使い勝手よりもデザイン重視? ユニークな2ドア車3選
くるまのニュース / 2021年7月13日 16時10分
スポーティなクルマでは許される2ドアですが、比較的実用的な乗用モデルでは、もはや絶滅状態です。しかし、かつては2ドアでも許されたモデルが存在。そこで、実用的でユニークな2ドア車を、3車種ピックアップして紹介します。
■往年のスタイリッシュな2ドアモデルを振り返る
高性能なスポーツカーやラグジュアリーなクーペを除くと、2ドア(3ドア)のモデルは激減してしまいました。
当然ながら使い勝手という点で2ドア車は不利で、とくに実用的なモデルで2ドア車がヒットすることは、もはやありえないといえます。
しかし、1990年代までは比較的実用的なモデルでも、2ドア(3ドア)のクルマが散見されました。
そこで、かつて販売されたユニークな2ドア車を、3車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「カローラ リフトバック」
あらゆるニーズに対応するため多彩なボディラインナップを展開した4代目「カローラ」
トヨタは1966年に、マイカー時代到来に向けた大衆車の初代「カローラ」を発売。ボディタイプは当初は2ドアセダンのみでしたが、後に4ドアセダン、2ドアクーペ、ライトバンなど多彩なボディタイプを展開し、さまざまなニーズに対応しました。
その後、カローラは代を重ねても複数のボディタイプを設定。1979年発売の4代目では、2ドア/4ドアセダン、2ドアクーペ、3ドアハッチバック、2ドア/3ドアバンに加え、トヨタ独自の3ドアリフトバックと7タイプのボディを販売していました。
なかでもリフトバックはステーションワゴンとクーペの中間のようなスタイルの3ドアハッチバックで、直線基調のデザインと相まって個性的なフォルムとなっており、まるで欧州の「シューティングブレーク」を彷彿とさせます。
エンジンも多彩で、1.3リッター、1.5リッター、1.8リッターの直列4気筒OHVに、トップグレードの「GT」には「カローラレビン」と同じ1.6リッター直列4気筒DOHCを搭載。
1983年に登場したFFの5代目では、欧州市場で人気の5ドアハッチバックがラインナップされましたが、6代目以降ではセダンとステーションワゴンが展開されました。
●ホンダ「アコード エアロデッキ」
スタイリッシュでシャープなフォルムをまとった3代目「アコード」
ホンダは1972年に発売した初代「シビック」に続き、1976年にはシビックの上級モデルとして初代「アコード」を市場に投入しました。
ボディタイプは当初、3ドアハッチバッククーペのみでしたが、後に4ドアセダンが追加され、ハッチバックとセダンの2タイプを2代目も継承。
そして、1985年に発売された3代目ではハッチバッククーペが廃止され、代わりにスポーティなステーションワゴンを彷彿とさせる3ドアの「アコード エアロデッキ」がラインナップされました。
3代目アコードの特徴であるリトラクタブルヘッドライトを採用したシャープなフロントフェイスに、フロントからリアエンドへ続くロングルーフのキャビンは、それまでの国産車では見られなかった個性的かつスポーティなフォルムを実現。
エアロデッキは、まさにシューティングブレークそのものといっていいスタイリングでした。
その後、1989年に4代目へフルモデルチェンジすると、4ドアセダン、2ドアクーペ、5ドアステーションワゴンというラインナップに改められ、ユニークなエアロデッキは一代限りで消滅してしまいました。
なお、エアロデッキは日本と欧州、ニュージーランドで販売されましたが、北米では一般的な3ドアハッチバッククーペとされました。
●日産「テラノ」
アメリカナイズされたデザインから高い人気を誇った初代「テラノ」
現在、世界的に高い人気を誇っているSUVは、アメリカでピックアップトラックをベースに荷台にキャノピーを搭載したクルマが始まりといわれています。
その後、アメリカではピックアップトラックのラダーフレームにステーションワゴンタイプのボディを架装したモデルが人気となり、日本でも1990年前後には同様のモデルが次々と誕生。
そのなかの1台が、1986年に発売された日産初代「テラノ」です。
テラノのベースとなったのは前年に登場した9代目「ダットサントラック」で、ラダーフレームを共有し、ステーションワゴンタイプのボディが架装されました。
外観はアメリカのSUVの影響が色濃く、スクエアなフォルムの3ドアボディのみで、優れたデザインが高く評価されてヒット作となりました。
搭載されたエンジンは当初2.7リッター直列4気筒OHVディーゼルエンジンのみでしたが、1987年にはよりコンフォートな3リッターV型6気筒ガソリンエンジン車を追加ラインナップ。
また、クロカン車としては少数派だった4速ATを設定したことで、幅広いユーザー層から支持されました。
そして、RVブームの兆しが見え始めた1989年には、より使い勝手を向上させた5ドアモデルを発売。ラインナップを盤石なものとします。
テラノは2002年に2代目をもって日本での販売を終えましたが、海外では「パスファインダー」の名で人気をキープしており、2021年2月にはアメリカで新型の5代目が発表されました。
※ ※ ※
本文中に登場するシューティングブレークですが、その名のとおり狩猟用に仕立てられたステーションワゴンタイプのクルマを指します。
欧州で誕生した黎明期のシューティングブレークはクーペをベースにした2ドア(3ドア)のモデルでしたが、近年はクーペフォルムを強調した5ドアのステーションワゴンが主流で、メルセデス・ベンツやポルシェがラインナップ。
そして、2021年7月13日に、フォルクスワーゲンからフラッグシップモデルの「アルテオン」をベースにした「アルテオン シューティングブレーク」が、日本でも発表されました。
そのスタイルはスポーティかつスタイリッシュで、かなり注目されそうです。
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