第一線に居続けたモデルのひとつだったといえます。

 人気車の入れ替わりも激しいなか、現行フィットがモデルライフのなかでどのような売れ行きを示すのか注目されます。

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